オレンジページの広告が炎上?広告収入モデルのポータルサイトが気を付けるべきこととは?

レシピポータルサイトを広告収入モデルで成功させたいなら、オレンジページnetに表示された広告で物議を醸した出来事は知っておくべきです。
理由はシンプルで、レシピサイトは「生活に入り込むメディア」だからです。
ユーザーは献立に悩んでいるとき、子どもと一緒に料理をするとき、体調を気にして食事を見直したいときなど、安心できる気分でサイトを閲覧します。
そこに不適切な広告が混ざると、コンテンツの信頼まで一気に揺らいでしまいます。
やっかいなのは、広告が原因の炎上は「悪意がなくても起こる」こと。
この記事では、
- オレンジページで物議を醸した広告は何だったのか
- なぜ「むしろオレンジページの株が上がった」のか
- 広告収益型ポータルを運営するなら具体的に何を設計しておくべきか
を、運用目線で深掘りしていきます。
オレンジページの広告が炎上?

オレンジページnetで問題になったのは、レシピを探している最中に、サイトの文脈にそぐわない性的なニュアンスを含む広告が表示されてしまったことでした。
しかも運営側は不適切広告を排除する設定をしていたにもかかわらず、審査をかいくぐって配信された点が、広告運用の難しさを浮き彫りにしました。
オレンジページnetで性的な広告が表示され、SNSで物議に
2025年3月ごろ、料理レシピサイトの閲覧中に性的コンテンツを想起させる広告が表示されたという指摘がX(旧Twitter)で拡散し、オレンジページnetでも同様の広告表示が起きているとして物議になりました。
参考:オレンジページ、性的な広告表示がXで物議→公式が謝罪する事態に 「審査をかいくぐった広告」掲載か【追記あり】
ここでは詳細な表現の再掲は避けますが、「料理レシピ」という文脈とのギャップが大きく、心理的負担が強いタイプの広告だったことがポイントです。
「設定していたのに、審査をかいくぐって表示された」という構造
オレンジページは公式Xで謝罪と説明を行い、「複数の広告ネットワークを利用しており、通常は審査やフィルタリングで不適切な広告を自動排除する設定をしているが、今回その審査をかいくぐった広告が掲載された」と説明しています。
炎上の本質は「オレンジページが露骨な広告を選んだ」ことではなく、広告配信の仕組み上、起こり得る“すり抜け”が、生活者向けメディアで顕在化した点にあります。
なぜ「広告の炎上」は、広告収益型ポータルにとって致命傷になり得るのか

レシピポータルサイトは検索流入が強く、古い情報でも価値が落ちにくいため、広告収益との相性は良いです。
ただし「相性が良い」ことと「事故が起きにくい」ことは別問題。
広告が原因の炎上は、次の3つを同時に壊しにきます。
ユーザーの“気持ち”を壊す(不快・嫌悪・恐怖)
広告というものはコンテンツよりも先に視界に入ることもあります。
ユーザーは広告を“選んで”見ていません。だからこそ、不快な広告は「押し付けられた」体験になりやすいのです。
特にレシピポータルサイトは、子どもと一緒に見るシーンも多いです。
未成年も閲覧するサイトでの不適切な広告は、単なる嫌悪に留まらず、家族体験の毀損にも繋がります。
「このサイト、信用して大丈夫?」の疑念を生む
不快な広告が出た瞬間、ユーザーはこう思います。

このサイト、管理が甘いのでは?



子どもに見せて平気?



変なサイトに誘導されない?
広告の問題であり、メディアに非がなかったとしても、メディア全体の安全性・信頼性に疑いが乗ってしまうのです。
拡散スピードが速く、再現性が低い
不適切な広告はSNSで拡散されやすい一方、広告はユーザーごと・タイミングごとに出し分けられるため、運営側が即座に再現できないことも多いです。
結果として
- ユーザーは見た
- 運営は確認できない
- でも炎上は進む
という地獄みたいな状況が起こりえます。
だからこそ、広告収益型ポータルは“事故前提の設計”が必要です。
それでも「オレンジページは株が上がった」と言われた理由


この件について、SNS上でオレンジページ側の対応を評価する声も多く、結果的に“オレンジページの株を上げた”と評された面があります。
問題を認め、すぐに対処・謝罪した誠実さ
オレンジページは、指摘を受けてすぐに謝罪し、広告ネットワークへ掲載停止要請と原因究明を求めていると説明しました。
炎上というのは、実は「問題が起きたこと」よりも、起きた後の“逃げ方”や“黙り方”で燃え上がるケースが多いです。
この件のオレンジページ側の対応は、初動での誠実な情報発信が、被害を広げなかった要因の一つと言えます。
そもそも不適切な広告を排除する設定をしていたため非がない
オレンジページは公式に、「サイトに適さない広告を通常は排除する設定にしている」と説明しており、ユーザーも「不適切な広告が出ない、安心して見られるサイト」として認識していました。
そのため、今回のように不適切な広告が表示されても、「儲けのために危ない広告を入れていた」のではなく、「安全性を高める設計をしていたのにすり抜けが起きた」という説明があっても納得されたのです。
この“信頼貯金”があったからこそ、謝罪が言い訳に見えず、むしろ誠実な対応として受け止められました。
なぜ「すり抜け広告」は起きるのか?広告収益モデルの落とし穴


ここからが、ポータルサイトを作りたい人にとって大事な話です。
広告収益型のメディアがよく使うのは、いわゆる広告ネットワーク(プログラマティック広告)です。
仕組み自体は便利で、在庫(広告枠)に対して自動で広告を入れてくれるものになっています。
しかし、便利さの裏には構造的な弱点があります。
運営が「1本釣り」で広告主を選んでいない
直販広告なら「この広告を載せます」と人間が判断しますが、ネットワーク広告は基本的に自動配信で、運営が個別に広告主を精査しきれません。
オレンジページも「複数の広告ネットワークを利用」していると説明していました。
ネットワークが増えるほど収益機会は増えますが、同時に制御の難易度も上がるということです。
カテゴリ判定は万能じゃない
多くの広告ネットワークは、広告クリエイティブやリンク先を審査し、カテゴリ判定でブロックします。
しかし現実には、
- 文言・画像の差し替え
- 遷移先の切り替え
- ギリギリ法に触れない表現
- 健全カテゴリを装う
などで“すり抜け”が起き得ます。
オレンジページも「審査をかいくぐった広告」と説明していました。
これは運営の怠慢ではなく、仕組みの限界に対して悪用が発生するという話です。
同様の事案は他社でも起きている
実際、同時期に料理レシピサイト「クラシル」でも不適切広告の指摘があり、運営会社が削除対応・監視強化・広告ネットワークへの要請を発表しています。
参考:“性的広告”表示で物議の「クラシル」 運営元が「該当広告の掲載停止」明かす
つまりこれは「どこかの会社がたまたまやらかした」のではなく、広告収益モデルを採用する限り再現性のあるリスクだということです。
広告収入モデルのポータルサイトが気を付けるべきこと


ここからは「じゃあ、どう設計すればいいの?」を具体的に説明します。
ポイントは、“設定して終わり”ではなく、“運用の仕組み”として持つことです。
メインユーザーが不快になる広告を最優先で排除
ユーザーが誰かで、排除すべき広告は変わります。
- 未成年や親子利用が多い → 性的・出会い系・過激表現は強めに排除
- 医療・金融など信頼性が重要 → 誇大広告・情報商材・ギャンブル系は強めに排除
- キャリア系 → 怪しい副業・投資・“誰でも稼げる”は強めに排除
オレンジページは、サイトに適さない広告としてアダルト・ギャンブル・マルチ商法・出会い系などを挙げ、排除設定をしていたと説明しています。
この発想は広告運用の基本です。
まず「広告配信ポリシー」を文章化する
おすすめは、社内向けに最低限これらを決めることです。
- 禁止カテゴリ(例:アダルト、出会い系、ギャンブル、政治過激、誇大広告 等)
- 注意カテゴリ(例:ダイエット、投資、サプリ、コンプレックス商材 等)
- 例外条件(例:公的機関・大手企業の啓発広告はOK、など)
- 判断責任者(誰が最終判断するか)
- 緊急停止権限(夜間・休日も止められるか)
「言わなくても分かる」は危険です。
文章化することで属人化を防ぎ、判断が早くなります。
広告ネットワーク任せにしない
オレンジページは「排除設定をしていたが、すり抜けた」と説明していました。
実際、それまではユーザーも安心して利用できていたことから、フィルタは機能していたと言えます。
しかし、フィルタを悪用する広告主や代理店が存在する以上、それだけでは足りません。
- 広告ネットワーク側のカテゴリブロック
- 自社側(アドサーバー等)のブロック(ネットワークを横断して止められる仕組み)
- 監視・通報・即時停止の運用(人間の目と、止血の手順)
この「多層防御」を作ると、すり抜けの確率を現実的に下げられます。
監視は気合ではなく“設計”で回す
監視が属人化すると、
- 忙しいと見落とす
- 休日は見落とす
- 炎上してから慌てる
ことになりがちです。
- 1日◯回、主要ページを巡回(トップ・人気レシピ・検索結果・カテゴリ上位など)
- 端末別(PC/スマホ)、ブラウザ別でざっくり見る
- “怪しい広告のスクショ+表示URL+表示日時”をテンプレで記録
- 通報窓口(フォーム)を用意し、必ず返信する(定型文でもOK)
ユーザーが不適切広告を報告できる仕組みがあるなら、「ユーザーからの通報」は、再現困難な広告事故に対してかなり有効です。
それでも事故は起きるため「止血の手順」を先に決める
広告炎上で一番きついのは、事故の瞬間にこうなることです。
- 誰が止める?
- どこを止める?(ネットワークA?B?全部?)
- どこに連絡する?(担当者不在)
- 表立ってどう説明する?(揉める)
事実確認(30分)
- 該当ページURL
- 広告枠位置
- スクリーンショット
- 可能なら広告のクリック先URL
- 発生端末・発生時間
止血(1時間)
- 該当ネットワーク停止(最悪、全プログラマティック停止)
- 該当クリエイティブのブロック登録
- パブリッシャー側のブロック(アドサーバー)があれば横断停止
一次コメント(当日)
- 不快な体験への謝罪
- 意図しない表示であること
- 停止措置と再発防止の方向性
- 追加報告の予定
オレンジページは謝罪とともに、掲載停止要請・原因究明を求めている旨を説明しています。
クラシルも、該当広告の特定と削除対応、審査強化の要請、監視体制強化を公表しています。
この“型”を自社でも持っておくのが、広告収益モデルのサイトを運営する上で最低条件です。
炎上の原因の多くは“その後の対応”
ユーザーの怒りに触れるポイントは、だいたいこの順番です。
多くの場合、不適切な広告が表示されたこと自体は炎上の原因ではなく、その後の対応が不適切だったことが炎上の原因です。
- 不適切な広告が表示される
- その後に運営が下記の対応をする
- 認めない
- 放置する
- ユーザーのせいにする
- 説明が曖昧
- 対応が遅い
オレンジページは不適切な広告が表示されたことを即座に認め、以降は類似の広告が表示されないように迅速な対応をしたことで評価が上がりました。
だからこそ、あなたのサイトでも「事故が起きないように」だけでなく、「起きた時に信頼を落とさない」設計が必要です。
レシピポータルが「特に」気を付けるべき追加ポイント


最後に、レシピポータル特有の論点をまとめます。
家族視聴前提でブランドセーフティ基準を作る
レシピは生活の中心にあります。
「キッチンでスマホを置いて、子どもが横で見ている」といったシーンが普通に起きます。
そのため、レシピポータルの広告は、「他ジャンルより一段厳しめでちょうど良い」と考えて良いでしょう。
健康・食・暮らしジャンルは信頼の毀損が収益に直撃する
健康や食といったジャンルは、情報の真偽への感度が高い領域です。
怪しい広告が出ると、ユーザーは“サイトで発信している情報も怪しいのでは?”と連想しやすくなります。
広告は売上の柱ですが、同時にブランドの地盤でもあります。
ブランドの毀損をするような広告の配信は、短期的には収益に繋がることはあっても、中長期的にはブランドを毀損します。
収益の分散は炎上対策でもある
広告を止める判断をしやすくするには、収益源を分散しておくのが強いです。
- 企業とのタイアップ(ただし広告表記は明確にする)
- アフィリエイト(ユーザーに価値がある範囲)
- 有料会員(広告非表示オプション)
- EC(食材・調理器具)
- 自社サービス誘導(献立提案、買い物リスト、宅配連携など)
“広告を止めたら死ぬ”状態だと、判断が遅れて炎上が拡大します。
まとめ
オレンジページnetで不適切な広告が表示された事例は、これらを教えてくれました。
- 不適切な広告は排除する設計にしていてもすり抜けることがある
- だからこそ、広告運用は“仕組み”で守る必要がある
- 炎上の差を分けるのは、事故そのものより初動と誠実さ
ポータルサイトを成功させたいなら、広告は最後に貼る部品ではなく、最初からUX設計・運用設計に組み込むべき要素です。



