共同経営はやめとけと言われる理由|取り分・借金・辞める前に決めること

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信頼できる友人や知人と一緒に事業を始めるのは、心強く感じるものです。
ひとりでは足りない資金、スキル、人脈を補い合える。苦しいときに相談できる相手がいる。そう考えると、共同経営は魅力的な選択肢に見えます。

一方で、共同経営は始める前の話し合いが甘いほど、後から揉めやすくなります。
特に問題になりやすいのは、取り分、借金、役割分担、意思決定、辞めるときのお金です。

最初は「信頼しているから大丈夫」と思っていても、売上が伸びない時期や費用負担が増える時期になると、不満が一気に表面化します。

求人サイト、マッチングサイト、ポータルサイトなどのWebサービスを共同で立ち上げる場合は、さらに注意が必要です。
開発費、集客費、運用体制、SEO設計、会員管理など、事前に決めることが多く、あいまいなまま進めると「誰が責任を持つのか」が分からなくなります。

この記事では、共同経営がうまくいかない理由と、始める前・辞める前に整理しておきたい点を解説します。

目次

共同経営はやめるべきか

共同経営そのものが悪いわけではありません

ただし、「仲がいい」「一緒にやれば何とかなる」「相手が詳しいから任せればいい」という感覚だけで始めると、かなり危うい形になります。

問題は相手だけではない

共同経営が揉めると、つい「相手が悪かった」と考えたくなります。

もちろん、約束を守らない、情報を隠す、お金にルーズといった相手側の問題もあります。
ただ、実際には最初の話し合いが足りずなあなあにしてしまったために、後から関係が悪くなるケースが少なくありません

たとえば、次のような状態です。

  • 出資額は決めたが、毎月の報酬は決めていない
  • 売上の取り分は話したが、赤字の負担は話していない
  • 共同代表のような形にしたが、最終決定者が決まっていない
  • 片方が営業、片方が開発という話だったが、実際の作業範囲があいまい
  • 事業をやめる場合の手続きや費用負担を決めていない

最初は信頼関係で補えても、売上が立たない期間が長くなると、あいまいな部分がすべて不満になります。

共同経営で本当に怖いのは、相手との相性よりも、決めていないことを信頼関係で埋めようとすることです。

共同経営が合うケース

共同経営だからこそうまく機能するケースもあります。

たとえば、片方が営業や業界知識に強く、もう片方が開発や運用に強い場合などです。
役割が明確で、お互いが相手の領域を尊重できるなら、ひとりで始めるよりも事業を進めやすくなります。

ただし、「得意分野が違うから大丈夫」とは限りません。
営業担当が「開発はすぐ終わるもの」と考えていたり、開発担当が「営業が取ってきた要望を全部実装するのは無理」と感じていたりすると、現場で衝突します。

共同経営に向いているのは、仲がいい相手ではなく、事業上の役割・責任・判断基準を言葉にできる相手です。

うまくいかない理由

共同経営がうまくいかない理由は、感情の問題だけではありません。
むしろ、日々の業務やお金の決め方に小さなズレがあり、それが積み重なってイライラや不信感に変わっていきます。

役割分担があいまい

共同経営でよくあるのが、「一緒にやる」と決めたものの、具体的に誰が何をするのか決まっていない状態です。

たとえば、Webサービスを立ち上げる場合でも、やるべきことは多岐にわたります。

  • 事業企画を固める
  • 競合や市場を調べる
  • 開発会社とやり取りする
  • 原稿や掲載データを用意する
  • 営業先を開拓する
  • 広告やSEOを考える
  • 問い合わせ対応をする
  • 公開後の改善を続ける

これらを「できる方がやる」という形にすると、動ける人に負担が偏ります

最初は「自分がやった方が早い」と思っていても、数ヶ月たつと「なぜ自分ばかり動いているのか」という不満になります。
共同経営では、役職名よりも実務の分担を決める方が先です。

意思決定が止まる

共同経営では、意思決定者が複数いることで判断が遅れる場合があります。

たとえば、求人サイトを立ち上げるとします。
掲載企業から「この項目も追加したい」と要望が来たとき、すぐに仕様変更するのか、初期リリースでは見送るのかを決めなければなりません。
このとき、共同経営者同士で判断基準が違うと、話が止まります

片方は「顧客要望だから対応したい」と考え、もう片方は「追加開発になるから後回しにしたい」と考える。
どちらも間違いではありませんが、問題は、最終的に誰が決めるのか、何を基準に判断するのかが決まっていないことです。

意思決定が遅れると、開発会社や外部パートナーにも影響します。
確認待ちが続けば、スケジュールがずれ、見積もりも変わることがあります。

熱量の差が不満になる

共同経営では、熱量の差も大きな火種になります。

最初は同じくらい本気に見えても、実際に始めると行動量に差が出ます。
一方は平日の夜や休日も動いているのに、もう一方は本業が忙しいと言って返信が遅い。
片方は営業先を回っているのに、もう片方は意見だけ出して作業しない。
こうなると、単なる忙しさの違いでは済まなくなります。

同じ役員報酬なのに、なぜ自分だけ動いているのか

お金を出していないのに、なぜ口だけ出すのか

責任を負わないのに、なぜ決定権を持とうとするのか

このような不満は、早い段階で言葉にしないと、相手への怒りに変わります。

イライラの正体は、性格の不一致ではなく、負担と権限のバランスが崩れていることである可能性が高いです。

裏切りに見える原因

共同経営では、相手の行動が「裏切り」に見える場面があります。

もちろん、本当に不誠実な行為があるなら別です。
ただ、明確な悪意がなくても、情報共有や権利関係があいまいなままだと、裏切られたように感じる状況は起こります。

情報共有が減る

最初は何でも共有していたのに、だんだん連絡が減る。
売上、顧客、外注先、資金の使い道などが見えにくくなる。
こうなると、相手が何か隠しているように感じます。

たとえば、片方が営業を担当している場合、商談内容や見込み顧客の情報を共有しないと、もう片方は事業の状況を把握できません。開発担当が進捗や課題を共有しない場合も同じです。
「任せているから大丈夫」と思えるのは、情報が共有されているときだけです。

共有が減ると、不安が生まれます。不安が続くと、不信感になります。

顧客や権利で揉める

共同経営では、顧客やサービスの権利をめぐって揉めることもあります。

特にWebサービスの場合、次の点があいまいだと危険です。

  • ドメインやサーバーの契約者は誰か
  • ソースコードやデザインの権利は誰にあるのか
  • 顧客リストや会員データを誰が管理するのか
  • SNSや広告アカウントの管理権限は誰が持つのか
  • 片方が辞めた後、同じ事業領域で活動してよいのか

事業が小さいうちは、細かく決めるのを面倒に感じるかもしれませんが、売上が立ち始めると、権利や顧客情報の価値は一気に上がります
その段階で話し合おうとしても、互いの利害がぶつかりやすくなります。

悪意より準備不足が多い

共同経営で「裏切られた」と感じる出来事の中には、最初に決めていなかっただけのものもあります。

たとえば、共同経営者のひとりが別の案件を受けたとします。
本人は生活費を確保するための仕事だと思っていても、もう一方は「こちらの事業に集中してくれると思っていた」と感じるかもしれません。
この場合、問題は副業や別案件そのものではなく、共同事業へのコミット時間や優先順位を決めていなかったことです。

感情的に責める前に、どの約束があり、どの約束がなかったのかを分けて考える必要があります。

取り分と借金の注意点

共同経営で最も揉めやすいのは、お金です。

取り分の話は、事業が始まる前はしにくいものですが、ここを避けると、あとで話し合う方がずっと難しくなります。

利益より先に費用を見る

取り分を決めるとき、多くの人は「利益が出たらどう分けるか」から考えます。
しかし、Webサービスを事業とする場合、利益より先に費用が出ます

たとえば、立ち上げ時には次のような費用が発生します。

  • システム開発費
  • デザイン制作費
  • 原稿作成費
  • サーバーやドメイン費
  • 広告費
  • SEO施策費
  • 営業活動費
  • 運用担当者の人件費

売上が立つ前に、誰がどこまで負担するのかを決めておかないと、「最初に多く出した人」と「後から動き始めた人」の間で不公平感が出ます。

共同経営の取り分は、利益の分け方だけでなく、赤字期間の負担まで含めて考える必要があります。

辞めるときのお金

共同経営を辞めるときは、始めるときよりも話し合いが難しくなります。

特に借入や未払い費用がある場合、感情的な対立だけでなく、実務上の問題も発生します。

  • 借入の名義は誰になっているのか
  • 連帯保証をしている人は誰か
  • 外注先への未払いは残っていないか
  • 開発中のシステムの支払いはどうするのか
  • 片方が事業を続ける場合、もう片方の持分をどう扱うのか
  • 共同で使っていた資産やアカウントをどう分けるのか

「辞めたい」と思った時点で初めて話し合うと、かなり重たい話になります。
共同経営を始める前に、撤退条件を決めておく方が現実的です。

専門家に確認する範囲

借金、出資、株式、持分、契約、税務が絡む場合は、自己判断で進めない方が安全です。

弁護士や税理士に確認すべきなのは、揉めた後だけではありません。
むしろ、共同経営を始める前に最低限の合意書を作る段階で相談しておくと、後からのトラブルを減らせます。

確認したい内容は、たとえば次のようなものです。

  • 出資比率と議決権
  • 役員報酬や業務委託費の扱い
  • 利益分配の方法
  • 追加資金が必要になった場合の負担
  • 共同経営者が辞める場合の手続き
  • 借入や保証の責任範囲
  • 競業避止や顧客情報の扱い

「そこまで本格的にやるほどではない」と感じる段階でも、お金を出す前、契約を結ぶ前、開発を始める前には確認しておきたい部分です。

Webサービスで揉める点

求人サイト、マッチングサイト、ポータルサイトなどを共同経営で始める場合、飲食店や小売店とは違う揉め方があります。
目に見える店舗や在庫がない分、どこにどれだけ費用がかかるのか、誰が何を準備するのかが分かりにくいからです。

開発費が先に出る

Webサービスは、公開前から費用がかかります。しかも、最初に考えていた機能だけで終わらないことの方が多いです。

たとえば求人サイトなら、求人検索、企業管理、応募管理、会員登録、スカウト、管理画面、メール通知、SEO用ページなど、必要な機能が増えがちです。
最初は「シンプルな求人サイトでいい」と考えていても、仕様を詰めるうちに「この機能も必要」「この画面もないと運用できない」と分かることがあります。

このとき、共同経営者同士で開発費の認識がずれていると揉めます
一方は「必要な投資」と考え、もう一方は「そんなに費用がかかるとは聞いていない」と感じる。
どちらも悪意がなくても、事前の見通しが甘いと関係が悪くなります。

集客まで考える

Webサービスは、作っただけでは使われません。
特にポータル型のサービスでは、掲載企業、求職者、会員、利用者など、複数の立場の人を集める必要があります。

たとえば、求人サイトなら求人を掲載する企業だけでなく、応募する求職者も必要です。
マッチングサイトなら、片方のユーザーだけ集まっても成立しません。

開発の話だけで盛り上がっていると、公開後に次のような問題が出ます。

  • 誰が営業するのか決まっていない
  • SEOを考えたページ設計になっていない
  • 広告費を誰が負担するのか決まっていない
  • 初期掲載データを誰が用意するのか決まっていない
  • 問い合わせ対応や審査業務の担当がいない

Webサービスの共同経営では、開発担当と営業担当を決めるだけでは足りません。
公開後に誰が集客し、誰が運用し、どの数字を見て改善するのかまで決める必要があります。

企画段階で整理する

共同経営者を探す前、出資比率を決める前、開発会社に見積もりを依頼する前に、まず企画の前提を整理しておくと話が進めやすくなります。

たとえば、最低限でも次の問いには答えたいところです。

  • 誰に使ってもらうサービスなのか
  • その人は今、何に困っているのか
  • 既存サービスではなぜ足りないのか
  • どこから収益を得るのか
  • 初期費用と運用費を誰が負担するのか
  • 集客はSEO、広告、営業のどれを軸にするのか
  • 最初から必要な機能と後回しでよい機能は何か
  • どの状態になったら撤退や方針転換を考えるのか

この段階で、共同経営者同士の考え方の違いが見えることもあります。

企画中のWebサービスが事業として成り立つかを一度整理したい場合は、弊社セルバの「企画中のWebサービスが事業として成り立つかの整理フォーム」をご利用ください。
回答後は、原則として簡単なフィードバックメールを1回お送りするのみです。
継続的な営業メールや、打ち合わせを前提としたご案内は、ご希望いただいた場合を除き行いません。

まだ問い合わせる段階ではないものの、「この企画を共同経営で進めてよいのか」「開発前に何を整理すべきか」を見直したい場合の材料として使えます。

始める前に決めること

共同経営を始める前に決めるべきことは、大きく分けると「役割」「お金」「撤退条件」です。

この3つがあいまいなまま進むと、事業が伸びても揉めます。
うまくいかないときだけでなく、うまくいき始めたときにも問題になります。

役割と権限

まず決めたいのは、誰が何を担当し、どこまで決められるのかです。

たとえば、Webサービスを立ち上げるなら、次のように分けて考えます。

  • 事業責任者は誰か
  • 開発会社との窓口は誰か
  • 仕様の最終決定者は誰か
  • 営業や提携先開拓は誰が担当するのか
  • 広告やSEOの判断は誰が行うのか
  • 顧客対応やトラブル対応は誰が行うのか
  • 経理や契約管理は誰が見るのか

「全部一緒に決める」という形は、聞こえはいいですが、実務では止まりやすくなります。

共同経営でも、領域ごとの責任者は決めた方が動きやすくなります

お金と撤退条件

次に、お金のルールです。

決めておきたいのは、利益の分け方だけではありません。

  • 初期費用を誰がいくら負担するのか
  • 追加費用が出た場合はどうするのか
  • 売上が出るまでの報酬をどうするのか
  • 赤字が続いた場合、いつまで続けるのか
  • 借入をする場合、誰が名義人になるのか
  • 片方が辞める場合、持分や権利をどう扱うのか
  • 事業を畳む場合、残った費用をどう分けるのか

この話を避けたまま始めると、後から必ず重くなります
特に、知人や友人との共同経営では「お金の話を細かくすると関係が悪くなりそう」と感じるかもしれませんが、お金の話を避ける方が、後で関係を壊します。

共同経営を長く続けたいなら、始める前に辞め方まで決めておくべきです。

外部相談の使い方

共同経営では、すべてを当事者同士だけで決めようとしない方がよい場面も多いです。

契約や借入は、弁護士や税理士などの専門家に確認する領域です。
一方で、Webサービスとして成り立つか、どの機能から作るべきか、開発費や集客設計をどう考えるかは、開発会社や事業設計に詳しい会社に確認する領域です。

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共同経営が向いている場合

共同経営はリスクもありますが、条件がそろえば有効な選択肢になります。
大事なのは、「一緒にやること」そのものを目的にしないことです。

補完関係がある

共同経営が向いているのは、お互いの役割がはっきり違い、かつ相手の領域を尊重できる場合です。

たとえば、次のような組み合わせです。

  • 業界知識に強い人と、システム開発に強い人
  • 営業に強い人と、運用改善に強い人
  • 既存顧客を持つ人と、サービス設計に強い人
  • 資金を出せる人と、実務を担える人

ただし、補完関係があるだけでは足りません。

営業の人が聞いた要望は、開発側が必ず対応する

資金を出した人がすべて決める

実務をしている人が全権を持つ

このような偏りが出ると、関係は崩れます。

補完関係を活かすには、相手の強みだけでなく、責任範囲と決定権の境界を決める必要があります。

ひとりでも進められる

共同経営を考えるときは、「本当に共同経営でなければできないのか」も考えておきたいところです。

たとえば、資金が足りないなら融資や補助金、外部パートナー、段階的な開発という選択肢もあります。
開発が分からないなら、共同経営者を入れる前に、開発会社へ相談する方法もあります。
営業が足りないなら、業務委託や代理店との提携も考えられます。

共同経営者を入れると、意思決定や利益配分、撤退条件が複雑になります。
足りないものを補う方法は、共同経営だけではありません。
ひとりで進める案、外部に依頼する案、共同経営にする案を並べて比較すると、感情ではなく条件で判断しやすくなります。

形にする前の判断

Webサービスは、作り始めてから方向転換しようとすると余計な費用がかかります。
たとえば、最初は求人サイトとして作っていたものを、途中でスカウト型サービスに変えたいとなれば、会員情報の持ち方、検索条件、通知機能、管理画面の設計が変わるかもしれません。

共同経営者同士で方向性が固まっていないまま開発を始めると、途中で意見が割れたときに修正費用が発生します。
その費用を誰が負担するのか。納期が伸びた分をどう考えるのか。
公開が遅れたことで機会損失が発生した場合、誰の責任なのか。
こうした話は、開発が進んでからではなく、企画段階で考える方が冷静に話せます

共同経営を成功させるためというより、揉める前に判断材料をそろえるために、企画・お金・役割・撤退条件を先に整理しておきましょう。

まとめ

  • 共同経営は、相手選びだけでなく、役割・お金・権限の決め方で結果が変わる
  • 取り分を決めるときは、利益だけでなく、赤字期間・借金・辞めるときのお金まで考える
  • Webサービスを共同で始めるなら、開発前に事業性・集客・運用体制を整理しておく

共同経営は、うまくいけばひとりではできない事業を進める力になりますが、信頼関係だけで進めるにはリスクが大きい形でもあります。
特にWebサービスやポータルサイトのように大きな初期投資が必要な事業では、相手と組む前に、事業として成り立つ見込みや費用負担、撤退条件を具体的に整理しておきましょう。

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2003年創業。大阪・東京を拠点にWEBシステム開発、WEB集客支援、人材事業、補助金コンサル等を行っています。
ただシステムを作るだけではなく『売れる仕組み』を創ることを意識して、クライアントの利益向上を追求します。
開発会社の選定代行やレベニューシェアでの開発も積極的に行っているので、まずはお気軽にお問い合わせください。