レシピポータルサイトを成功させたいなら、研究しておきたいのは「白ごはん.comが成功した理由」です。
白ごはん.comは、和食という“難しくて敬遠されがち”な領域で、日々の検索流入→リピート→指名検索までを成立させており、作り手の思想と運営ポリシーがコンテンツの隅々まで通っています。
これは後発ポータルが学べる点の宝庫です。
この記事では、白ごはん.comの人気の理由と収益モデルについて、立ち上げ側の実装目線でまとめます。
白ごはん.comはどんなポータルサイト?

白ごはん.comは、和食を中心に「白ごはんに合う家庭料理」を丁寧に紹介するレシピポータルサイトです。
基本から時短まで幅広く網羅しつつ、料理研究家・冨田ただすけさんの一貫した解説で“失敗しにくい和食”を届けています。
年間2億PV級の“和食特化”レシピメディア
白ごはん.comは、1日に約60万PV以上、年間で2億PVを超える人気サイトです。
※出典:年間2億PV「白ごはん.com」のレシピが、料理をつくる人に愛される理由。冨田ただすけさんに聞いてみた
この規模感は、レシピ領域で「総合型の巨大UGCに勝てない」と思いがちな立ち上げ期に、かなり効く成功例です。
2008年開始・一人運営の一貫性
白ごはん.comは2008年にサイト運営がスタートし、システム的な部分以外の企画や撮影などは、運営者の冨田ただすけさんが一人で運営されています。
そこから2016年からYouTube、2018年にECサイト(白ごはん.comストア)を開始されています。
後発ポータル視点で重要なのはここです。
クックパッドや楽天レシピのようなUGCは膨大な情報量が魅力ですが、白ごはん.comは専門家の視点で作られた高品質なコンテンツが魅力です。
「誰が作っているか」+「何を大切にしているか」が明確だと、コンテンツ数が多くなくても信頼で勝てます。
高品質なレシピコンテンツを更新し続ける
2020年のインタビューによると、白ごはん.comを更新するためにお仕事を制限されていることがうかがえます。
独立して3年ぐらいは来る仕事拒まずで、本や雑誌連載など、声かけていただいたものは全部受けていたんですけど、そうしていたら白ごはん.comを全然更新できず、放置状態になってしまったんですよ。
雑誌でも本でも、WEBでも、僕の意図をくんでくれるところもあるけど、制作側の意図がどうしても入ってくるんで、それがプラスになることもあれば、マイナスにはたらくこともある。
納得のいくレシピコンテンツを発信するためには、どうしても文章も長くなるし、写真も一杯になるし、料理の“行間”も伝えたくなるし。やるならば、レシピ内容と見せ方が全部整った状態で出したい。だったら、自分のメディアでやったほうが迷惑がかからないし、やりやすいかなと思っています。
引用元:年間2億PV「白ごはん.com」のレシピが、料理をつくる人に愛される理由。冨田ただすけさんに聞いてみた
この「質の高いコンテンツを更新し続ける」ことは、長期で強い理由の一つです。
SEO的にも、低品質コンテンツの量産はむしろペナルティの原因となるため、質の高いコンテンツを更新し続けることや、古いコンテンツの品質維持は効きます。
人気の理由は「和食のハードルを“設計”で下げている」こと

和食は「だし・下ごしらえ・火加減」など、つまずきポイントが多く“難しい”と思われがちです。
白ごはん.comはその前提に立ち、初心者でも成功しやすい導線と説明設計で、自然と人気レシピが生まれる土台を作っています。
時短・作り置きで入口を作り、初心者の離脱を防ぐ
白ごはん.comは、定番料理だけでなく「時短料理」などニーズに合わせたコンテンツも多く公開されています。
“丁寧な和食”を掲げつつも、入口は現代の生活に合わせている。これが世間の需要と噛み合い、人気コンテンツとなるのです。
トップ導線に「最初に成功しやすいカテゴリ」を置く(時短・失敗しない定番・下ごしらえ)
「こうすればこうなる」を理屈で説明し、再現性を上げる
白ごはん.comのレシピは、工程写真をできるだけ多く載せ、「どうしてその工程が必要なのか」も丁寧に説明しています。ここが“保存されるレシピ”の作り方の肝です。
手順だけのレシピは一回で終わりがちですが、理由があると、失敗しても修正でき、別料理へ応用できます。
- 各レシピに「失敗しやすい3点」を固定枠で入れる
- “分量”より“判断”を書く(例:煮詰めの目安、火加減の変化点、香りの変化など)
YouTubeで「文字で伝わりづらい情報」を補完している
冨田さんは2016年からYouTubeで動画更新もされており、サイト運営とセットで回しています。
動画でも、下ごしらえや基本、「こうすると美味しくなるポイント」を丁寧に説明することは変わりません。
テキストは検索・参照に強く、動画は火入れ・音・質感に強い。
レシピコンテンツは、その両方を活用すると“人気化の速度”が上がりやすいです。
美味しいと言われる理由は「味の設計思想の言語化」

料理の「美味しい」「まずい」は感覚の話になりやすいですが、白ごはん.comは“なぜその味になるのか”を言語化して納得感を作っています。
味付けの狙いと調整の余地まで示すことで、初回の成功率を上げ、リピートにつなげているのが特徴です。
「和食を作ってもらう」+「和食って美味しいと思ってもらう」を目標に置く
冨田さんは、白ごはん.comが目指すこととして「難しいと思われがちな和食を多くの人に作ってもらう」「白ごはん.comの和食を食べて『和食って美味しい、また食べたい』と感じてもらう」を挙げています。
この“目的の明文化”は、レシピの味・説明・カテゴリ設計すべてに一貫性を与えています。
あえて「比較的濃いめ」にする理由を説明し、納得感を作る
白ごはん.comは「市販品に慣れた人にも美味しいと思ってもらう」ため、味付け・塩分を“比較的濃いめ”にしている、と冨田さん自身がnoteで説明されています。
私のレシピって、他の日本料理の板前さんの味付けよりも濃いと思います。それは間違いないです(きちんとそれを狙ってやっているので)。 どうしてそうしているかというと、いま多くの人が口にする加工食品やコンビニの食べ物、ちょっとした外食の料理は、作りやすさやコストが優先され、どうしても化学調味料やたんぱく加水分解物、酵母エキスなどの味にパンチのあるものに頼らざるを得ない状況になっています(それは家庭で作るごはんと違う目的をもったものなので、仕方のないことだと感じています)。 私はできれば子供に和食が好きになってほしいんです。そうなると、加工食品や時にはうまい棒みたいな味の濃いおやつと比べて、「美味しいかどうか?」を子供は純粋に感じ取って、料理を「食べたい」かどうか、さらには「和食を好きかどうか」を感じていると思います。 だから、加工食品などの味の濃いめのものと比べてもそん色ない「味の濃さ」を作る、しかも化学調味料は使わずに、というレシピの組み立てをやっています。
引用元:白ごはん.comの味付けにつきまして。
ここまで言語化されていると、「美味しい/濃い」の評価が割れても、説明で回収できます。
調整方法まで書いている
白ごはん.comのレシピでは、濃い・甘いと感じた場合に「味が強く感じた調味料を1〜2割減らす」などの調整の方法まで提案されていたり、材料の分量を200~250gなど、あえて幅を持たせているケースが多いです。
調整の方法があるだけで、「作ったけど合わなかった」を「自分好みに寄せられる」に変えられます。
白ごはん.comの評判が良い理由

白ごはん.comの強さは、レシピの豊富さや話題性だけではなく「信頼が積み上がる仕組み」を徹底している点にあります。
丁寧な説明と安心できる閲覧体験が噛み合い、長く選ばれるメディアになっています。
作り手の経歴・活動実績が整理され、初見の不安を潰す
白ごはん.comの「運営者について」では、冨田さんの経歴や書籍、掲載実績がまとまっています。
この手の情報は、SEOで言えばE-E-A-Tの“土台”ですが、もっと重要なのはUXです。
初見ユーザーが「このサイト信じていい?」を判断できる場所があると、評判系の検索ワードを自サイト内で回収できます。
広告体験を守る姿勢が、日常利用の安心感になる
白ごはんcomでもサイト運営当初から、性的な広告、肌の露出が多い広告カテゴリをブロックして運用していますが、オレンジページさんの言われるように、そういったカテゴリをかいくぐって広告配信がされている状態です。… https://t.co/8PSKICyQyy
— 白ごはん.com 冨田ただすけ (@sirogohan_com) March 11, 2025
白ごはん.comは運営当初から、性的・露出が多い広告カテゴリをブロックして運用していること、さらに日々チェックして不快な広告をブロックを続けていることが、冨田さん自身から語られています。
レシピサイトは家族で見ることも多いからこそ、不快な広告を配信することは致命傷になりえます。
「家族で安全に見られるサイト」を守る姿勢こそが、評判の良さに直結しています。
「まずい」と検索する人の心理と、ポータル側の正しい答え方

大前提として、料理に対する「まずい」は個人の主観によるものですが、レシピポータルにおいて、「まずい」はアンチというより、失敗した/味が合わなかったという体験から来ているものがほとんどです。
ここを放置すると離脱に繋がりますが、うまく答えられると信頼が増えます。
味のブレは当然として“誤差”を前提に設計する
冨田さんは、「同じレシピでも素材・切り方・調味料・器具・火入れの違いで仕上がりが変わる」と述べています。
白ごはん.comは「こうすればこうなる」という説明がとても丁寧ですが、これこそが仕上がりに差が出にくいようになっています。
この姿勢が「まずい」と検索されても、回収できる設計になっています。
後発レシピポータルが対策すべきこと
白ごはん.comの思想を参考にするなら、各レシピ末尾に“原因別FAQ”を固定で持つのが効果的です。
- 濃い:醤油・塩・砂糖・みりんを「次回は1割減」の目安(白ごはん.comは1〜2割提案)
- 薄い:煮詰め不足/火力が弱い/だしが薄い
- 食感が違う:切り方/下処理/加熱しすぎ
- 香りが弱い:加熱の順番/仕上げのタイミング
これらの対策を行うだけでも、ネガ検索が“信頼の入口”になります。
白ごはん.comの収益モデル

白ごはん.comの強さは「PVが多い」だけではなく、収益が複線化されている点です。
後発レシピポータルが事業として成立させるなら、ここが一番の学びになります。
広告収入(サイト)+動画広告(YouTube)
冨田さんは、サイトと通販の運営に加え、YouTube制作や商品開発・品質管理も日々ルーティンで行われているそうです。
広告だけを収入源にすると市況変動・広告品質問題の影響が大きいので、接点を分けるのは合理的です。
信頼を購入に繋げるECサイト
ECサイト『白ごはん.comストア』では、冨田さんが開発された無添加のふりかけやだしパック、見映えが良く使いやすいデザインの食器や料理を便利にするアイテムなど、“おうちで和食を楽しむ”ための商品を多数揃えています。
いずれの商品も、運営者の冨田さん自身が納得して選ばれたことが伝わる説明であり、「この人が勧めるなら買ってみよう」という信頼から購入に繋がるECサイトとなっています。
メディア外収益+権威性の強化
運営者ページでは、これまで出版された書籍や外部メディアでの連載、インタビューやメディア出演などが紹介されています。
出版は収益だけでなく、“信頼の強化”としても効くのが料理領域です。
企業タイアップは相性の良い案件だけでブランドを守る
タイアップは伸ばしやすい一方で、雑に増やすと「広告臭」で信頼性が落ちます。
白ごはん.comでも企業タイアップはありますが、冨田さん自身が納得のいく「ブランドイメージを守る案件」だけに絞られており、長期にわたって信頼性が守られるようになっています。
白ごはん.comのアプリはある?

「白ごはん.comはアプリで使えるの?」と気になる人は多いと思いますが、結論から言うと過去に提供されていた時期はあるものの、現在はブラウザでの利用が基本です。
2013年にはアプリがリリースされていた
冨田さんのブログで、2013年に『白ごはん.com 和食の基本55』というアプリがダウンロード可能になったことが告知されています。
また公式プロフィールにも「スマホアプリ『和食の基本55』監修」と記載がありますが、現在はアプリストア上に当該アプリはありません。
現在は“アプリ前提”ではない
現在の白ごはん.comは、ブラウザで閲覧するレシピポータルサイトの広告収入を中心として、YouTubeでの広告収入と書籍、ECサイトが主な収益源です。
立ち上げ側が学ぶべきは「レシピ領域はアプリが必須ではない」こと。
まずWebで検索・再訪を作り、アプリは必要になってから検討でも十分戦えます。
白ごはん.comから逆算する実装ロードマップ

白ごはん.comの成功要因は、運やバズではなく「積み上げ型で強くなる設計」が最初から通っている点にあります。
ここではその考え方をヒントに、後発でも再現しやすい形で“立ち上げ〜収益化”までの実装ロードマップに落とし込みます。
コンセプトを一文で固定する(ジャンルより“約束”)
白ごはん.comは「和食への抵抗を減らす」「和食を美味しいと思ってもらう」という約束が明文化されています。
あなたのポータルも「誰の、どんな失敗を減らすサイトか」を一文で固定すると、コンテンツがブレません。
コンテンツ仕様を決める(文章量・写真点数・FAQ枠)
白ごはん.comはあえてUGCにはせず、権威性のある専門家が監修したコンテンツだけで構成されています。
また、工程写真を増やしてわかりやすくし、「こうすればこうなる」という理由を丁寧に説明することで、UXを高めています。
ここから言えることは、後発こそ最初から“仕様”を決めて、品質の最低ラインを作るのが勝ち筋です。
- 工程写真:最低8枚
- 「失敗ポイント3つ」固定枠
- 味の調整方法
収益は「ポータルサイトの広告収入だけ」に依存しない
冨田さんは2016年にYouTube、2018年にECサイトの運営を開始し、商品開発・品質管理まで日々の運営に組み込んでいます。
ここから言えることは、後発こそ「ポータルサイトの広告収入」だけに依存しないようにすべきということです。
最初から“将来売れるもの”を想定しておくと、コンテンツが資産化します。
まとめ
- 白ごはんの人気は「入口の成功体験(時短・基礎・失敗しない導線)」から設計されている
- 白ごはん.comは味の意図と調整方法まで言語化している
- 白ごはん.com ストアを含め、広告だけに依存しない複線収益でブランド体験を守っている
白ごはん.comの本質は「レシピを増やす」ではなく、“信頼が積み上がる作り方”を、運営と収益まで含めて設計していることです。
ここを自社のテーマに置き換えられれば、後発でも十分勝ち筋を作れます。
