エンジニア不足は嘘?|今後の需要とAI時代に選ぶべき環境
こんにちは。株式会社セルバ採用チームです。
最近、エンジニアとして働いている方から、こんな不安を聞くことが増えました。

エンジニア不足と言われていたのに、転職活動が思ったように進まない

生成AIがコードを書くようになったら、エンジニアの将来性はないのでは?

実務経験を積んだのに、以前ほど案件を選べなくなった気がする
厚生労働省の一般職業紹介状況によると、2026年4月時点でのIT業界の有効求人倍率は1.18倍です。
この数字だけを見ると深刻な人手不足で未経験者でも採用されやすく見える反面、SNS等でIT業界の経営者や採用担当者からの「エンジニアは余っている」「システムエンジニアの仕事は将来なくなる」といった意見を目にすることもあるでしょう。
特に、実務経験が1〜3年程の一通りの開発業務を経験した方ほど、こうした変化を感じ始めているのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、エンジニア全体の需要がなくなっているわけではありません。
ただ、AIや開発ツールの進化によって、企業がエンジニアに求める役割が変わってきているのは事実です。
この記事では、採用現場から見たエンジニア需要の変化と、AI時代にも市場価値を高めていくために必要な経験についてお伝えします。
目次
エンジニア不足は嘘?求職者の感じ方とエンジニア職の実態

ここでは、エンジニア不足と言われる実態と、求職者の感じ方について深ぼっていきます。
「エンジニア不足は嘘」と感じる人が増えている理由
これまでIT業界では、長い間「エンジニア不足」が叫ばれてきました。
実際、今でも日本企業ではDXやシステム刷新、AI活用を進められる人材が不足しています。
特に、業務課題を整理し、システムの企画や要件定義、プロジェクト推進まで担える人材は、現在も簡単には採用できません。
以下のデータでは、DXを推進するのに必要な人材の量が足りていないことが証明されています。

それなのに、なぜ「エンジニア不足は嘘なのでは」と感じるのか。
理由の一つは、企業が必要としているエンジニアと、転職市場にいるエンジニアの経験が一致していないことです。
たとえば企業が求めているのが、次のような役割を担える人だったとします。
- 顧客が抱える問題をヒアリングする
- 業務の流れや業界特有の事情を理解する
- 本当に必要な機能を整理する
- 技術的な制約を顧客に分かりやすく説明する
- 開発メンバーに要件を正しく伝える
- スケジュールや品質を管理する
しかし応募者の経験が、「決められた仕様書をもとに実装する」「割り振られたタスクを完了させる」という範囲にとどまっていると、企業が求める役割との間に差が生まれます。
つまり、すべてのエンジニアが不足しているわけではないのです。
企業の課題と技術の間に立ち、プロジェクトを前に進められるエンジニアが不足しているというのが、採用現場から見た実態に近いです。
エンジニアが余っていて、競争が激しくなっている?
「最近はエンジニアが余っている」という話もあります。この言葉も、完全に間違っているわけではありません。
生成AIやGitHub Copilotなどの開発支援ツールによって、コードの作成、修正案の提示、テストコードの生成、エラー調査といった作業は、以前よりも速く進められるようになりました。
これまで3人で行っていた開発を、AIを活用しながら2人で進められるようになれば、企業が必要とする人数は当然変わります。
特に影響を受けやすいのは、次のような仕事です。
- 仕様がすでに細かく決まっている
- 顧客とのやり取りが必要ない
- 類似した実装を繰り返す
- 指示されたタスクを正確にこなすことが中心
- 技術を選ぶ理由や事業への影響を考える必要がない
もちろん、正確に実装する力は今後も必要です。
上流工程を担当するためにも、開発の基礎や実装経験がなければ、現実的な設計や提案はできません。
ただし、実装だけを自分の価値にしていると、AIや開発効率化の影響を受けやすくなります。
これからは、AIを競争相手として見るのではなく、AIを使って開発速度を上げ、その分、人間にしかできない課題整理や判断、コミュニケーションに時間を使えるかどうかが重要になってくるでしょう。
エンジニアの将来性はない?|AIとエンジニアの仕事
「エンジニアの将来性はない」という意見を見て、不安になる方もいるでしょう。しかし、AIによってエンジニアという職種自体がなくなるとは考えていません。
なくなっていく可能性があるのは、エンジニアという仕事ではなく、言われたものを言われた通りに作るだけの役割です。
システムを開発する前には、そもそも次のような判断が必要です。
「顧客が本当に困っていることは何か」
「システムを作ることが最適な解決策なのか」
「どの業務を残し、どの業務を自動化するのか」
「限られた予算と期間で、何を優先するのか」
「利用者が実際に使い続けられる設計になっているか」
AIは、与えられた条件をもとにコードや案を出すことは得意です。
しかし、顧客自身もまだ言葉にできていない課題を引き出し、関係者の意見を整理し、現実的な落としどころを決める仕事には、まだまだ現状では人間による判断が必要です。
そのため、エンジニアの将来性を考えるときに重要なのは、「AIにコードを書かれるかどうか」ではありません。
AIを使いながら、どこまで広い範囲の問題を解決できるかが、今後の市場価値を左右します。
エンジニア転職の現実|採用担当との摩擦と将来性の考え方

では、エンジニア転職を考えるときに押さえておきたい、企業側の認識や将来性についての考え方について深ぼっていきます。
採用担当が感じる「上流工程ができます」の認識差
職務経歴書で「上流工程を経験しています」「顧客折衝ができます」とあっても、具体的な経験を聞いていくと、企業側が考える上流工程や顧客折衝とは異なるケースは多くあります。
たとえば、次のような経験です。
- 顧客との会議に同席していた
- 決められた仕様を顧客から聞いていた
- 議事録を作成していた
- PMや上司の指示を開発チームに共有していた
- すでに決まった機能について質問していた
これらも大切な経験ですが、企業側が「高待遇で雇用したい上流工程を任せられる人材」として想定されるスキル・実績には、まだ足りないと思われることが多いです。
本来の顧客折衝では、相手の要望をそのまま受け取るだけでなく、背景や目的を確認する必要があります。
たとえば顧客から「この機能を追加してほしい」と言われたときに、以下のように掘り下げて考える人材が欲しいと考える企業が多いです。
「なぜ、その機能が必要なのか」
「現在はどのような業務で困っているのか」
「誰が、どの場面で使うのか」
「別の方法で、より簡単に解決できないか」
さらに、予算やスケジュール、技術的な制約を踏まえて、実現可能な方法を提案しなければなりません。
顧客の業務や事業を理解したうえで、課題を整理し、ITによる解決方法を考え、開発チームが動ける形に翻訳することが、企業側に求められるエンジニア像です。
将来役割が変わっていくエンジニアの仕事
セルバでは、システムエンジニアの仕事は、将来なくなるのではなく、役割が変わっていくと考えています。
これまでのシステムエンジニアには、仕様書を作成し、プログラマーへ指示を出す役割が多く求められていました。
しかし今後は、仕様書を作るだけでは十分ではありません。
企業が必要としているのは、次のようなことを考えられる人です。
- 事業の目的から必要なシステムを考える
- 現場の業務を理解し、改善点を見つける
- 顧客と開発側の認識をそろえる
- AIを含めた適切な技術を選ぶ
- 開発後の運用や改善まで見据える
- プロジェクトの費用対効果を考える
「何を作るか」が決まってから参加するのではなく、「何を作るべきか」を考えられる人ほど、今後も必要とされていくでしょう。
フリーランスから正社員へ戻るエンジニアが増えている?
ここ数ヶ月から1年ほど、セルバの採用現場でも、フリーランスから正社員への転向を考えるエンジニアと接する機会が増えています。
フリーランスという働き方自体は、今後なくなるわけではないと考えています。
高い専門性や営業力、継続的な取引先を持つ人にとっては、今後も有力な選択肢です。
ただし、比較的単純な実装案件を受け続けるだけで安定した収入を維持する難易度は上がっているように感じます。
開発効率が上がれば、企業は同じ予算でより高い成果を求めますし、案件によっては、実装に加えて設計や顧客対応、チーム管理まで求められることもあります。
その場合、まだ経験が浅いフリーランスエンジニアでは対応できないことも多く、発注企業はすでに要件定義ができる人を選ぶ傾向になるため、安定した収入を維持する・案件を獲得するのが難しくなるのです。
ベテランであっても案件の獲得が難しくなってきたという声は多く、経験の幅を広げたい段階なら尚更、正社員としてチームに入り、先輩や上司のサポートを受けながら難易度の高い業務に挑戦することに大きなメリットがあります。
エンジニアの今後|二極化していく需要
今後のエンジニア需要は、「なくなるか、なくならないか」という単純な話ではなく、役割によって差が広がっていくと考えられます。
需要が相対的に下がりやすいのは、次のようなエンジニアです。
- 指示がなければ動けない
- 仕様の背景を考えない
- 自分の担当範囲以外に関心を持たない
- 顧客や利用者のことを理解しようとしない
- AIや新しい開発手法を避ける
- 実装した後の成果に関心を持たない
一方で、今後も需要が高いと考えられるのは、次のようなエンジニアです。
- 顧客の話から本当の課題を見つけられる
- 業務や業界の構造を理解できる
- ビジネス側と開発側の間に立てる
- 技術的な内容を分かりやすく説明できる
- AIを使って開発の生産性を高められる
- 設計から運用、改善まで考えられる
- 周囲と協力してプロジェクトを進められる
AIがあるから技術力が不要になるのではありません。
技術力に加えて、課題を見つける力、相手を理解する力、判断する力が求められるようになります。
SE経験1〜3年で選ぶべき環境

実務経験が1〜3年ほどのエンジニアは、今後のキャリアを考えるうえで、とても重要な時期にいます。
一人で基本的な実装ができるようになり、開発の流れも少しずつ分かってくる一方で、まだ上流工程に携わったりプロジェクト全体を見る機会は多くない時期です。
この段階で、給与や使用言語だけを見て転職先を選ぶと、数年後も同じ範囲の実装しか経験できない可能性があります。
転職先を選ぶ際には、次の点も確認してみてください。
顧客と直接やり取りできるか
顧客の要望が営業やディレクターを経由して伝えられる環境では、顧客が何に困っているのかを知る機会が限られます。
最初は同席からでも構いませんので、顧客の話を直接聞き、質問し、調整する経験が積めるかを確認することをおすすめします。
要件定義や設計に段階的に挑戦できるか
「経験者しか上流工程を任せない」という環境では、いつまでも経験を得られません。
先輩の補佐や小規模な機能の担当から始め、徐々に要件定義や基本設計を任せてもらえる環境が理想です。
顧客の業界や業務を理解できるか
市場価値の高いエンジニアは、技術だけでなく、システムが使われる現場の業務を理解しています。
特定の業界やサービスに長期的に関わり、顧客と一緒にプロダクトを改善できる環境では、業務理解を深めやすくなります。
開発して終わりではなく、運用や改善まで関われるか
納品した時点で終了する案件では、作った機能が本当に利用されたのか、事業にどのような影響があったのかを知ることができません。
リリース後の数値や利用者の反応を見ながら、継続的に改善できる経験は、エンジニアとしての視野を広げてくれます。
セルバでは「ただ作るだけで終わらないエンジニア」を目指せる
セルバは、WEBシステムの受託開発と、人材業界向けの自社サービス開発を行っています。
クライアントから決められた仕様を受け取り、実装して納品するだけの開発ではありません。
クライアントの要望を聞き、機能を設計し、開発後も運用やパフォーマンス改善、問い合わせ対応、調査対応などを続けながら、長期的にプロダクトを育てています。
しかし、入社直後の若手にいきなり一人で高度な顧客折衝を任せるわけではありません。
まずはプロジェクトやソースコード、顧客の事業について理解し、担当マネージャーのサポートを受けながら、簡単な調整業務から経験していただきます。
その後、要件定義や基本設計、小規模プロジェクトの進行、クライアントとの直接のやり取りへと、担当範囲を広げていきます。
セルバでは、技術だけに傾倒するのではなく、クライアントに本気で向き合えるエンジニアを育てることを大切にしています。
「ただ作るだけで終わりたくない」と感じている方からのご応募をお待ちしています。


