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キャリアアップ助成金とは?申請の流れやよくある失敗例も解説!

目次

キャリアアップ助成金とは

本記事では、「キャリアアップ助成金」について解説していきます。

キャリアアップ助成金は、厚生労働省が中心となり支給、管理している助成金の1つで、非正規雇用の労働者の処遇改善を目的にしています。

より具体的な内容としては、非正規雇用の労働者を正社員として雇用した場合か、非正規雇用の労働者の処遇を改善したと認められた場合に、その会社の事業主に対して支給される助成金となっています。(それぞれ「正社員化支援」、「処遇改善支援」と呼ばれ、区別されています。)

実は2022年の4月に、正社員の定義変更や一部の助成金廃止といった変更が行われているので、申請を考えている方は念のため最新の内容を確認しておくことをおすすめ致します。

キャリアアップ助成金の対象者

続いて、助成金の対象者についてご紹介します。申請を検討している事業主の方は念入りに確認しておきましょう。

①雇用保険適用事業所の事業主

②雇用保険適用事業所ごとに「キャリアアップ管理者」を配置している

③雇用保険適用事業所ごとにキャリアアップ計画を作成し、労働局長の認定を取得済

④キャリアアップ助成金対象の労働者について、労働条件や勤務状況、賃金支払い状況などがわかる書類を作成

⑤キャリアアップ計画期間中に、非正規雇用労働者のキャリアアップに関する取り組みを実施

以上の条件を全て満たしている事業主が対象となります。

非正規雇用の労働者を正社員にした場合の金額や加算措置制度について

冒頭でご紹介した「正社員化支援」に関係する助成金についてです。

事業主は、現在非正規で雇用している労働者を改めて正社員として雇用することで、助成金を受け取ることができます。正社員化支援は更に「正社員化コース」と「障がい者正社員コース」に分けられ、それぞれのコースによって助成金の支給額が異なっています。

まずは正社員化コースから、詳しい内容を見ていきます。

正社員化コースについて

事業主が現在非正規で雇用している労働者を正社員に転換、あるいは直接雇用した場合に、この正社員化コースの対象として助成金が認められます。また、自社のパートやアルバイトを正社員にした場合や、人材派遣会社から自社に派遣されている労働者を事業主が直接雇用した場合も正社員化コースとして認められます。

一点注意すべき点として、正社員化コースには人数制限がある点が挙げられます。正社員化コースは、1年間で1事業所あたり20人までの上限があります。これを超えた分は対象には含まれないので、注意する必要があります。

(ここで言う「正社員」とは、同じ事業所に勤める他の正社員と同一の就業規則が適用される人員で、尚且つ、賞与または退職金制度と昇給制度がある人員を指します。また、正社員になる前後の半年間の給与を比較し、3%以上増額している必要があります。通勤手当や住宅手当、時間外手当など、3%増額の計算の対象外となる手当もあるので、注意が必要です。)

正社員化コースで受け取れる助成金額

正社員化コースで受け取ることができる助成金額は以下の通りです。

ただし、助成金を申請した事業所の「生産性の伸び」を算定するために用いられている「生産性要件算定シート」において、生産性が3年度前比で1~6%以上伸びている場合は、「生産性向上要件を満たしている」と判断され、上乗せで助成金を受け取ることができます。

企業区分条件支給金額
中小企業有期雇用非正規労働者を正社員にした場合57万円
有期雇用非正規労働者を正社員にし、更に生産性向上要件を満たす場合72万円
無期雇用非正規労働者を正社員にした場合28万5,000円
無期雇用非正規労働者を正社員にし、更に生産性向上要件を満たす場合36万円
大企業有期雇用非正規労働者を正社員にした場合42万7,500円
有期雇用非正規労働者を正社員にし、更に生産性向上要件を満たす場合54万円
無期雇用非正規労働者を正社員にした場合21万3,750円
無期雇用非正規労働者を正社員にし、更に生産性向上要件を満たす場合27万円

正社員化コースの加算措置制度

正社員化コースでは、上記の助成金額に加えて下記の条件を満たすと増額する仕組みがあります。増加額は中小企業も大企業も同一となっています。

条件加算金額
派遣社員を派遣先で正社員として直接雇用対象者が一人親家庭の母または父人材開発支援助成金の訓練修了後に正社員へ転換
有期雇用非正規労働者を正社員にした場合28万5,000円9万5,000円9万5,000円
有期雇用非正規労働者を正社員にし、更に生産性向上要件を満たす場合36万円12万円12万円
無期雇用非正規労働者を正社員にした場合28万5,000円4万7,500円4万7,500円
無期雇用非正規労働者を正社員にし、更に生産性向上要件を満たす場合36万円6万円6万円

更に、勤務地限定社員、職務限定社員、短時間正社員制度を新規に増設し、該当の区分で非正規労働者を正社員として採用した場合、1事業所あたり1回に限り、9万5,000円(生産性向上要件を満たす場合は12万円)の助成金を受け取ることができます。大企業の場合は金額が異なり、7万1,250円(生産性向上要件を満たす場合は9万円)となります。

障がい者正社員化コースについて

障がい者の非正規雇用労働者を正社員として採用した場合は、障がい者正社員化コースとして認められます。

障害者正社員化コースの対象者

障がい者正社員化コースの対象者として認められるのは、以下の条件を満たした労働者です。

①該当の事業主に非正規雇用労働者として6ヵ月以上雇用されている

②正社員に転換した日の時点で、身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者、難病患者、脳の機能的損傷にもとづく精神障害である高次脳機能障害である、と診断された者のいずれかに該当する

③就労継続支援A型事業(障害者・難病患者が、雇用契約を結び一定の支援を得ながら職場で働く福祉サービス)利用者ではない

更に細かい要件として、「事業主・取締役の3親等以内の親族ではない」といったものもありますので、実際に申請を検討する際は細かい要件まで調べるようにしましょう。

障害者正社員化コースで受け取れる障害・転換内容別支給金額

障がい者正社員化コースの支給額は下記の通りとなっています。支給額は企業の規模、対象の労働者の障害の程度、正社員になる前の労働条件の3つの要素によって決定されます。

また障がい者正社員化コースの支給対象期間は1年間となっており、前半の半年(第一期)と後半の半年(第二期)の2回に分けて支給されることになっています。

企業区分支給対象者条件支給金額
中小企業・重度身体障害者

 

・重度知的障害者

・精神障害者

有期雇用から正規雇用へ120万円
有期雇用から無期雇用へ60万円
無期雇用から正規雇用へ60万円
・重度以外の身体障害者

 

・重度以外の知的障害者

・発達障害者

・難病患者

・高次脳機能障害と診断された者

有期雇用から正規雇用へ90万円
有期雇用から無期雇用へ45万円
無期雇用から正規雇用へ45万円
大企業・重度身体障害者

 

・重度知的障害者

・精神障害者

有期雇用から正規雇用へ90万円
有期雇用から無期雇用へ45万円
無期雇用から正規雇用へ45万円
・重度以外の身体障害者

 

・重度以外の知的障害者

・発達障害者

・難病患者

・高次脳機能障害と診断された者

有期雇用から正規雇用へ67万5,000円
有期雇用から無期雇用へ33万円
無期雇用から正規雇用へ33万円

非正規雇用労働者の処遇を改善した場合の金額や加算措置制度について

続いて「処遇改善支援」についての内容です。非正規雇用労働者の処遇を見直し、広くその改善に努めることが処遇改善支援の支給条件ですが、正社員化コースと同様にいくつかのコースに分かれています。コースによって条件、支給額等が異なっているので、コースごとにその内容を見ていきます。

賃金規定等改定コース

非正規雇用労働者の賃金規定を見直して、2%以上の昇給を実現した場合に助成金の支給対象となります。上限人数が決まっており、1つの事業所あたり1年間で100人までが支給対象となります。

助成金額

助成金額は以下の通りとなっています。

企業区分条件支給金額(1人あたり)
中小企業対象の非正規雇用労働者が1~5人3万2,000円
対象の非正規雇用労働者が1~5人で、生産性向上要件を満たす場合4万円
対象の非正規雇用労働者が6人以上2万8,500円
対象の非正規雇用労働者が6人以上で、生産性向上要件を満たす場合3万6,000円
大企業対象の非正規雇用労働者が1~5人2万1,000円
対象の非正規雇用労働者が1~5人で、生産性向上要件を満たす場合2万6,250円
対象の非正規雇用労働者が6人以上1万9,000円
対象の非正規雇用労働者が6人以上で、生産性向上要件を満たす場合2万4,000円

加算措置制度

中小企業に限り、以下の条件を満たした場合は助成金を上乗せして支給されます。

条件加算金額(1人あたり)
3%以上5%未満の賃金増額につながる賃金規定の改定を行った場合1万4,250円
3%以上5%未満の賃金増額につながる賃金規定の改定を行い、生産性向上要件を満たす場合1万8,000円
5%以上の賃金増額につながる賃金規定の改定を行った場合2万3,750円
5%以上の賃金増額につながる賃金規定の改定を行い、生産性向上要件を満たす場合3万円

職務評価・増額改定を行った場合の加算措置制度

上記の加算に加えて、「単純比較表」「分類法」「要素比較法」「要素別点数法」のいずれかの手法で職務評価を行い、それに基づいて賃金規定の増額改定を行った場合、更に下記の増額を受けることができます。

企業区分条件加算金額(1事業所あたり)
中小企業職務評価の手法の活用により賃金規定などを増額改定した場合19万円
職務評価の手法の活用により賃金規定などを増額改定し、生産性向上要件を満たす場合24万円
大企業職務評価の手法の活用により賃金規程などを増額改定した場合14万2,500円
職務評価の手法の活用により賃金規定などを増額改定し、生産性向上要件を満たす場合18万円

賃金規定等共通化コース

非正規雇用の労働者と正社員に共通する職務などを考慮した上で、賃金規定を新たに作成・適用した場合に支給対象となります。

助成金額

賃金規定等共通化コースの支給額は以下の通りです。

企業区分条件支給金額(1事業所あたり)
中小企業有期雇用労働者などに関して正社員との共通の職務に応じた賃金規定を新たに作成・適用した場合57万円
有期雇用労働者などに関して正社員との共通の職務に応じた賃金規定を新たに作成・適用し、生産性向上要件を満たす場合72万円
大企業有期雇用労働者などに関して正社員との共通の職務に応じた賃金規定を新たに作成・適用した場合42万7,500円
有期雇用労働者などに関して正社員との共通の職務に応じた賃金規定を新たに作成・適用し、生産性向上要件を満たす場合54万円

賞与・退職金制度導入コース

非正規雇用労働者向けに賞与や退職金制度を新設し、支給や支給のための積み立てを行った場合に支給の対象となります。

助成金額

賞与・退職金制度導入コースの支給額は以下の通りです。

企業区分条件支給金額(1事業所あたり)
中小企業有期雇用労働者などに関して賞与・退職金制度を新設、支給または積立を実施した場合38万円
有期雇用労働者などに関して賞与・退職金制度を新設、支給または積立を実施し、生産性向上要件を満たす場合48万円
大企業有期雇用労働者などに関して賞与・退職金制度を新設、支給または積立を実施した場合28万5,000円
有期雇用労働者などに関して賞与・退職金制度を新設、支給または積立を実施し、生産性向上要件を満たす場合36万円

加算措置制度

上記金額に加えて、賞与と退職金の両方の制度を新設すると、以下の加算が受けられます。

企業区分条件加算金額(1事業所あたり)
中小企業賞与と退職金両方の制度を同時に導入した場合16万円
賞与と退職金両方の制度を同時に導入し、生産性向上要件を満たす場合19万2,000円
大企業賞与と退職金両方の制度を同時に導入した場合12万円
賞与と退職金両方の制度を同時に導入し、生産性向上要件を満たす場合14万4,000円

選択的適用拡大導入時処遇改善コース

こちらは2022年の9月30日まで時限的に適用されたコースで、今は廃止されたコースです。「労使合意に基づく社会保険適用拡大」を行い、非正規雇用労働者を社会保険の被保険者とした場合に、支給の対象となりました。

助成金額

選択的適用拡大導入時処遇改善コースの支給額は以下の通りです。

企業区分条件支給金額(1事業所あたり)
中小企業有期雇用労働者などの働き方の意向を適切に把握、社会保険の適用・働き方の見直しに反映させる取り組みを実施し、新たに社会保険の被保険者とした場合19万円
有期雇用労働者などの働き方の意向を適切に把握、社会保険の適用・働き方の見直しに反映させる取り組みを実施し、新たに社会保険の被保険者とし、生産性向上要件を満たす場合24万円
大企業有期雇用労働者などの働き方の意向を適切に把握、社会保険の適用・働き方の見直しに反映させる取り組みを実施し、新たに社会保険の被保険者とした場合14万2,500円
有期雇用労働者などの働き方の意向を適切に把握、社会保険の適用・働き方の見直しに反映させる取り組みを実施し、新たに社会保険の被保険者とし、生産性向上要件を満たす場合18万円

短時間労働者労働時間延長コース

上記の「選択的適用拡大導入時処遇改善コース」の代わりに、2024年の9月30日まで時限的に適用されるコースです。短時間勤務の非正規雇用労働者に対し、その手取り収入が減らないよう、週の所定労働時間の延長と、処遇改善の上で社会保険への加入を行った場合に支給の対象となります。このコースも上限が決まっており、1つの事業所に対し1年間に45人までが支給対象となります。

助成金額

短時間労働者労働時間延長コースの支給額は以下の通りです。

企業区分条件支給金額(1人あたり)
中小企業1週間あたりの所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険に加入させた場合22万5,000円
1週間あたりの所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険に加入させ、生産性向上要件を満たす場合28万4,000円
1週間あたりの所定労働時間を1時間以上2時間未満に延長し、基本給の昇給を行った上で社会保険に加入させた場合5万5,000円
1週間あたりの所定労働時間を1時間以上2時間未満に延長し、基本給の昇給を行った上で社会保険に加入させ、生産性向上要件を満たす場合7万円
1週間あたりの所定労働時間を2時間以上3時間未満に延長し、基本給の昇給を行った上で社会保険に加入させた場合11万円
1週間あたりの所定労働時間を2時間以上3時間未満に延長し、基本給の昇給を行った上で社会保険に加入させ、生産性向上要件を満たす場合14万円
大企業1週間あたりの所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険に加入させた場合16万9,000円
1週間あたりの所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険に加入させ、生産性向上要件を満たす場合21万3,000円
1週間あたりの所定労働時間を1時間以上2時間未満に延長し、基本給の昇給を行った上で社会保険に加入させた場合4万1,000円
1週間あたりの所定労働時間を1時間以上2時間未満に延長し、基本給の昇給を行った上で社会保険に加入させ、生産性向上要件を満たす場合5万2,000円
1週間あたりの所定労働時間を2時間以上3時間未満に延長し、基本給の昇給を行った上で社会保険に加入させた場合8万3,000円
1週間あたりの所定労働時間を2時間以上3時間未満に延長し、基本給の昇給を行った上で社会保険に加入させ、生産性向上要件を満たす場合10万5,000円

キャリアアップ助成金申請の流れ

続いて、キャリアアップ助成金に申請する流れを見ていきます。公的制度の例に漏れず、キャリアアップ助成金も複雑な制度となっているので、申請プロセスを順を追って見ていきましょう。

キャリアアップ計画書の提出

まずはキャリアアップ計画書を作成し、管轄の労働局に提出して労働局長から認可を受けます。キャリアアップ計画書の記載内容には、いつ頃までに、どのコースを選び、対象労働者をどのようにキャリアアップさせていくか、といった内容が含まれます。

就業規則の改定

正社員化支援の場合、就業規則に「非正規雇用労働者の正社員への転換に関する規定」がないのであれば、このタイミングで就業規則を改訂する必要があります。正社員転換の為の手続き方法や要件、時期についての規定を作成しましょう。

処遇改善支援の場合は、就業規則に処遇改善の根拠となる規定を設けます。

就業規則の改定後は改めて労働基準監督署に提出する必要があります。

正社員へ転換

就業規則を改定した上で、それに基づいて正社員への転換を実施します。

転換後6か月分の賃金支払い

正社員に転換後、最低でも6ヶ月間は継続して雇用し、賃金を支払います。正社員転換前の6ヶ月間の給料と比較して、3%以上は増額している必要があるので注意しましょう。

支給申請

転換後6ヶ月目の給料を支払った日から2ヶ月以内に、助成金の申請を行います。審査に通過した後、助成金が支払われます。

キャリアアップ計画書の書き方

キャリアアップ助成金の申請のプロセスは、初めにキャリアアップ計画書を提出する所から始まります。

キャリアアップ計画書は、非正規雇用労働者のキャリアアップの計画を記載するもので、キャリアアップの具体的な目標や実施期間、目標達成のための取り組みなどの内容を含みます。異なるコースを同時に申請することも可能なので、自分の事業所がどのコースで支給を目指すのか幅広く考えておくと良いでしょう。

仮に計画策定時から変更があっても、変更届の提出によって計画変更が可能なので、記載するのはあくまで提出時点での計画で問題ありません。

キャリアアップ計画書の記載内容について、以下の8つの項目から詳しく見ていきます。

キャリアアップ管理者

キャリアアップ計画を推進するに辺り、その管理者を事業所につき1人定めて記載します。特別な資格は不要ですが、キャリアアップに関しての知識や経験を持っている人が望ましいとされています。一般的には代表取締役やオーナーがその役割を担う事が多いです。

キャリアアップ管理者の業務内容

キャリアアップ管理者は、キャリアアップ計画の策定や推進、対象者への内容の周知やフィードバックなど、計画を達成するための幅広い活動を行います。

キャリアアップ計画期間

キャリアアップ計画期間には、計画を達成するための具体的な目標期間を設定します。一般的には3〜5年間の間で設定される事が多いです。確実に計画を達成するためにも、現実性のある期間を設定する必要があります。

キャリアアップ計画期間中に講じる措置の項目

計画期間中に講じる措置の項目として、事業所が助成金の支給を目指すコースを選択します。先述したように、同時に複数のコースを選択することも可能ですし、後から変更届を提出してコースを変更することも可能です。あくまで計画策定時に目標とするコースを記載します。

対象者

キャリアアップの対象者について、具体的な個人名を記載する必要はありません。しかし入社年月や配属先、雇用形態といった現段階での働き方が分かる情報は必要です。また、計画提出後に雇用する可能性がある新しい労働者を計画の対象者に含めたい場合は、「新規に雇用したパートタイム労働者」と記載します。

目標

目標には、計画実施後に実現したい姿を記載します。例えば正社員化支援の場合は、職業訓練でスキルを身につける、その後面談によって正社員に転換する、といった具体的なビジョンを記載します。

目標を達成するために講じる措置

この項目では、上記の目標を達成するための具体的な取り組み内容を記載します。上記の例によれば、スキルを身につけるための職業訓練の内容や、正社員への転換を決定する面談の内容などを記載します。

キャリアアップ計画全体の流れ

最後に全体の流れをまとめます。上記の例だと、

①正社員志望の非正規雇用労働者を募集

②職業訓練を実施

③面談を実施して最終的な対象者を決定

といった流れが考えられます。

キャリアアップ助成金申請時の注意点

キャリアアップ助成金の審査は厳しく、非正規雇用労働者を正社員に転換したり、給料を上げたりしても、きちんと要件を満たしていないと支給されません。きちんと審査に合格するために注意しておくべきポイントをご紹介します。

正社員化・処遇改善措置前の手続きが必要

正社員化や処遇改善の措置を行う「前」に、キャリアアップ計画書を提出しておく必要があります。事後の提出、申請は認められませんので注意しましょう。

申請は給与支払い後に行われさかのぼって訂正できない

審査合格には正社員化後半年間の給料に「3%以上」の増額が必要です。要件を満たしていない事が発覚しても、後から遡って増額することはできません。

就業規則などへの明記が必要

特定の非正規雇用労働者を正社員にしたり、処遇を改善したりするだけでは、審査の要件を満たすことはできません。きちんと正社員化、処遇改善の為のルールを就業規則に明記し、今後も継続してルールに則り、非正規雇用労働者のキャリアアップに努めていく事業所である、と認められる必要があります。

支給申請期間中の手続きが必要

キャリアアップ助成金の申請が行えるのは、該当の措置を行ってから半年分の給料を支払った日から2ヶ月以内と決まっています。確実にこの期間内に申請を行う必要があるので、注意が必要です。

助成金支給までに時間がかかる

キャリアアップ助成金申請の流れでも確認したように、キャリアアップ助成金は計画書を提出してから支給されるまでに長い時間が掛かります。計画書を提出し、措置を行った後に半年分の給料を支給し、その後更に審査の時間が掛かります。該当の措置を講じてから助成金を受け取るまでには1年程度掛かると思っておいた方が良いでしょう。

キャリアアップ助成金が支給されないケース

せっかく時間をかけて申請のプロセスを実施して要件を満たしても、様々な要因によって助成金が支給されないケースがあります。労力を無駄にしないためにも、事前に原因を把握して避けるようにしましょう。

労働基準法などの法令違反がある

支給申請日の前日から数えて過去1年以内に、労働関連の法律に違反したことがある事業主はキャリアアップ助成金の対象とはなりません。残業時間の算出や労働時間、有給の消化日数など、最新の労働基準法をきちんと満たしているかどうか改めて確認しておきましょう。

また当然ですが、そもそも非正規雇用労働者の処遇改善が行われていないなど、助成金の目的にそぐわない事業主は支給対象とはなりませんので、労働環境や社内規定など、社内全体の雰囲気をきちんと再確認しておく必要があります。

書類の疑義に対し適切な対応をとらなかった

助成金の申請に際して、申請書や添付書類などに不備や不明点が見つかった場合、都道府県労働局から問い合わせが来ます。それらの問い合わせに対して、定められた期日までに必要な対応をとらないと、助成金の支給対象からは外れてしまいます。

実地調査に協力しなかった

助成金申請後に、調査の一環として実際の事業所での実地調査を求められる場合があります。(場合によっては予告なく行われる場合もあります。)こういった実地調査への協力を拒否すると、助成金の支給対象から外れます。また申請時に提出を求められた総勘定元帳や賃金台帳などの法定帳簿の内容が不正に改ざんされていた場合も支給対象からは外れます。

不正受給から5年以内に申請した場合

過去5年以内に不正受給を行った事業主は、キャリアアップ助成金の支給対象から外れます。ここで言う不正受給とは、真実とは異なる虚偽の申告によって助成金を受け取ることを指します。

受給後の会計検査院検査への協力不同意

助成金の受給後に行われる会計検査院検査への協力に同意していないと、助成金を受給することはできません。また受給後に検査対象になっても良いように、支給申請書や添付書類の写しは支給決定から5年間は保存しておきましょう。

キャリアアップ助成金を申請する際のよくある失敗例

キャリアアップ助成金を申請する際に、ありがちな失敗例をご紹介します。これを踏まえて、同じ失敗をしないように気を付けましょう。

・書類の記載に不備がある

・準備した書類が足りない

・正社員への転換後に計画書を提出している

・雇用保険への加入漏れがある

・残業代を法律で定められた方法で算出していない

・非正規雇用の労働者を「有期雇用」として申請したものの、契約が「自動更新」になっている

以上の様な失敗はよくあります。特に計画の提出→実施→申請、という流れを間違える事が多いので、この流れには特に気を付けましょう。

キャリアアップ助成金を不正受給してしまった場合の罰則

キャリアアップ助成金を不正受給した場合は、不正に受給した助成金を全額返還する必要があります。加えて、支給日の翌日から返還日までの期間に対して、年3%の延滞金と返済額の20%の違約金を支払う義務が生じます。また代理人を通して申請しており、尚且つ代理人が不正に気付いていたのに黙認していた場合は、代理人も併せて責任を負うことになります。

補助金の申請は補助金申請代行業者を使うべき

ここまで、キャリアアップ助成金の内容や申請フローについてご紹介してきましたが、見ての通り、助成金の申請は非常に煩雑な手順となっています。自分でできるなら全ての手続きを自分で行っても良いのですが、慣れていない方だとミスする可能性もあり、せっかく時間をかけたのに助成金をもらえなかった、ということも起きかねません。そういった事態を避けるためにも、補助金の申請には補助金申請代行業者を利用することをオススメします。ここから、代行業者を利用するメリットをご紹介します。

①申請の労力や時間を大幅に削減することができる

代行業者は補助金や助成金の制度内容や手続き方法について熟知しているプロなので、依頼することによって申請に掛かる能力や時間を大幅に削減することが可能です。自分で申請を行う場合は、自分で調べながら必要な情報を集めて申請することになりますが、代行業者に依頼すれば言われた情報を提供するだけで良く、更に不備があって受理されない、という可能性も大幅に下がります。

②補助金についての最新の情報や正しい情報を得ることができる

補助金や助成金について熟知したプロに依頼することによって、それらの制度について最新の正しい情報を得ることが可能です。インターネットを使って自分で調べても、様々なサイトがある中でどれが最新の正しい情報を扱っているかは分かりにくく、過去の情報を現在のものと勘違いして理解してしまう危険性もあります。法令や制度は頻繁に変更されるものなので、常にそれらの情報を更新しているプロに依頼することによって、確実に最新の正しい情報を得ることができます。

③補助金全体の流れをつかめる

上のメリットと被りますが、代行業者は制度について説明することにも慣れているため、わかりやすい説明を受けることが可能です。キャリアアップ助成金のような制度は、申請から支給までに長い期間がかかる上に行わなければならない手順も多く、全体像がとらえにくくなっています。説明になれた代行業者から教えて貰うことで、とらえにくい全体像も正しく理解することができます。

④補助金申請時のアピールポイントや加点項目がわかる

補助金や助成金の中には、要件を満たしたからと言って100%支給されるわけではないものもあります。そういった制度の場合、支給される為には最低限の要件を満たした上で、更にその制度の目標に見合っているか、担当者による審査に合格する必要があるのです。そういった制度に応募する際、代行業者に依頼することによって審査に合格する可能性が高くなります。代行業者は数多くの審査を経験しているので、どの点をアピールすれば合格しやすいかを熟知しているのです。

⑤知らなかった補助金や助成金の情報を提供してもらえる

場合によっては、自分の事業所が支給対象となる補助金や助成金について、代行業者から教えて貰える可能性があります。補助金や助成金のような制度はルールが複雑で調べにくいので、かなり敏感にアンテナを張っておかないと自分の会社が支給対象となる制度ついても見過ごしてしまう可能性があります。代行業者は制度について様々な知識があるので、相談することによって自分たちの事業所が支給対象となる制度を教えて貰えることがあります。

補助金申請代行を利用するデメリット

代行業者を利用するデメリットとしては、審査に合格したか否かに関わらず、着手金や相談料などの費用が発生してしまう点です。審査に合格すれば全体でプラスになりますが、不合格だった場合は代行業者の費用分マイナスになります。また採択された後の手続きはフォロー範囲外となっているサービスも多くあります。制度によっては採択されて支給を受けた後も現状報告などの為に手続きを求められるものもある為、不安な場合はオプションを付ける等の方法で採択後のフォローも用意しておきましょう。

システム開発に関する補助金申請代行ならテックコネクトがオススメな理由

システム開発に関する補助金の申請代行なら、ずばり「テックコネクト」がおすすめです。テックコネクトの強みをご紹介します。

①システム開発に強い専門家チームが支援

テックコネクトではシステム開発を得意分野とした行政書士、社会保険労務士とチームを組んで業務を担当しています。そのため、システム開発に関する補助金の申請代行について総合的に強みを発揮し、他の代行業者以上に踏み込んだ専門的なサポートが可能です。

②審査の要点を抑えた申請書作成

補助金や助成金の申請は年々厳しくなっていますが、テックコネクトでは申請書の作成に重きを置いています。事前に綿密なヒアリングを重ねることで、抑えるべきポイントはきちんと抑え、尚且つ採択されやすい申請書類を作成します。

③採択後の報告書作成まで丁寧にサポート

テックコネクトでは採択された後のフォローまで行っています。制度によっては、採択後に現状報告などの為の報告書を作成しなければならないものもありますが、テックコネクトではその部分までフォローしてくれます。

テックコネクトの補助金申請サポートの流れ

テックコネクトでの補助金申請の流れをざっくりとご紹介します。

①ヒアリング〜申請判断

事前に提出したヒアリングシートの情報を元に、事業所の状況について話し合いを行います。この話し合いは基本的にWeb会議形式で行われるため、時間や場所を気にする必要はありません。この話し合いの結果を基に、申請の可否を決定します。

②申請書作成

話し合いの結果申請することが決定した場合は、正式に契約となり、申請書の作成に着手します。この過程の中で、必要な書類などを共有していきます。

③申請書提出

申請書が完成したら、その内容について繰り返し話し合いを行い、より正確で、より採択されやすい申請書に仕上げていきます。

④交付申請準備

採択されたら、その後に提出する必要がある交付申請の作成に着手します。またこの段階で、作成するシステムの要件定義も進行します。

⑤交付決定〜事業完了

交付の決定を受けて、システムの設計書を元にした開発を進めていきます。事業が完了し、納品まで完了したら次の段階に進みます。

⑥申請〜採択後のアフターフォロー

納品を終え事業が完了したら、事業完了報告書の作成を行い、提出します。

⑦ヒアリング〜申請判断

申請や採択が終わった後も継続してアフターフォローを受けることが可能です。気になる点があれば早い段階で質問して解決しておきましょう。

令和5年の補助金最新情報

最後に、2023年1月時点での最新の補助金情報をご紹介します。補助金や助成金の制度は頻繁に変更が加えられるため、敏感にアンテナを張っておくと、お得な制度情報をいち早く見つけられるかもしれません。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、ベンチャー企業やスタートアップも含めた幅広い中小企業を対象に、革新的な製品やサービスの開発、生産性の大幅な改善等に取り組むための設備投資などを支援する補助金制度です。企業の規模や申請する枠組み、成果によって支給額は異なっており、750万円〜4000万円となっています。「ものづくり補助金」という名称のため、製造業限定の制度だと誤解されやすい制度ですが、上記の条件を満たしていれば小売業、卸売業、サービス業など、幅広い業種が対象となります。

2023年1月11日に始まった第14次以降のものづくり補助金では、以下の変更点があります。

①大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特例

大幅な賃上げに取り組む事業者に対して、従来の補助金に上乗せして補助金が支給される様になります。上乗せされる金額は事業者の従業員数によって異なり、100万円から1000万円となります。要件として、賃上げに関する計画書を提出し、その上で、補助事業期間終了後3〜5年で「①給与支給総額年平均6%増加かつ②事業場内最低賃金を年額45円以上引上げ」を満たす必要があります。

②グリーン枠の拡充

CO2排出量の削減に対して補助金が出るグリーン枠に対して、より好条件の枠組みが追加されました。従来は枠が1つだけで、削減量に関わらず一定の金額でしたが、スタンダード、エントリー、アドバンスの3つの枠組が設けられるようになり、削減量に応じて更なる補助金が支給されることになりました。

③海外展開支援の強化

従来のグローバル展開型が、グローバル市場開拓型に名称を改められ、支援内容が拡充されました。海外進出の為のブランディングやプロモーション等に要する費用が支給対象となったり、支給下限額が引き下げられたりしました。これにより、従来よりも幅広い事業者が利用できる制度となります。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナ対策として新しく始まった制度です。コロナ禍で業績が落ち込んだ事業者が、自身の事業を再構築して新たな取り組みを始めるための補助金となります。補助金額は従業員数によって異なり、2000万円から8000万円となります。

2023年以降の本制度では、市場規模が拡大している業種や業態への転換を行う事業者を支援する「成長枠」や、従来の「回復・再生応援枠」と「緊急対策枠」を合わせた「物価高騰対策・回復再生応援枠」が新設されます。またこちらの制度も、賃上げをした事業者への補助金額が上乗せされ、グリーン枠についてもより幅広い事業者が利用できるよう、使い勝手の改善が行われています。

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者を対象に、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入するための経費の一部を補助する制度です。事業にあった適切なITツールの積極的な導入によって、業務効率化や生産性向上を狙います。また補助類型の中には会計ソフトやECソフトなどの既製品のソフトウェアの導入に使える費用もある為、ITツールの導入を考えている場合は1度申請を検討してみることをおすすめします。

2023年以降の本制度では、通常枠の補助金額の下限が引き下げられたり、デジタル化基盤導入類型の補助下限額が廃止されたりするなど、より少額の投資であっても利用しやすい制度となり、幅広い事業者が利用できる制度となります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や生産性向上に取り組む小規模事業者を対象に、その経費の一部を支援する補助金です。補助金額自体は大きくありませんが、使える範囲が広いため、自由度が高い補助金となっています。

2023年以降の本制度では、インボイス転換事業者への補助金額が50万円上乗せされます。

事業継承・引継ぎ補助金

事業継承・引き継ぎ補助金は、事業の継承をきっかけに新しい取り組みを始める事業所や、事業再編、事業統合に伴う経営資源の引き継ぎを支援する制度です。それらの取り組みに要する費用の一部を補助してくれます。

2023年以降の本制度でも、賃上げを条件に補助金額が上乗せされます。また「経営者交代型」の補助対象に、「後継者が引き継ぎ予定」の場合も含まれるようになります。

まとめ

本記事ではキャリアアップ助成金について、目的や条件、申請手続きの進め方をご紹介しました。日本では他の先進国に比べて労働者の待遇の悪さが問題となっており、特に正規労働者と非正規労働者の待遇格差は大きな注目を集めています。このタイミングで非正規雇用労働者の待遇改善に取り組むことで、助成金も利用できますし、より優れた人材の確保も可能になります。事業主の方は、是非利用を検討してみてください。

本記事を最後まで読んで頂きありがとうございました。