【インタビュー】75歳以上のおばあちゃんが「働く」で日本を変える ── うきはの宝株式会社が挑むばあちゃんビジネスに迫る

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うきはの宝株式会社は、超高齢化が進む福岡県うきは市で75歳以上のおばあちゃんたちが「生きがい」と「収入」を得ながら働ける場を創出するソーシャルビジネス企業です。2019年の設立以来、「ばあちゃん喫茶」の運営や食品製造販売、月刊紙「ばあちゃん新聞」の発行など多彩な事業を展開。2024年にはグッドデザイン賞BEST100を受賞し、米スタンフォード大学長寿研究センターからも注目される取り組みとして、国内外から高い評価を集めています。

今回はうきはの宝株式会社の代表取締役・大熊充さんに、「ばあちゃんビジネス」誕生の背景や事業の強み、そしてこれからのキャリアに悩む方へのメッセージについてインタビューしました!

目次

プロフィール紹介

大熊 充(おおくま みつる)さん
うきはの宝株式会社 代表取締役。1980年福岡県うきは市生まれ。高校卒業後バイク関連業界に従事するも、20代でバイク事故に遭い約4年間の入院生活を送る。退院後、2014年にデザイン事務所を創業。専門学校でソーシャルデザインを学んだのち、ボーダレスアカデミーを修了。2019年10月にうきはの宝株式会社を設立し、75歳以上のおばあちゃんたちが働ける会社として「ばあちゃんビジネス」を展開している。著書に『年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス』(小学館)がある。

75歳以上のおばあちゃんが働く会社 ── うきはの宝株式会社の事業とは

「ばあちゃんビジネス」という名前で広く知られていますが、75歳以上のおばあちゃんたちが働く会社です。高齢者に働くことで経済活動をしてもらい、生きがいや収入を作るとともに、健康寿命を伸ばすことを目的に設立しました。

福岡県を中心に「ばあちゃん喫茶」という飲食店を展開しています。直営が3店舗、フランチャイズが1店舗あり、おばあちゃんたちが週替わりの店長として手料理を提供しています。

それに加えて、連携先の企業が運営する「ばあちゃん酒場」や「ガールズ婆」といった形態の店舗が2、3店舗あります。いずれもおばあちゃんたちが働いているのが共通点です。

飲食以外にも、月刊紙「ばあちゃん新聞」というメディアを発行しています。高齢の方々が働いたり輝いたりする社会を推進する啓蒙活動であり、同時に収益商品でもあるのです。タブロイド判の紙媒体で毎月5,000部を発行し、スポンサーも200社ほどついています。

ばあちゃんビジネスとは?

うきはの宝株式会社が展開する「ばあちゃんビジネス」とは、75歳以上のおばあちゃんたちの知恵と特性を活かし、「食」と「料理」を軸に商品・サービス化するビジネスです。「ばあちゃん喫茶」「ばあちゃん新聞」「ばあちゃん飯(通販)」「ユーチュー婆(YouTubeチャンネル)」など、”ばあちゃん”をキーワードにした事業を多角的に展開。法人化して7期目を迎え、高齢者の就労を専門に手がける企業としては国内唯一の存在です。

入院中のおばあちゃんに救われて ── 大熊さんの原体験と創業ストーリー

20代でバイク事故を起こして、約4年間入院していたんです。精神的にもかなり参っていた時期に、同じく入院していたおばあちゃんたちに支えられたのが原体験です。

退院後は社会復帰して、地域でおじいちゃんおばあちゃんたちのボランティア活動をしていました。ただ、ボランティアだとポケットマネーでやるしかなくて長くは続かない。持続可能な形でおばあちゃんたちと共にやっていくにはビジネスしかないと思い、会社を設立しました。

「支える」というよりも「共にやっていく」という感覚です。ビジネスにすることで、おばあちゃんたちにも収入が生まれるし、私自身もこれで食べている。お互いに対等な関係で、一緒に社会に価値を届けています。

7年間で培ったノウハウ ── おばあちゃんたちと働く秘訣

もちろん若い方と体調や体力の面で違いはあるので、短時間労働にするなどの工夫は必要です。ただ、法人化して7期目になりますので、おばあちゃんたちと一緒に働くためのノウハウがしっかり蓄積されてきているのは弊社の強みであり、評価をいただいているところだと思います。

大変なのはむしろビジネスサイドの方ですね。本社は福岡県うきは市の過疎地域の中でも高齢化率60%超の地域なので、そもそも若い人材がいない。おばあちゃんたちだけではビジネスは回らないので、私のような若者がビジネス推進の部分を担う必要があるのですが、人手が足りていないのが正直なところです。

大企業とのコラボも ── 広がるばあちゃんビジネス

はい。直近では某大手飲料メーカーさんとコラボレーションして、牛乳パックをアップサイクルしたミニトートバッグを制作・販売しています。その企業さん、弊社、そしてアーティストの方の3社協働プロジェクトです。

その企業さんが抱える「紙パックのリサイクル」という課題と、私たちのおばあちゃんたちの知恵と手仕事を掛け合わせることで、ただのリサイクルではなくアップサイクルとして注目を集める取り組みになりました。このように、企業が抱える課題と高齢化への取り組みを掛け合わせて提案するのが弊社の得意分野です。

某大手飲料メーカー × うきはの宝 コラボミニトートバッグ
牛乳の紙パックを素材としたアップサイクル商品。75歳以上のおばあちゃんたちの知恵と技術を活かした手仕事で、一つひとつ丁寧に制作されています。

商品詳細ページ(Makuake)

おばあちゃんたちの声 ── 働くことで変わる日々

弊社では93歳くらいまで働いている方がいるのですが、みなさん若返りを感じられています。日常的にお客さんと関わる・人と関わるということが、健康面でも一番大きいと感じています。

高齢になると社会性や社会とのつながりがほとんどなくなってきます。でも弊社では商売をしながら社会や地域の営みの一部になっているので、おばあちゃんたちは自信を取り戻したり、単純に「楽しい」と言ってくれる。それが一番大きな声ですね。

「ばあちゃん喫茶」とか「ばあちゃんビジネス」って名乗っているので、まずおばあちゃんが嫌いな人はお客さんとして来ないんですよ。おばあちゃんに興味があったり、応援したいファンの方が来てくださる。だから自然と温かい交流が生まれます。

社会保障費の削減を民間から ── ばあちゃんビジネスの社会的意義

今、日本では社会保障費が年々増加し続けていますよね。その大きな割合が高齢者の医療・介護に充てられている。おじいちゃん・おばあちゃんたちが経済活動をすると、その負担を減らしていけるわけです。

政治だけでは難しいことを、民間でもやっていこうというのが私たちの考えです。高齢の方々を活発に、若者が動かしていく。メインストリームではないかもしれないけれども、ここに理解や興味を示してくれる若い方は出てきているなと感じています。

ちなみに、弊社のノウハウは他の企業にもコンサルティングで教えています。競合が増えることは全然かまわない。社会全体にどれだけインパクトを与えられるかが大事なので、むしろ増えた方がいいと思っています。

ばあちゃんビジネスが社会に提供する価値

① 高齢者の「生きがい」と「収入」の創出
75歳以上でも経済活動に参加でき、社会とのつながりを取り戻せる

② 健康寿命の延伸
人と関わりながら働くことで老化の進行が抑えられ、心身の健康が保たれる

③ 社会保障費の削減への貢献
高齢者が経済活動に参加することで、社会全体のコスト軽減につながる

④ 地域の活性化と多世代協働
おばあちゃんの知恵や人生経験が、若い世代に自然と伝わる場が生まれる

アナログとデジタルの掛け合わせ ── AI時代へのメッセージ

弊社はおばあちゃんたちと手仕事をやっているので、ものすごくアナログな会社に見えると思うのですが、実はAIやデジタルの推進派・肯定派なんです。

高齢者を取り巻く世界って、非合理的なことがたくさんある。だからこそ、AIやIT、DXを使いながらアナログとデジタルを掛け合わせて社会に実装していくことが大事だと思っています。おばあちゃんたちはアナログだったとしても、私たち若者がデジタルを使えればいい。

これからの時代、自分のスキルや仕事に不安を抱えている方も多いと思いますが、テクノロジーを活用しながら、目の前の非合理を解決していくという姿勢は、どんな業界でも求められるのではないでしょうか。

全国500人の仕事創出を目指して ── うきはの宝の展望

中長期的には、全国で500人のおじいちゃん・おばあちゃんの仕事を作ることを目指しています。現在はおばあちゃんたちの人数が40〜50人規模なので、約10倍ですね。どこの町にあってもいいと思っていますし、おじいちゃん・おばあちゃんはどこにでもいますから。

直近ではフランチャイズ展開がどんどん進んでいて、月に相当数の相談が来ています。ばあちゃん喫茶を中心に、全国に高齢者が働ける場が広がっていく流れが加速しています。

それ以外にも、大手企業との共同プロジェクト、行政へのコンサルティング、国の制度へのアドバイザリーなど事業は多岐にわたります。高齢者の就労に関する知見は国内トップレベルだと自負しているので、この分野で日本の社会課題解決に貢献していきたいですね。

求職者へのメッセージ

弊社は今、一緒に事業を推進してくれる仲間を募集しています。正社員はもちろん、副業やプロボノでの参加も大歓迎です。世の中にないビジネスなので、スタートアップのような感覚で一緒に挑戦してくれる方がいると嬉しいですね。

特に求めているのはビジネス系の人材です。大手企業との折衝や営業企画、行政との連携など、他者を巻き込みながらビジネスを力強く推進していける方を探しています。リモートでの参加も可能で、場所にこだわらず働ける環境です。

このビジネスに共感してくれる方、デジタルの力で高齢者の世界を変えたいと思う方は、ぜひ一緒に働きましょう。おばあちゃんたちと若者で一緒に作る未来は、きっとワクワクするものになるはずです!

うきはの宝で働くのに特別な経験は必要?

「高齢者ビジネスの経験がないとダメなのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、高齢者に関するノウハウは会社にしっかり蓄積されているので、個人に専門知識がなくても問題ありません。大切なのは、ビジネスを推進する実行力と、新しい社会課題に対して前向きに挑戦する姿勢。大熊さんご自身もデザイナーから起業した経験を持ち、異業種からの参入を歓迎しています。

著書のご案内
うきはの宝株式会社のこれまでの6年間の取り組みが一冊の本になりました。「ばあちゃんビジネス」のヒットの要因や高齢者就労成功のノウハウが詰まった一冊です。

『年商1億円!(目標)ばあちゃんビジネス』(小学館/2025年4月発売)

\うきはの宝株式会社に興味を持った方はこちらもチェック!/

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この記事を書いた人

キャリアクラフトは大阪・東京を拠点に20年、人材事業やシステム開発を行ってきたセルバが運営する「新しい働き方を創るメディア」です。
従来の新卒や転職だけでなく、フリーランスやパラレルキャリアなどの新しい働き方や、リモートワークや時短勤務などの新しく浸透しつつある制度について発信しています。
自身のキャリアに迷っている人のお役に立てればと考えています。

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