求人広告を出す際「どんなキャッチコピーにしよう・・・」と悩む声が多数出てきます。
この記事では、求人に使える魅力的な言葉の選び方と具体的な例について紹介していきます。
また、広告出稿における注意点や、効果的な訴求手段の一つとして求人用自社サイトを作るということにも触れていきます。
魅力的な言葉の選び方
キャッチコピーは、その求人広告の最初のアピールポイントとなります。
でも、どう考えて作成したらいいのかわからない
というのが、皆さんが初めに陥るポイントではないでしょうか? 詳しく解説していきます。
キャッチコピーを作るときにまず考えることは?
キャッチコピーを作る際に、まず考えておきたいポイントがあります。それはこの3点です。
- どんな人を求めているのか(働き方・性格・スキルなど)
- 働く人はどんな部分に魅力を感じるのか(社風・福利厚生・従業員の人柄など)
- 求職者はどんなことに悩んでいて、それをどのように自社で働くことによって解決できるのか
一つひとつ詳しく見ていきましょう。
どんな人を求めているのか(働き方・性格・スキルなど)
採用活動を行う際は、会社がどのような人を求めているのかを詳しく提示する必要があります。
その内容さえ決まれば、その人を対象にしたキャッチコピーを作りやすくなります。
採用活動を行う際に何よりも必要なことですが、意外とその部分を考えられていない企業も多くあります。考え方の例は以下の通りです。
- 正社員とアルバイトどちらで働く人なのか
- リモートワーク・出社、どちらをベースに働いてほしいのか
- 活発で発言力・実行力のある人か、大人しくてコツコツとミスなく業務を進めてくれる人か
- 仕事での自己成長を強く望む人か、プライベートと仕事をうまく両立したい人か
- 必要なスキル(資格など)があるか など
働く人はどんな部分に魅力を感じるのか(社風・福利厚生・従業員の人柄など)
働いていて、魅力を感じる部分はどこでしょうか?
求職者にうまくアピールするには、実際の生の声を反映させたキャッチコピーが効果的です。
「この会社で働いたら、こんな魅力があるんだ!」と思ってもらえるポイントを整理してみましょう。考え方の例は以下の通りです。
- 残業が少なくて、プライベートを大切にできるところ
- 資格取得のサポートがあって、スキルアップに積極的に取り組めるところ
- 学生が多くて、楽しくワイワイ働けるところ
- おいしい賄い・社食があって、食事を楽しめるところ
- 先輩・後輩が仲良くて、仕事の相談がしやすいところ など
求職者はどんなことに悩んでいて、自社で働くことによってどのように解決できるのか
求職者の悩みについて深く考え、解決策をキャッチコピー内に取り入れることで、求人媒体内の訴求力がアップします。
求職者は、今の職場に不満や不安があって求人媒体を見ていることでしょう。
その不満や不安を汲み取り「うちでその悩み解決できます!」といった内容が書かれていると、求職者は魅力を感じてくれる可能性が高いです。考え方の例は以下の通りです。
求職者の悩み | 自社で解決できそうな魅力 |
---|---|
休みが少なくてプライベートを楽しめない | 残業が少ない(月10時間以内) |
仕事での成長が感じられなくて不安 | 資格取得支援制度がある |
私じゃなくてもできる仕事はもう嫌だ | 経営陣でなくてもアイデアを採用してもらえる社風 |
愚痴が多い職場環境を変えたい | 飲み会が少なく、会社のランチ会での交流会が定期的にある |
仕事に飽きやすくて別の仕事を探している | ジョブローテーションでさまざまな仕事の経験が積める |
キャッチコピーを書くときに押さえておきたいテクニック
自社の魅力や求める人物像について整理した!いざ書いてみよう!と思っても、やはり出てくるのが
それでもアイデアが出ない・・・・・
という声。いざ書くとなると、どのように書けば魅力的に伝わるのかがわからなければ形にできません。
そんな時に押さえておきたい3つのテクニックをご紹介します。
- 数字や実績を入れる
- 具体的な言葉を使う
- 心理学を活用する
こちらも一つひとつ詳しく見ていきましょう。
数字や実績を入れる
数字や実績は、誰が見てもわかりやすい指標なので、キャッチコピーを作るときに意識したいテクニックとしてとても有効です。
例えば「従業員の8割が未経験でスタート!」や「入社2年目で年収500万円に!」、「残業平均時間、月5~10時間!」など、数字が出ることによって魅力が伝わりやすくなります。
具体的な言葉を使う
自社の魅力を打ち出したい場合、やりがちなのが「資格取得支援制度あり!」など内容のみを打ち出してしまうこと。
確かにこれだけで魅力を感じてくれる求職者もいますが、「これは一体どう魅力的なのか」がわかりにくいと、求職者が魅力だと受け取ってくれず、見過ごされてしまいます。
例えば「常に自身のスキルを磨きたい方に!資格取得支援制度で月1万円まで補助」など、制度の使用イメージが湧きやすいような具体例を入れるなどして工夫できるといいですね。
心理学を活用する
キャッチコピー作成に活用できそうな心理学手法はさまざま。ここでは一部を簡潔に紹介していきます。
心理学名 | どんな効果があるか | 具体例 |
---|---|---|
アンカリング効果 | 最初に与えられた数字や情報によって、後の判断を左右されること | 「週1日からOK!」、「有給取得率90%以上!」など |
ツァイガルニック効果 | 未完成や続きがある事柄のほうが興味を引き、記憶に残りやすいこと | 「未経験者が1年でマネージャーに!その理由とは?」、「5年以内離職率10%以下の秘訣とは」など |
スノップ効果 | 希少性や限定性の高いものに魅力を感じやすいこと | 「4月中のみ募集!」、「募集人数残り1名!」など |
ハロー効果 | 一部の目立つ特徴によって全体の評価をすること | 「PC入力だけ!簡単なデータ入力の仕事」、「月収100万円も夢じゃない!営業スタッフ募集」など |
これらのテクニックをうまく活用して、自社の魅力が伝わるキャッチコピーを考えてみましょう。
キャッチコピーの参考集
では、実際に求人媒体で使えそうな、魅力的なキャッチコピーの具体例を紹介していきます。
飲食業界における魅力的なキャッチコピー5選
まず、飲食店で働く上でデメリットと感じやすい部分を整理してみましょう。
- 給与が低い
- 体力的な負担が大きい
- 土日祝日は休みにくい
- 生活リズムが崩れやすい(朝が早い・夜が遅いなど)
- 顧客のクレーム対応が辛い など
では、それに対して、「自社ではどのような魅力を訴求できるのか?」を考えてキャッチコピーを作ってみましょう。具体例は以下の通りです。
- 「必ず終電までに帰れる!22時半閉店のバル」
- 「完全週休2日制でメリハリのある働き方」
- 「未経験でも最短2年で店長を目指せる」
- 「シフト提出は2週間毎!プライベートの予定を入れやすい」
- 「穏やかな雰囲気のカフェで働きながら癒される」
未経験者を惹きつける魅力的なキャッチコピー5選
未経験者で働いてみたいと考える人は、どのような不安を持っているかについて整理してみましょう。
- 未経験でも受け入れてくれるのかどうか
- 研修制度は整っているのか
- 最初はどんな仕事からスタートするのか
- 長く続けられる仕事なのかどうか
- 仕事に慣れるまでどのくらいかかるのか など
では、それに対して、「自社ではどのような魅力を訴求できるのか?」を考えてキャッチコピーを作ってみましょう。具体例は以下の通りです。
- 「未経験者歓迎!e-ラーニングで学びながらのお仕事」
- 「3ヵ月のみっちり研修で自信を持って仕事スタート!」
- 「社員の7割が未経験採用!入社1年で一人前になれる」
- 「入社3年以内の離職率10%以下!楽しく続けられる仕事です」
- 「入社して半年は先輩社員と同行メイン!未経験でも安心してスタート」
正社員希望者を惹きつける魅力的なキャッチコピー5選
正社員での採用を希望する求職者は、転職先にどのような条件を求めているでしょうか?
自社の求める人材に合わせた訴求が必要ですね。
会社の成長性や将来性に加えて、賞与や年収・働き方の柔軟性・スキルアップなどをアピールすることもいいですが、正社員募集だとすべて詳細に載せているはず。
どこに焦点を置いて募集するかを考えて、人を惹きつけるようなキャッチコピーを考えましょう。具体例は以下の通りです。
- 「ワークライフバランスを重視!残業平均時間月5~10時間」
- 「入社2年で月収50万円を実現!未経験歓迎の広告営業」
- 「【賞与年3回】営業利益を社員に貢献する会社です」
- 「社員の生活を守りたい。住宅補助月5万円あり」
- 「スキルアップを全力応援!資格取得でお祝い金制度」
アルバイト・パート希望者を惹きつける魅力的なキャッチコピー5選
アルバイトなど、パートタイムでの勤務を希望する求職者は、どのような条件を重視して仕事を選ぶ傾向が強いか整理していきます。
- 扶養内で働けるかどうか
- 社会保険の加入が可能かどうか
- シフトの自由度はどの程度か
- 稼ぎやすいかどうか
- 楽しく働けるかどうか
では、それに対して、「自社ではどのような魅力を訴求できるのか?」を考えてキャッチコピーを作ってみましょう。具体例は以下の通りです。
- 「2週間ごとのシフト提出でプライベート充実」
- 「週2日~、1日3時間から勤務可能!お気軽にご相談を」
- 「時給1200円スタート→1年後、時給1600円!?その理由とは」
- 「休館日にはメンバーでランチ会♪仲良く楽しい職場です」
- 「扶養内OK!16時までに終わるお仕事」
女性を惹きつける魅力的なキャッチコピー5選
最近では多様性を受け入れた企業体制づくりのために、女性を積極的に採用したいと考える企業も多くあります。
そんな女性に向けて発信したい企業は、まず女性のキャリアの悩みから考えることがポイントです。
- ママになっても働き続けられるか不安
- 子どもの急な発熱などに柔軟に対応できるか不安
- 子育てしながらでもキャリアアップできるか不安
- 妊活しながらでも働きやすい環境か不安
- 女性でもどんどん活躍できる場所があるのか不安
では、それに対して、「自社ではどのような魅力を訴求できるのか?」を考えてキャッチコピーを作ってみましょう。具体例は以下の通りです。
- 「ママさん活躍中!産休・育休後も働きたいと言ってもらえる職場」
- 「リモートワーク可。子育てキャリアママを応援します」
- 「女性社員の6割がママさんでも安心して働けるサポートが充実」
- 「時短勤務からの採用可!業界経験者積極採用中」
- 「経営者は子育てママ!女性が活躍できる職場です」
広告出稿の注意点
求人広告は、紙媒体やWeb媒体、SNS、自社サイト、求人検索エンジン、ハローワーク、大学などのキャリアセンター、人材紹介・人材派遣などを通じて募集することができます。
しかしどんな内容・表現でも募集できるかと言えばそうではありません。
ここでは、広告出稿をするにあたっての注意点を整理していきます。
避けるべきキャッチコピーの特徴とは?
- 表現が奇抜・過激すぎる
- 表現に独自性がない
- 誇大広告になってしまっている
では、一つひとつ見ていきましょう。
表現が奇抜・過激すぎる
キャッチコピーに奇抜さを求めすぎると、注目するどころか求職者に不安をあおり、逆効果になる場合があります。
例えば、事務員のアルバイトを募集する求人広告において「世界一の企業を目指しています!」という内容だとどうでしょうか?
”積極的な働き方を求められる”ような営業などの職種であれば、やる気のあふれる人が応募してくれるかもしれませんが、事務員のアルバイトで応募したいと考えるような求職者には刺さらない広告だと考えられますよね。
それよりも、職場環境や働き方などを具体的に伝えることが、求職者にとって価値ある情報となるでしょう。
表現に独自性がない
また、他社との差別化があまり感じられないキャッチコピーでは、企業の特色や魅力を十分に伝えられず、採用において求める人物像に当てはまる求職者が応募してくれないといった事態になってしまいます。
他社が多用している内容は避け、どのような表現であれば自社の魅力が伝わるかを熟考しましょう。
また、検索キーワードで効果的な語彙を過度に使用することも注意が必要です。
キャッチコピーにキーワードを詰め込むだけだと、検索には引っ掛かりやすくなっても、自社の魅力を伝えることはできません。
競合他社を分析して差別化を図り、自社の独自性を前面に出すことで、魅力的な企業だと求職者に印象付けることができます。
誇大広告になってしまっている
表現内容にも注意が必要です。
過度な誇張や不明瞭な表現では、怪しい印象を与えてしまうと同時に、応募してもらえないという事態になりかねません。
キャッチコピーだからと誇大な表現をするのではなく、実際の職場環境と一致していることを大切にし、誇大表現にならないよう注意しましょう。
広告出稿の時の表現で禁止されているものとは?
広告出稿する際には、法律で禁止されている表現や記載してはいけない項目に注意して内容を作成する必要があります。
以下に掲げるものは、掲載を差し控えなければならない。
引用元:公益社団法人 全国求人情報協会『倫理綱領と掲載基準』
- 事業の内容または募集の内容が法令に抵触するもの、またはそのおそれがあると認められるもの
- 基本的人権の侵害、就職差別を助長し、均等な雇用機会を損なうもの、またはそのおそれがあると認められるもの
この内容を具体的に提示すると、以下の内容になります。
- 性差別や年齢差別、特定の人を差別・優遇する表現(「20代の男性のみ募集中!」など)
- 応募者の性格や心身の特徴を指定する表現(「元気で明るい方募集!」など)
- 人種や民族、現在の居住地、性格、身体的な特徴や障害についての表現(「外国籍の方応募不可」など)
- 他者が所有する図や絵、写真など(著作権法違反)
また、以下のように、誤解を生じさせるような表現もしないように注意しましょう。
- 募集内容(委託契約での募集を「社員募集」など表現し混同させる、など)
- 賃金(【月給】とまとめるのではなく【基本給】、【固定残業代】などと表現して誤解を防ぐ、など)
- 募集者の氏名または名称(グループ会社と自社を混同するような表現、など)
効果的な訴求手段として、自社サイトという選択肢
ここまでは、求人媒体を利用した採用活動について述べていきましたが、自社サイトを運営するという選択肢もあります。
ここからは、自社の採用サイトを運営すればどのようなメリットがあるのかをご紹介していきます。
求人情報をより詳細に伝えられる
自社の採用サイトを運営すると、他社の媒体を使うよりも企業の魅力や福利厚生、社風などを詳細に伝えることができる場合があり、より求職者の興味を引くことができます。
求人媒体では、大きな枠での広告投資をしない限り、表現の幅に限りがある場合が多く、限られた表現幅で最大限に自社の魅力を表現するのは困難です。
求人媒体から自社サイトに誘導することも可能ですし、自社のホームページを見てくれる熱心な求職者に魅力をアピールすることも可能になるでしょう。
採用活動がスムーズになる
採用者側の大きなメリットとして、採用活動自体がスムーズになるということがあります。
特に数多くの求人情報を抱えている人材派遣会社や人材紹介会社、グループ企業などは、それぞれの求人情報を一つひとつ求人媒体に掲載していては、管理が大変になってしまい、採用活動が困難になります。
自社の採用サイトを持つことで全体を管理しやすくなり、よりスピーディーに求職者一人ひとりへ対応できるようになります。
採用活動をよりよいものにするために
企業の採用担当者は、有効求人倍率の上昇や求人媒体の応募数減少など、厳しい採用環境に直面しています。
そんな中、採用コストの削減や応募数の増加、採用プロセスの迅速化など、課題は山ほどあります。
求人媒体が数多く存在する中、自社に合った人材を確保するために、自社に合った求人媒体を探し出すことは非常に大変ですが、とても重要なことです。より効率よく採用活動を進めるために「自社で求人媒体をもつ」という選択肢があってもいいのではないでしょうか。
まとめ
求人広告を作成するにあたってのポイントや注意点について触れていきました。
求人媒体に掲載する際は、自社の魅力を最大限に引き出した表現によって、より多くの求職者を集めたいですよね。
キャッチコピーひとつにこだわることも大切ですし、どんな求人媒体を使うかもとても大切なことです。この記事が、よりよい採用活動の一助になれば幸いです。
弊社では、人材紹介・人材派遣会社さま向けに求職者集客の支援を承っています。
膨大な求人情報を管理するのが大変な企業様のお力になりますので、ぜひお気軽にご相談くださいね!
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