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顔採用の正体は「印象採用」

こんにちは。セルバ採用担当のゆうきです。

結局どの企業も顔採用。ルッキズムが酷い。

実際、早く内定がもらえるのは美男美女ばかり。顔さえ良ければ採用されるのは不公平。

そんな声をSNSで見かけることは少なくありませんが、採用の現場に立つ立場からすると、正直なところ想定されている状況と乖離があり、違和感がある意見でもあります。

たしかにそう見える部分があるのも事実ですが、企業は決して“見た目だけ”で採用しているわけではありません
まだ就活を頑張りたい人や、これから転職を考えている人にも役立つ内容だと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

スキルや経験が同等なら印象で決まる

採用では、当然ながらポジションに応じて必要なスキルや経験があるかをまず見ています。「応募資格」として記載されていることも多いですね。
極端な話、見た目がどれだけ良くても、下記のような人が採用に至ることはありません。

  • 話が嚙み合わず、まともにコミュニケーションが取れない
  • ルールを逸脱した特別扱いを求める
  • 「実務経験3年以上必須」なのに実務未経験など、応募資格を満たしていない

結論から言うと、「見た目で決まっているように見える」ケースの多くは、スキルや経験・実績が横並びになったときに、最終的な判断軸として“印象の良さ”で決まったに過ぎません。

印象は顔立ちで決まるのでは?

とはいえ、このような意見もあります。

顔がいい人のほうが“印象が良い”とされやすいのだから、やっぱり顔採用では?

たしかに、顔立ちも第一印象に影響する要素であるのは事実です。

しかし実際に採用の場で評価されているのは、顔そのものの美醜だけではありません。
清潔感、表情、姿勢、声のトーン、受け答えの仕方といった要素を含めた非言語のコミュニケーションが、印象を大きく左右しています。

  • 身だしなみを整える
  • 笑顔で話す
  • 姿勢を良くする
  • 相手の話を遮らず丁寧に聞く

このような印象を良くする振る舞いは、誰にでも工夫・改善できる部分です。

印象の良さ=コミュニケーション力の一部

印象の良さもコミュニケーション力の一部です。

「コミュニケーション力」と聞くと、難しい話題も巧みに語れるとか、議論で相手を言い負かすような“話術”をイメージする人が一定数いますが、採用現場で評価されるコミュニケーション力とはそういったものではありません。

話し方や聞き方と同じように、表情や服装、姿勢、清潔感といった見た目も、他者に伝わる情報の一つです。
その情報は、相手に「話しやすそう」「ちゃんと準備してきてくれたんだな」と思わせるための大切な要素になっています。

巧みな話術や話題の豊富さではなく、他人との関係をつくる姿勢が、印象として表れます。

結果的に“顔採用”に見えることはある

採用活動は一番優秀な人を採用するオーディションかのように思われがちですが、結局のところ企業が選んでいるのは「今のメンバーとチームを組んで上手くいきそうな人」「お客様に安心感を与えられそうな人」「自社の文化にフィットしそうな人」です。

どうしても第一印象に清潔感、表情、話し方などが影響するのは避けられません。
それが結果的に「顔がいい人を選んだ」ように見えてしまうことはあっても、「顔さえ良ければ他の要素は一切不問」ということはありえません。
同じスキルと経験値なら「より感じの良い人」が選ばれるのは自然なことです。

たとえば恋愛で「見た目にこだわらない」と言っていたとしても、あえて不潔感のある身なりの人や、挙動不審な人を選ぶことはないですよね。
「選ぶ基準が見た目だけではない」という意味であって、「見た目が悪ければ悪いほどいい」という意味で言っているわけではありません。

採用も同じで、「あえて印象の悪い人を選ぶ」ことはありません。
セルバはクライアントワークなので、エンジニアでも顧客折衝の機会がありますし、開発はチームで行うので、印象の良さは重要です。

「顔が良い=中身がない」という偏見

顔採用を批判する声の中には

見た目がいいだけで能力が低くても評価されてる!

どうせ中身は空っぽ!

といった、逆方向のレッテル貼りが含まれることも多いです。

でも、清潔感を保ち、表情や姿勢に気を配り、人前で堂々と話せるようになるまで努力した人が、果たして「何もしていない」のでしょうか。
「見た目は内面の一番外側」という言葉はその通りですし、容姿を整えるのも一つの社会的スキルです。
それを軽んじるような発言は、相手の努力や積み重ねを否定することにもつながります。

見た目が整っている人が印象も良いと思われやすいのは事実ですが、多くの場合「顔がいいという1点だけで評価されている」のではなく、「見え方にまで意識を向けられる人」だからこそ、印象が良くなるという話です。

顔さえ良ければ印象が良いわけではない

仮に、仮にですよ。「顔が良いから」という理由だけで採用された人がいたとします。
でも、その人の尻拭いで他のチームメンバーのリソースが奪われて業務が停滞したり、クライアントへ礼儀を欠いた態度をとっていたら、会社にとって大きな損害ですし、印象は最悪です。
「自分は顔が良いから許される」と勘違いして傲慢に振る舞っていたら、更に印象は悪くなりますよね。

顔の良さはあくまで入口の一つであり、印象を良くする一つの要素にすぎません
成果を出すには、周囲との関係性づくり・関係性の維持が不可欠です。

前述の「顔が良い=中身がない」という偏見があることも、顔さえ良ければ印象が良いわけではないことのひとつの証明になっているはずです。

「自分は正当に評価されていない」と不貞腐れた印象はマイナスに働く

自分は優秀なのに、顔が良くないから正当に評価されていない。

もしそう感じているなら、それだけの悔しい経験がこれまでにあったのだと思います。

でも、そうした被害者意識を面接した企業にぶつけていたら、どんな印象を与えるかは想像がつかないでしょうか。
面接官はあなたの短所を見抜いて落とすために面接しているのではありません。「あなたを採用したいと思った何か」があったから、自社に合った人かどうかを判断するために面接しているのです。
気の毒な背景があったとしても、無関係な面接官にその不満をぶつければ「この人と一緒に働きたい」とは思われにくくなります。

「優秀なのに評価されない」のではなく、“優秀だと思っている自分”と“他人から見える印象”にズレがある状態こそが、選ばれない理由になっている可能性もあります。
「常に自分が正しくて、周囲が悪い」という他責的な態度は、信頼や共感を遠ざけます。

印象とは、感情の伝わり方でもあります。
自分が正当に評価されない悔しさや怒りを表に出していたら、それは自ら印象が悪くなる行いをしているようなものです。

採用は「選ばれる場」であると同時に「選ぶ場」でもある

“印象の良さ”が採用にどれほど影響するかを考えてきましたが、最後に伝えておきたい視点を一つ。

採用は、企業が一方的に候補者をジャッジする場ではありません。
候補者もまた、企業を見極め、選ぶ立場にあります。

想像してみて欲しいのですが、面接に行った先の企業で、面接官が不機嫌そうな仏頂面で、身だしなみも小汚く、ボソボソと聞き取りにくい声で話し、こちらの話を明らかに聞いていない態度だったら、「こんな会社で働きたくない」と思いませんか?
採用されても辞退を考えるでしょうし、「こんな態度でよく今まで業界で干されなかったな」という疑問も湧いてくると思います。

企業もまた、第一印象やコミュニケーション力で判断されている立場です。
だからこそ、採用担当である私自身も、会社の印象が悪くなるような言動は極力控えるように気をつけています。

印象で採用を決めるなんてやっぱりおかしい。能力や実績だけで決めるべきだ!

という意見もあるかと思いますが(嘘だと思うかもしれませんが、実際言われたこともあります……)、自分もまた他者や企業を判断するときに“印象”で決めることは全くないのか、一度考えてみて欲しいです。

伝わる印象を大切に

もしあなたが「スキルも実績もあるのに見た目で損をしている」と思うなら、それはチャンスでもあります。
スキルや実績はすぐに手に入るものではありませんが、印象を改善することはすぐにでもできるからです。

最初は上手くいかなくても、印象に直結する身だしなみ、表情、態度、話し方、言葉選びといった要素を少しずつ整えていくことで、あなたを高く評価する企業は増えていきます

セルバではエンジニアを募集しています。
多くのエンジニアが、クライアントとのやり取りや要件定義に関わります。
もし「印象を良くすることも仕事をする上で重要」と思えるなら、セルバはきっとフィットする職場なので、ご応募をお待ちしています!