失敗しない『不動産ポータルサイト構築』まとめ
目次
不動産ポータルサイトには、高い集客力がある。
賃貸・分譲マンションなどの不動産を探す際、インターネットで検索する人が増えてきています。この傾向にともない、不動産ポータルサイトも、沢山立ち上がるようになりました。
例えば、「地域名+マンション」と検索すれば、該当するサイトがヒットして、希望する条件の物件を探すことが可能です。
【引用:http://www.rsc-web.jp/pre/img/141030.pdf】
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)の「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査によると、インターネットで物件を検索した後で、不動産会社に問い合わせをした利用者は、70.3%であると発表されています。
さらには、問い合わせた不動産会社数は、3.1社で、問い合わせた物件数は4.9件、訪問した不動産会社は2.5社。問い合わせから、契約にいたる達成率も、約30%という結果です。
このことから、不動産ポータルサイトは、非常に効果的な集客ツールであることがわかります。しかしながら、すでに不動産情報サイトは、乱立している状況です。結果に結びつけることは、決して簡単ではありません。
どのようにすれば成果のあがるサイトを、構築することができるのか。各フェーズで押さえておくべきポイントをまとめてみました。
目次
■準備①(リサーチ編)
下調べをしよう
どのようなサイトを構築したらいいのか。いきなりコンテンツを組み立てていくのはおススメできません。
事前のリサーチが必要です。まずは、どのサイトが人気で、どんなサイトが上位にヒットするのかをみていきましょう。
【SUUMO】
【引用:http://suumo.jp/】
株式会社リクルート住まいカンパニーが運営するサイト「SUUMO」。アクセス数でいえば、業界トップです。月間PV数は1億5000万、ユニークユーザー数は900万を超えています。
【HOME’S】
株式会社NEXTが手がける「HOME’S」は、総掲載物件数No.1の不動産・住宅サイト。2015年12月で、620万件を突破しています。
【Yahoo!不動産】
【引用:http://realestate.yahoo.co.jp/】
「Yahoo!不動産」は、ヤフー株式会社による不動産ポータルサイトです。とくに首都圏の中古マンション物件に強みを持っています。
ほかにも主要サイトはありますが、実際に、検索で上位に表示されるサイトをみていきましょう。例えば、「大阪市 中央区 マンション 賃貸」(2016年2月22日現在)で検索したとします。
インターネット広告では、「スマイティ」や「賃貸住宅サービス NetWork南森町店」が掲載されます。
検索では、「SUUMO」や「HOME’S」を筆頭に、「CHINTAI」「アットホーム」「いい部屋ネット」といったメジャーなサイトがあがってきます。
しかしながら、検索ワードを変えて、「大阪市 中央区 デザイナーズマンション 賃貸」(2016年2月22日現在)とします。
すると、「極」や、「大阪デザイナーズマンションNAVI」「スタイルプラス」「コモドスペース」「大阪D不動産」など、地域に特化したサイトが上位表示されます。
ビッグキーワードでは、メジャーなサイトがトップに表示されますが、2~3語以上を組み合わせるミドルワードやロングテールワード(例えば「大阪市 中央区 デザイナーズマンション 家賃10万 駅近10分」)を狙っていくと、検査結果にヒットする確率が高くなります。
組み合わせるワードとしては、
- 駅名
- 地名
- 家賃
- 広さ・間取り
- デザイン(バルコニー・メゾネットなど)
- 築年数
- 入居条件(ペットOK、二人暮らしOK)
- 物件名
などがあげられます。
競合サイトの戦術を知ろう
様々なサイトが検索結果にあがる中で、構築したいサイトと競合になるサイトは、どのサイトか。そして、どのように集客をして、アクセスへとつないでいるのか。
【引用:http://www.similarweb.com/】
競合サイトを分析する上で、役立つサイトがあります。「SimilarWeb」を使えば、簡単に、競合サイトのアクセス状況や集客方法を調べることが可能です。
平均PVや滞在時間だけでなく、アクセスの流入元(検索・SNS・広告・メールなど)や直帰率、検索キーワードといった情報をみることができます。
「SimilarWeb」を使って、競合サイトがなにに注力して運営しているのか、事前に調べておきましょう。
■準備②(目標設定編)
サイトの目的を明確にしよう
リサーチが終われば、どのようなサイトを構築したいか考えていきます。はじめにやるべきは、どんなサイトを目指したいのか目的や目標を設定していくことです。細かなコンテンツやディティールは、方向性が決まってからで構いません。
まず、目的をはっきりさせていきます。不動産ポータルサイトでいうと、例えば、
- 集客につなげる(希望物件の空き確認のメールや電話、店舗への来店、資料請求)
- ティザーサイト(限られた情報を載せたプロモーション)
- 自社のブランディングやイメージアップ
- 広告やアフィリエイトで収入を得る。
などが挙げられます。
具体的にターゲットを決めよう
次に、サイトのターゲティングをします。どんなユーザーにサイトへ訪問してもらいたいか。顧客や見込み客を具体的に絞っていきます。
とくに、年齢層や地域(商圏)、所得層、世帯(一人暮らし、家族向け)、嗜好性(デザイナーズマンションやタワーマンション)、客層(賃貸・分譲、不動産オーナー・投資家)は重要です。
ターゲットによって、構築すべきコンテンツやSEOの対策も変わってきます。
強みをどうするのか考えよう(差別化対策)
競合サイトと比べて、なにがサイトの強みとなるか。ユーザーにとってわかりやすい差別化が必要です。差別化できるのは、エリアに特化した情報提供していることや、仲介手数料が無料であること、デザイナーズマンションやタワーマンションだけを紹介している、といったポイントです。
【引用:http://www.designers-osaka-chintai.info/】
例えば、先ほど紹介したサイト「極」は、大阪のデザイナーズマンションを専門にしたサイトです。特徴の1つは、こだわり検索条件。「コンクリート打ちっぱなし」や「リノベーション」、「メゾネット系」など20項目以上のキーワードから、物件を検索できます。
サイトの目標と時期を明確にしよう
ここで重要になってくるのが、目標値です。目標が漠然としているサイトに、効果は期待できません。悪い例としては、「去年よりも、アクセス数をあげる」といった目標です。
月間アクセス数や、PV数、問い合わせ件数、再訪問数、成約率、滞在時間、直帰率など、指標を明確にしていきます。
その上で大切なのは、期限を決めることです。例えば、現状のPV数が10万だった場合、1年後に15万PVをというゴールを設定します。そうすると、ロードマップをつくることができます。
10万PVの内訳、すなわち自然検索・リスティング広告・SNS・DMなど、それぞれの流入経路から、どれだけのPVがあり、目標を実現するために、どのような対策を取るべきかを考えていきます。
ポータルサイトができあがった後の集客方法を考えておこう
それぞれの流入経路からの集客方法について、述べていきますが、おもにネットとリアルと大きくわかれます。
- ネットでの集客方法
SEO対策
1 タイトルや説明文に、ミドルキーワード・ロングテールキーワードを組み合わせて入れる。
キーワードに呼応したページは必要。
2 ユーザビリティにこだわったコンテンツを充実させる。例えば、検索のしやすさや、詳細な口コミ情報などは、高評価。ビッグキーワードでも、コンテンツがよければ、上位表示される可能性が高い。
リスティング広告(キーワード広告)
【引用:https://adwords.google.co.jp/keywordplanner】
1 SEOで対策をしても、検索結果であがらないが、狙いたいキーワードでアクセス数をあげる。例えば、「駅名+中古」「地名+賃貸+築浅」など。
2 キーワードの選定は、Google Adwordsのキーワードプランナーを活用するのがおススメ。
Facebook広告
【引用:https://www.facebook.com/business/】
1 Facebook広告は、ターゲットを細かくセグメントできることが特徴。年齢層・商圏・興味・関心・行動パターンなど。とくに、不動産オーナーや投資家など、売買・賃貸契約を、現実に検討している層を狙う。
2 とくに、ダイナミックプロダクト広告(パーソナライズされた広告を自動生成する動的リターゲティング広告)や、リード獲得広告(キャンペーンの申込みや、ニュースレターの購読などリアクションを促す広告)が有効。
- リアルでの集客方法
・既存客へのDM
・商圏内でのチラシ配布
■準備③(コンテンツ編)
必要な機能・コンテンツを考えよう
設定したゴールを達成するためのコンテンツをピックアップしていきます。例えば、以下のようなコンテンツをモデルケースとして紹介します。
【必須の機能・コンテンツ】
<ユーザー側>
- トップページ
- はじめての方へ
- サイトからのお知らせ一覧/詳細
- 物件の新着情報一覧/詳細
- 物件一覧(検索機能有り)/物件詳細
→ 種類から探す ※新築マンション/中古マンション/新築一戸建て/中古一戸建て/老人ホーム・介護施設/月極駐車場/貸土地・貸店舗/土地購入/事務所/トランクルーム・貸し倉庫/注文住宅/リフォーム・リノベーション/住宅設備(外まわり・水まわり・屋内)/不動産投資/売却
→条件から探す *住所/間取り/家賃/駅・路線/通勤・通学時間/地図/不動産会社/敷金・礼金0円/築年数/ペットOK/一人暮らし/女性向け/デザイナーズマンション・タワーマンション/海外/複数条件
- 利用規約
- プライバシーポリシー
- 店舗一覧
- 会社概要
- お問い合わせフォーム
- リンクについて
- 免責事項
- サイトマップ
<管理側>
- ログイン機能
- サイトからのお知らせ管理
- 物件の新着情報管理
- 物件管理
■欲しい機能・コンテンツ(優先度:高)
- この近くの物件一覧
- この物件と条件が近い物件一覧
- この物件を見ている人は、この物件も見ています一覧(関連物件) etc.
- お気に入りリスト
- 保存リスト
- SNSとの連携
- 広告枠(広告掲載サービスを行い場合のみ)
■欲しい機能・コンテンツ(優先度:中)
- 不動産用語集
- ノウハウ集(住宅ローン・火災保険・家財保険)
- エリア・タウン情報
- リフォーム・リノベーション事例
- 家賃相場
- 会員登録(マイページ機能):未公開物件の閲覧/ご利用者様の声/最新物件情報の配信
- 特集(田舎暮らし/リゾート・別荘)
- 良い物件の見極め方(コラム)
- アプリの紹介
■欲しい機能・コンテンツ(優先度:低)
- 業界のトレンド情報
- キャラクター・CMの紹介
- 物件ごとの動画
- よくある打ち間違い
- 関連サイト(引っ越し業者・家具・インテリア)
- ○○店長・スタッフのつぶやき(ブログ)
- 過去物件のアーカイブ
- FC加盟店募集
優先順位の高いコンテンツは、もっともユーザーに読まれる可能性があり、アクセス数も見込めるページになります。ほかにも、入れたいコンテンツがあるか、整理してみましょう。
■サイト構築(制作編)
サイト構築に準備しなければならないもの
サイトを制作していくために、契約や素材を準備しておく必要あります。
契約関係
-サーバー
-ドメイン
-SSL
サイト内の素材関係
-サイト内で利用するテキスト
-サイト内で利用する写真
-サイト内で利用する動画
自社で準備できるものはしておきましょう。ただし、契約や素材に関して、内容や予算にあわせて制作会社に相談した方がよい場合もあります。例えば、サーバーについては、想定される規模や機能に合わせ、弊社(株式会社セルバ)からも提案させて頂い
ています。
サイト構築の流れ
サイト作成のプロセスについて、以下、弊社のフローをモデルケースとして、参照してください(引用元:https://www.selva-i.co.jp/service/web_portal.html)。
ご依頼~発注まで
ご依頼内容を基に、お見積書を作成・提出いたします。
お見積りにご納得いただきましたら、ご契約を交わします。
設計(要件定義・概要設計・詳細設計)
まずは、要件定義にてご依頼内容の詳細を詰め、お客様がイメージされているものを具体的にしていきます。その後、具体的に決まった内容をシステム・デザイン面の要件としてまとめる概要設計を行い、詳細設計にて概要設計の内容を、開発時の設計書まで落とし込んでいきます。
制作(開発・テスト)
設計書に沿って、開発をします。開発後は、要件定義・設計にそって開発できているか、動作不具合がないかを社内で確認いたします。
またお客様でも要件定義の内容を満たしているか、動作不具合がないか、品質に問題がないかをご確認いただきます。お客様によるご確認で新たに発生してきた軽微なご要望を対応いたします。
制作費用
サイトの制作費用について、以下、弊社のフローを、モデルケースとして参照してください(引用元:https://www.selva-i.co.jp/service/web_portal.html)。
初期費用:250万円~(内訳:デザイン・コーディング: 100万円~ / システム開発: 150万円~)
月額費用:4万円~(内訳:お問い合わせ対応 / サービス監視 / 問題発生時の原因調査・復旧対応) ※サーバー・ドメイン・SSL・メルマガ配信ASPに関する費用は除く
制作期間
サイトのコンテンツによっても誤差はありますが、一か月前後が目安です。
■リリース後
リリース後の運用は何が必要なのか、考えておこう
サイトを完成させてリリースしたら、やるべきことが、終わるわけではありません。とくに不動産の物件情報は、日々、更新されます。また、競合サイトの状況も、随時、変わります。
自社(お客様)ですること
-コンテンツの企画
-コンテンツの原稿作成
システム運営会社(株式会社セルバ)ですること
-サービスの死活監視
-不具合発生時の復旧対応・原因調査
-各種お問い合わせ対応 etc.
■よくある質問・回答
【Q】デザインは、自由に変更できますか?
【A】変更は可能です。ただし、見積の範囲内でできる内容になります。想定以上の変更をする場合は、別途費用が必要です。
【Q】目標や戦略をどうやって立てればいいかわりません。
【A】KPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)などの指標をもとにして、つくっていきます。ゴールを実現するために、PDCAも必要です。弊社に相談して頂いた際、これらの事項を組み立てていくために、綿密に打合せをさせて頂きます。
【Q】サイト構築後に、サポートはしてもらえますか?
【A】弊社では、電話やメール、打合せを通して、サポートをさせて頂きます。とくにシステムの運営に関するサポートを強みとしております。
【Q】どんなブログのテーマがいいでしょうか?
【A】ターゲット層のユーザーに、興味を持ってもらえるテーマが最適です。おススメは、実際のお客様からあった質問・相談・問い合わせを、ネタにすることです。解決策まで、丁寧な説明すると信用性が高くなります。
【Q】スマートフォンからのアクセスを増やせますか?
【A】スマホの最適化が求められています。不動産ポータルサイトでも、スマホ検索が増えています。表示スピードや軽さへの対応が必要です。弊社でも、レスポンシブデザインやモバイルファースト対応をしておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
■準備① (リサーチ編) |
■下調べをしよう ・有名サイト紹介(SUUMO・HOME’S・Yahoo!不動産) ・検索で上位に表示されるサイト紹介■競合サイトの戦術を知ろう ・SimilarWebの紹介を活用 ■サイトの目的を明確にしよう ■具体的にターゲットを決めよう ■強みをどうするのか考えよう(差別化対策) ■サイトの目標と時期を明確にしよう |
■準備② (目標設定編) |
■ポータルサイトができあがった後の集客方法を考えておこう ・ネットでの集客方法(SEO対策/リスティング広告(キーワード広告) /Facebook広告) ・リアルでの集客方法(既存客へのDM/チラシ配布) |
■準備③(コンテンツ編) | ■必要な機能・コンテンツを考えよう ・必須の機能・コンテンツ(トップページ/お知らせ一覧・詳細/物件一覧(検索有り)/ 物件詳細など) ・欲しいコンテンツは、優先順位の高いものからピックアップ。 |
■サイト構築(制作編) | ■サイト構築に準備しなければならないもの ・ 契約関係(サーバー・ドメイン・SSL) ・ サイト内の素材関係(サイト内で利用するテキスト・写真・動画)■サイト構築の流れ(ご依頼・発注→設計→制作) ・制作費用(初期費用:250万円~/月額費用:4万円~ ) ・制作期間:1か月前後(目安) |
■リリース後 | ■リリース後の運用は何が必要なのか、考えておこう ・ 自社(お客様)ですること(コンテンツの企画・原稿作成) ・ システム運営会社ですること(サービスの死活監視・不具合発生時の復旧対応・原因調査・各種お問い合わせ対応) |