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「やりたいことができなかった」という転職理由が危うい理由

こんにちは。セルバ採用担当のゆうきです。

面接で必ず聞かれると言ってもいい転職(離職)理由ですが、もちろん私も聞きます。
その中で少なくないのは

自分のやりたいことができなかったから。

一見すると主体的で前向きな印象を与えるこの言葉ですが、企業側から見ると、実は忌避される理由の一つでもあります。

今回は、「やりたいことができなかった」がなぜ忌避されるのか、その理由を率直にお伝えします。
※エンジニア以外のポジションにも当てはまる内容ですが、今回は主にエンジニアの採用についての話です。

目次

なぜ「やりたいことができなかった」が忌避されるのか

転職理由としてよく耳にする「やりたいことができなかった」。
一見すると主体的で前向きな理由に見えるのに、実際には採用現場で忌避されるのはなぜか。

それは、“やりたいこと”という言葉の軸が個人の欲求ベースで、自分がやりたい仕事を会社がお膳立てしてくれないことに対して不満を抱いているように見えるためです。
「会社に貢献してその見返りとして給料をもらうという意識が希薄なのでは?」「自分に原因があったことまで、会社やチームのせいにしているのでは?」といった、他責的な人物の可能性を想定します。
極端に言えば、“テイカー気質”に見えてしまうということです。

「やりたいことができなかった」は転職を考えるきっかけとしては理解できますが、それだけを理由にされると「また同じ理由ですぐ辞めるのでは?」と懸念を抱かせてしまうのです。

「作りたいものが作れない」は当たり前

セルバのメイン事業はWEBシステムの受託開発です。
エンジニアが作るのは“クライアントのためのシステム”であり、“自分が作りたいもの”ではありません。
プロジェクトの目的も仕様もスケジュールも、基本的にはクライアントの事情に合わせて決まっていきます。

自分のやりたい技術が使えなかった。

もっと面白い企画に携わりたかった。

気持ちはわかるのですが、それが直接的な離職理由になる方は、受託開発という仕事には向いていません。
求められるのは、“クライアントの課題をどう解決するか”に向き合えるエンジニアです。

「自社サービス開発ならやりたいことができる」は幻想

セルバでは受託開発だけでなく自社サービスの開発も行っているので、そこに惹かれて志望される方もおられます。
よく「自社サービス企業なら、自分のやりたいことをやれる」と思っている方がいますが、それは大きな誤解です。

セルバは社員全員にアイデアを出してもらうことを推奨しており、アイデアを出してもらったら採用・不採用にかかわらず、ささやかですが謝礼も出しています。(※ワンコインアイデアという制度
良いアイデアは誰のものであっても積極的に採用していますが、採用されるのは「会社の利益に資する」と判断されたアイデアです。
「自社サービス企業なら、自分がやりたいことをやりたいようにやれる環境がある」というのは、残念ながら幻想に過ぎません。

会社は学園祭でも部活動でもありません。
自社サービス開発だろうと、会社が取り組んでいるのはあくまで“事業”です。
ユーザーのニーズや売上、市場の流れを考えながら、「やりたいこと」ではなく「必要なこと」をやり続けているのが現実です。

それでも「やりたいことがない」よりはマシ

じゃあ、やりたいことなんて持ってない方がいいっていうこと?

社員に主体性を求めるくせに矛盾してない?

と思うかもしれません。
確かに、「ITエンジニアが人手不足なのに稼げるって聞いたから」「やりたいことが特にないからワークライフバランスが良さそうな会社にした」という受け身の人よりは、何かしらの動機を持って行動してきた人の方が好印象です。

やりたいことが明確にあるということは、少なくとも「自分のキャリアをどうしたいか」を考えてきた証でもあります。
漠然とした願望だったとしても、「こうありたい」という軸を持てることは大切です。

問題なのは、「やりたいことがある」と言いながら、それを実現するための行動を自らしていないケースです。
自発的に努力や工夫をしていないのに、「環境のせいでできなかった」と言われると、説得力は一気に薄れてしまいます。

やりたいことがあるなら、その実現に向けてどんな姿勢で仕事に取り組んできたのか。
そこに“意志”と“責任感”が見えるかどうかで、評価は大きく変わります。

新卒や未経験なら尚更、いきなり「やりたいこと」はできない

新卒や未経験のキャリアをスタートする段階で、「やりたいことができる環境かどうか」を重視する人は少なくありません。
残念ながら現実として、最初から自分のやりたい仕事をやりたいように任せてもらえることはほぼありません。
企業にとっては「何がやりたいか」よりも、「何ができるか」「どんな価値を提供できるか」のほうが重要だからです。

スキルや経験がまだ浅い段階では、まずは目の前の業務を着実にこなし、信頼を積み重ねることが先決です。
そうすると徐々に信用残高が積み上がり「任される領域」が広がっていき、裁量が持てるようになります。

「やりたいこと」を実現したいなら、その前に「やるべきこと」に真摯に向き合えるかどうかが問われます。
基礎を築くフェーズで「やりたいことができない」ことを理由に離職してしまうと、成長のチャンスを自ら潰しただけで終わり、繰り返すとキャリアが詰みます。

「自分のやりたいこと」が最優先なら起業した方がいい

本当に自分の「やりたいこと」を妥協せずに追求したいなら、会社に所属せず自分で起業した方が良いです。

会社は利益を出すための組織であり、個人の夢を支援するための場所ではありません。
社員を採用するのは利益向上のためなので、利益向上に寄与しない「やりたいこと」に固執する姿勢は忌避されます。

「自分のやりたいことを会社に認めさせる」のではなく、「自分のやりたいことと会社が必要とすることが一致する環境を探す」ということであれば、一致したときにそれは大きな武器になります。会社側も「この人に任せたい」と思えるし、自分自身もやりたいことに向き合えます。
会社員として働きつつ、やりたいことも追求するのであれば、その方向性で就職・転職先を選ぶことをおすすめします。

夢を語るなら、現実に耐えられるかどうかも見られている

「やりたいことができなかった」という離職理由は、それ自体が悪いわけではありません。
夢を持つのは素晴らしいことですが、採用の場では自分の希望だけでなく、それを「会社の事業の中でどう活かせるのか」までを含めて語ることが求められます。

セルバではWEBシステムの受託開発と自社サービスの開発を行っています。
受託ではポータルサイトや人材業界のシステムを開発することが多く、自社サービスはクライアントの事業に役立つシステムやツールを開発しています。
人材業界のシステムを作ることに興味がある方、上流工程やマネジメントの経験を積んで裁量を持ちたい方のご応募をお待ちしています!