みなし残業はやめたほうがいい?『ゴミ』と言われる理由と正しい見極め方

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多くの企業で導入されているみなし残業は賛否両論あります。

強い口コミだけに流されるのも危険ですし、会社側の説明をそのまま信じすぎるのも危険です。
大切なのは、「みなし残業」という言葉に反応することではなく、その制度の向こう側にある働き方を見抜くことです。
後悔しない会社選びのために、順番に整理していきましょう。

目次

みなし残業とは?まずは制度の基本を整理

みなし残業を正しく判断するには、まず制度そのものを感情論ではなく仕組みから理解することが大切です。
ここでは、みなし残業の基本的な考え方と、求人票を見るうえで押さえておきたい前提を整理します。

みなし残業は固定残業代制度のこと

みなし残業とは、一般的には固定残業代制度のことを指します。
毎月の給与の中に、あらかじめ一定時間分の残業代を含めて支払う仕組みで、求人票では「月給30万円(固定残業代30時間分を含む)」のように記載されることが多いです。

この制度の特徴は、実際の残業時間が一定範囲内であれば、給与額が変わらない点にあります。
たとえば30時間分の固定残業代が含まれている場合、残業が10時間でも20時間でも、30時間以内であれば月給は変わりません。

この時点で、「それなら働いた分がきちんと反映されないのでは」と違和感を持つ人も多いでしょう。
実際、その“損している感じ”が、みなし残業に対する不信感の入口になりやすいのは事実です。

同じ月給でも中身は大きく違う

みなし残業がややこしいのは、月給の数字だけを見ると条件が良さそうに見える一方で、その中身を分解して見ないと実態がつかみにくいからです。

たとえば、同じ月給30万円でも次の2社は意味が違います。

  • 基本給30万円の会社
  • 基本給24万円+固定残業代6万円の会社

表面上はどちらも「月給30万円」です。ですが、実際にはかなり違います。
特に差が出やすいのは、次のような部分です。

  • 賞与の計算ベース
  • 昇給の伸び方
  • 残業に対する考え方
  • 会社が想定している働き方

基本給が低めで固定残業代の割合が大きい会社では、毎月の月給は見栄えがよくても、賞与や将来の伸びに対して物足りなさを感じることがあります。
この「入社前に見えていた印象」と「入社後にわかる実態」のズレが、みなし残業を嫌う理由のひとつです。

制度そのものは違法ではない

ここは誤解されがちですが、みなし残業そのものは違法ではありません。
法律上、一定の条件を満たしていれば、固定残業代制度を導入することは可能です。

ただし、何でも好きに設定していいわけではありません。
少なくとも、次の点は明確になっている必要があります。

  • 固定残業時間が何時間なのか
  • 固定残業代がいくらなのか
  • 固定時間を超えた場合に別途支払いがあるのか

つまり、危険なのは「みなし残業があること」そのものではなく、その中身が曖昧なことです。
制度として成り立っていても、説明が雑で、現場の運用も不透明なら、働く側としては不安になるのが当然です。

最低限チェックしたい3つのポイント

求人票や雇用条件を見るときは、少なくとも次の3点は必ず確認したいところです。

  • 固定残業時間が何時間なのか
  • 固定残業代がいくらなのか
  • 超過分が別途支払われるのか

この3つが曖昧な会社は、その時点でかなり注意が必要です。
逆に、ここを具体的に説明できる会社は、少なくとも求職者に労働条件を隠さず見せようとする姿勢があります。

企業がみなし残業を導入する理由

企業側にも、みなし残業を導入する理由はあります。
毎月ある程度の残業が発生する職場では、残業時間に応じて給与を毎回細かく変動させるより、一定分をあらかじめ含めておいたほうが管理しやすい、という事情があるからです。

主な理由としては、次のようなものがあります。

  • 人件費を予測しやすい
  • 給与設計を組みやすい
  • 採用時に一定の給与額を提示しやすい
  • 毎月の給与変動を抑えやすい

つまり、会社側にとっては使いやすい制度です。ここまでは、必ずしも悪意のある話ではありません。

ただし「使いやすい制度」は「ごまかしやすい制度」にもなる

問題は、この“使いやすさ”が、そのまま“見せ方を工夫しやすい”ことにもつながる点です。

会社にとって便利な制度は、ときに求職者にとって見抜きにくい制度でもあります。
給与の見た目を整えやすく、ある程度の残業を前提にした設計も作りやすい。
だからこそ、会社の誠実さがより強く問われます。

みなし残業を理解するときに大切なのは、「合法か違法か」「あるかないか」だけで見ないことです。
本当に見るべきなのは、どんな説明で提示されているか、そして実際にどんな働き方の中で運用されているかです。

なぜ「みなし残業はゴミ」と言われるのか

みなし残業がここまで強く否定されるのは、制度の仕組みそのものよりも、実際の運用に対する不満が大きいからです。
ここでは、現場でよく起きている問題や、なぜネガティブな評価につながるのかを整理していきます。

頑張っても報われた感覚が持ちにくい

みなし残業が嫌われる最大の理由のひとつは、時間を使っても報われた感覚を持ちにくいことです。

固定残業代が毎月あらかじめ含まれている以上、一定時間までは残業しても給与は変わりません。
会社としては「その分はすでに払っている」という理屈になりますが、働く側の体感はそう単純ではありません。

毎日少しずつ帰宅が遅くなり、業務量も重く、疲れているのに、月末に給与明細を見ても頑張りが反映されている感じがしない。
こうした状態が続けば、「結局、会社にうまく吸収されているだけではないか」という気持ちが出てきます。

これは単なる金額の問題ではありません。
人は、自分が使った時間や労力に対して「ちゃんと扱われている」「適切に評価されている」と感じられないと、かなり強く消耗します。
みなし残業は、制度上は成立していても、現場では「どれだけ頑張っても報われた感じがしない」という感覚を生みやすいのです。

残業が前提の空気が生まれやすい

みなし残業があると、職場に「このくらいの残業は想定内」という空気が生まれやすくなります。
もちろん、すべての会社がそうではありません。
ただ、固定残業代を払っていることで、次のような空気が出やすいのは事実です。

  • 多少残ってもらうのは当然
  • まだ固定残業の範囲内だから問題ない
  • 忙しい時期は仕方ない
  • このくらいはみんなやっている

本来であれば、残業が多いなら業務量を見直す、人員を増やす、仕事の進め方を変えるといった改善が必要です。
ところが、みなし残業があることで、その問題が「まあ回っているからいいか」で放置されやすくなります。

結果として起こるのは、派手な崩壊ではなく、じわじわとした悪化です。
定時で帰ることに気まずさが出たり、忙しさが常態化したり、疲れを口にしにくい空気が生まれたりします。
この“じわじわ削られる感じ”が、みなし残業への嫌悪感を強くしています。

求人票の見え方と実態にギャップが出やすい

求職者にとって厄介なのが、みなし残業は求人票の見え方を歪めやすいという点です。

月給30万円と書かれていれば、多くの人はまずその数字に反応します。
けれど、その中身が基本給だけなのか、固定残業代込みなのかで、実質的な条件はかなり変わります。
転職経験が少ない人ほど、この違いを十分に見抜けないまま応募してしまうことがあります。

そして、入社後に次のようなギャップが起こります。

  • 思っていたより基本給が低かった
  • 賞与のベースが低かった
  • 残業込みでこの月給だったのかと気づいた
  • 実際の働き方が求人票の印象より重かった

こうなると、不満は単なる条件面の不満にとどまりません。

最初からうまく見せられていたのではないか

という不信感に変わります。これはかなり強いストレスです。

超過分の扱いが曖昧な会社がある

制度上は、固定残業時間を超えた分は別途支払われる必要があります。
ところが現実には、そこが曖昧な会社もあります。勤怠管理が雑だったり、申請しづらい雰囲気があったり、

そのくらいはみんなやっている

で済まされたりするケースもあります。

こうした会社で働いた人にとってみなし残業は単なる制度ではなく、会社に都合よく使われる仕組みにしか見えなくなります。
特に、長時間働いているのに超過分の扱いが曖昧なままだと、

制度があるから仕方ない

では済まされません。

「制度が嫌い」というより「運用に怒っている」人が多い

ここまでを見ると分かるように、「みなし残業はゴミ」という表現は、制度への知的な批判というよりも不透明な運用の中で消耗した人の怒りや諦めの言葉です。

だからこそ、この感情の強さを軽く見てはいけません。
ただ同時に、その言葉だけで制度全体を判断するのも危険です。
大切なのは、その強い言葉の背景にある不満を理解しつつ、原因が制度そのものなのか、会社の運用なのかを見極めることです。

みなし残業は本当にやめたほうがいいのか

みなし残業と聞くと不安になりがちですが、制度があるだけで一律に避けるべきとは言い切れません。
ここでは、やめたほうがいい会社の特徴と、冷静に見極めるための判断軸を整理します。

制度だけで一律にNGとは言えない

ここまで読むと、「やはりみなし残業のある会社は避けたほうがいいのでは」と思うかもしれません。
たしかに、その判断が正しいケースはあります。
しかし結論から言えば、みなし残業があるという一点だけで、その会社を即NGにするのは早いです。

本当に見るべきなのは、制度の名前ではなく、実際の働き方です。
実際の残業時間はどのくらいか、固定時間を超えた分はきちんと支払われるか、勤怠管理はどうなっているか。
こうした要素によって、同じ「みなし残業あり」でも意味は大きく変わります。

たとえば、実際の残業時間が月10時間前後で、固定残業代は20時間分設定されている会社もあります。
この場合、働く側から見れば「給与が一定でわかりやすい」と感じることもありますし、残業が恒常化していないなら大きな問題にならないケースもあります。

やめたほうがいい会社の特徴

一方で、やめたほうがいい会社にはかなり分かりやすい特徴があります。
特に注意したいのは、制度の説明が曖昧なのに、現場の負荷が重そうな会社です。

たとえば、次のような特徴が重なる会社は要注意です。

  • 固定残業時間が不自然に長い
  • 給与の内訳がわかりにくい
  • 超過分支給の説明がない
  • 面接で残業の質問をすると濁される
  • 配属先による差が大きいのに説明がない
  • 常に忙しさを美徳のように語る

こうした会社は、制度を透明に扱っているというより、「細かく聞かれると困るからぼかしている」可能性があります。
みなし残業の有無以上に、説明の誠実さが欠けていることが問題です。

逆に、すぐ避けなくてもいい会社の特徴

みなし残業があっても、すぐに警戒しすぎなくてよい会社もあります。
たとえば次のような会社です。

  • 労働条件の説明が具体的
  • 平均残業時間を開示している
  • 固定時間を超えた場合の扱いが明確
  • 勤怠管理がしっかりしている
  • 面接でも働き方を具体的に答えられる
  • 業務の繁閑や部署差も正直に話してくれる

こうした会社では、みなし残業は単なる給与設計の一部であり、長時間労働を隠すための仕組みとしては機能していないことが多いです。

判断するべきなのは制度名ではなく働き方

つまり、「やめたほうがいい」のは、みなし残業のある会社ではありません。
正確には、みなし残業を含めた労働条件の説明や運用が雑な会社です。

ここを取り違えると、本来見るべきポイントを外してしまいます。
制度名だけで避けると、そこまで問題のない会社まで一律に切ってしまうかもしれません。
逆に、「合法な制度だから大丈夫」と思い込むと、働き方の実態がきつい会社を見抜けなくなることもあります。

大切なのは、制度の有無ではなく、その制度の向こう側にある働き方を見ることです。

みなし残業の会社で働くと何がつらいのか

みなし残業のつらさは、単に残業代の見え方だけでなく、日々の働き方や生活全体にじわじわ影響しやすい点にあります。
ここでは、実際に働く中で感じやすい負担や、なぜ不満が積み重なりやすいのかを整理していきます。

自分の時間の境界線が曖昧になる

みなし残業の会社で働くことのつらさは、単に「残業しても給料が増えない」ことだけではありません。
むしろ本質的につらいのは、自分の時間の境界線が曖昧になりやすいことです。

通常の残業代の感覚であれば、「ここから先は追加の労働で、その分の対価が発生する」という線引きがあります。ところが、固定残業代があらかじめ含まれていると、その境界が体感として見えにくくなります。

今日は少し残っても、まだ固定残業の範囲だし

今週は忙しいけど、どうせ給与は同じだし

といった感覚が積み重なると、いつの間にか残業が日常になります。

生活全体がじわじわ削られる

この状態が続くと、生活全体の質に影響が出てきます。
帰宅時間が安定しないため、食事や睡眠のリズムが乱れやすくなります。
友人との予定が入れにくくなり、家族との時間も削られます。
そうすると資格の勉強や転職準備、自己投資の時間も取りにくくなります。

しかも、その負担が「たまに」ではなく「じわじわ続く」から厄介です。
毎日少しずつ削られるため、本人も限界に達するまで気づきにくいことがあります。

日々のしんどさは、たとえば次のような形で積み重なります。

  • 少しずつ帰宅が遅くなる
  • 少しずつ疲れが取れなくなる
  • 少しずつ生活の自由度が減る
  • 少しずつ仕事への納得感が薄れる

この積み重なりが、みなし残業への嫌悪感を強くしています。

効率より“長く働くこと”が評価されやすくなる

みなし残業の職場では、頑張り方の方向がずれやすいという問題もあります。
本来であれば、短い時間で成果を出すことや、無駄な工程を減らすことが評価されるべきです。
しかし、残業がある程度織り込まれている環境では、「忙しそうな人」「遅くまで残っている人」が暗黙に頑張っているように見えやすくなります。

こうなると、効率化のインセンティブが弱まり、職場全体の生産性も上がりにくくなります。
結果として、

長く働く人が偉い

という空気がじわじわ形成されることもあります。

若手ほど違和感を飲み込みやすい

特にしんどいのは、若手や未経験者がこの環境に入った場合です。
経験が少ないほど、

どこもこんなものかもしれない

自分がまだ慣れていないだけかもしれない

と思ってしまいやすいからです。

その結果、違和感を抱えながらも我慢して働き続けてしまい、気づいたときにはかなり消耗している、ということが起こります。
みなし残業のつらさは派手ではありません。
静かに、しかし確実に生活を圧迫していくことが多いのです。

求人票で見るべきポイント

求人票の段階でも、みなし残業の“良し悪し”はある程度見抜くことができます。
ここでは、応募前に確認しておきたいポイントと、見落としがちな注意点を整理します。

まずは給与の内訳を見る

みなし残業の会社を見極めるうえで、最初の関門になるのが求人票です。
ここで違和感を持てるかどうかが、その後の判断精度をかなり左右します。

まず見るべきなのは、給与の内訳の明確さです。
「月給30万円」とだけ書かれているのか、「基本給24万円、固定残業代6万円(30時間分)」のように分かれているのか。この差は非常に大きいです。

前者のように内訳が見えない書き方だと、求職者は条件を正しく比較できません。
採用ページがきれいに整っている会社でも、このあたりだけあえて曖昧にしていることがあります。

固定残業時間の長さを見る

次に見るべきなのが、固定残業時間の長さです。
もちろん、職種や業種によって違いはありますが、数字が大きいほど「その時間までは残業が発生する前提」で設計されている可能性が高まります。

20時間と45時間では、受ける印象も実態の重さもかなり違います。
数字だけで即断はできませんが、「長いほど慎重に見る」は基本です。

超過分別途支給の記載があるかを見る

さらに重要なのが、超過分の扱いです。
「固定残業時間を超えた分は別途支給」と明記されているかどうかは、最低限の確認ポイントです。

これが書かれていない場合、制度への理解や運用が甘い可能性があります。
書いてあったとしても、他の説明が極端に薄いなら、面接で必ず確認したほうが安全です。

抽象的な魅力ばかり強調していないかも要注意

給与以外の言葉にもヒントはあります。
たとえば、「若いうちから裁量を持てる」「成長意欲の高い方歓迎」「スピード感のある環境」など、前向きな言葉が多い一方で、勤務実態や残業時間の説明が極端に少ない会社は要注意です。

こうした表現自体が悪いわけではありませんが、労働条件の説明が弱いまま抽象的な魅力ばかりが強調されている場合、働き方の負荷をポジティブな言葉で包んでいるだけの可能性もあります。

求人票で最低限チェックしたい項目

求人票を見るときは、最低限次の点を確認しておくと判断しやすくなります。

  • 基本給と固定残業代が分かれているか
  • 固定残業時間が明記されているか
  • 超過分支給の記載があるか
  • 残業実態に触れているか
  • 抽象的な魅力だけで押していないか

求人票は答えではありません。あくまで、違和感の種を見つける場所です。
ここで少しでも引っかかった点があれば、面接で確認する前提でメモしておくと、かなり判断しやすくなります。

面接で確認したいポイント

面接は会社に選ばれる場であると同時に、自分が働き方を見極める重要な機会でもあります。
ここでは、みなし残業の実態を把握するために、具体的に確認しておきたいポイントを整理します。

平均残業時間は“平均だけ”で見ない

求人票だけでは見えない部分は、面接で補う必要があります。
面接は選ばれる場であると同時に、自分が会社を見極める場でもあります。

まず確認したいのは、実際の平均残業時間です。
ただし、「平均で何時間ですか」と聞くだけでは足りません。
平均値だけでは、繁忙期や部署ごとの差が見えにくいからです。

たとえば、ある部署は月10時間でも、別の部署は月40時間ということは普通にあります。
そのため、平均だけで安心するのではなく、背景まで聞くことが大切です。

繁忙期や部署差も確認する

残業時間は、時期やチームによってかなり変わることがあります。
そのため、

普段はどれくらいですか

繁忙期はどのくらい増えますか

配属先によって差はありますか

といった形で、少し具体的に聞いたほうが実態に近づけます。

数字だけでなく、回答の姿勢にも注目してください。
正直に話してくれる会社は、少なくとも実態を隠そうとしていません。

固定残業時間を超えることがあるか聞く

次に大事なのが、固定残業時間を超えることがあるのか、その場合どう処理しているのかです。

ここで明確に答えられる会社は、少なくともルールが整理されている可能性が高いです。
逆に、

その時々によります

みんなうまくやっています

といった曖昧な答えしか返ってこない場合は、現場の運用が不透明かもしれません。

勤怠管理の方法も確認する

さらに、勤怠管理の方法も確認したいポイントです。
タイムカードなのか、PCログなのか、システム打刻なのか。申請した残業がどう承認されるのか。
こうした管理の仕組みが整っている会社は、少なくとも労働時間を可視化しようという姿勢があります。

逆に、勤怠管理の話になると急に曖昧になる会社は注意が必要です。

回答の具体性で会社の透明性は見えてくる

ここで一番大事なのは、質問項目の数ではなく、回答の具体性です。
数字で答えてくれる会社は、少なくとも実態を把握しています。
反対に、

人によります

ケースバイケースです

やる気次第です

といった抽象的な表現が多い会社は、実態を正面から見せたくない可能性があります。

また、質問したときに嫌そうな空気が出る、話題を変えようとする、精神論に寄せるといった反応がある場合、その会社では残業や働き方に関する質問自体が歓迎されない文化かもしれません。

面接で聞いておきたいこと

面接では、特に次のあたりを聞いておくと判断しやすくなります。

  • 平均残業時間
  • 繁忙期の残業時間
  • 部署やチームごとの差
  • 固定残業時間を超えることがあるか
  • 超過分はどう処理されるか
  • 勤怠管理の方法

遠慮して聞かないまま入社するほうが、あとから大きな負担になります。
誠実な会社ほど、こうした質問にきちんと向き合ってくれるはずです。

すでにみなし残業の会社でつらい人はどうすべきか

すでにみなし残業のある会社で働いていてつらさを感じているなら、まずは我慢を続ける前に状況を冷静に整理することが大切です。
ここでは、今の働き方を見直すために確認したいことと、無理を続けないための考え方を整理します。

まずは労働条件を整理する

すでにみなし残業の会社で働いていて、「正直つらい」と感じている人もいると思います。
その場合、まず大切なのは、感情だけで

自分が弱いのかもしれない

と片づけないことです。
つらいと感じるのには、それなりの理由があります。

最初に確認したいのは、自分の労働条件がどうなっているかです。
雇用契約書や労働条件通知書、給与明細を見て、固定残業時間が何時間で、いくら分なのか、超過分はどう扱われる前提なのかを改めて整理してください。

実際の労働時間を記録する

次に大事なのは、実際の労働時間を可視化することです。
毎日何時に出社し、何時に退勤しているのか。持ち帰り仕事があるのか。
申請した残業と実際の作業時間にズレがないか。
これを記録していくと、「なんとなくしんどい」が「実際にこれだけの負荷がかかっている」に変わります。

自分の感覚を守るためにも、数字で把握することはとても大事です。

改善を相談する余地があるか確認する

状況によっては、社内で改善を求める余地がある場合もあります。
上司に業務量の調整を相談する、人事や労務窓口に勤怠管理の実態を確認する、といったことです。

もちろん、職場の空気によっては言い出しにくいでしょう。
しかし、少なくとも一度は整理して伝えてみる価値はあります。
会社によっては、本人が限界に近いことを周囲が把握していない場合もあるからです。

改善しないなら転職を考えてよい

ただし、次のような状態なら、環境を見直す理由として十分です。

  • 相談しても改善されない
  • 超過分の扱いが曖昧なまま
  • 残業が常態化している
  • 心身の不調が出ている
  • 生活全体に悪影響が出ている

転職を視野に入れることは、逃げではなく、自分の働き方を守るための現実的な選択です。

我慢し続ける前に見直したいこと

みなし残業のつらさは蓄積型です。急に壊れるというより、気づかないうちに生活と気力が削られていきます。
だからこそ、「まだギリギリ大丈夫」ではなく、「このまま続けたらどうなるか」という視点で考えることが大切です。

自分に問いかけたいのは、次のようなことです。

  • この状態を半年後も続けられるか
  • 仕事以外の時間が確保できているか
  • 心身の疲れを回復できているか
  • 我慢しているだけになっていないか

問題は制度の名前ではなく、その働き方が自分の人生に見合っているかどうかです。

みなし残業を一言で判断しないことが、転職失敗を防ぐ

みなし残業という言葉だけで判断してしまうと、本来見るべきポイントを見落としてしまう可能性があります。
ここでは、制度に振り回されずに会社の実態を見極めるための考え方を整理します。

制度名だけでは実態は見えない

みなし残業という言葉には、どうしても強い先入観がつきまといます。
ネットで検索すれば、かなり感情的な口コミもたくさん出てきますし、「固定残業代あり」と書かれているだけで候補から外したくなる気持ちも分かります。

ただ、転職や就職で本当に避けたいのは、制度名に反応して判断を雑にすることです。
みなし残業がある会社の中にも、比較的健全に運用されている会社はあります。
逆に、みなし残業がないように見えて、実態はサービス残業だらけという会社もあります。

本当に見るべきなのは“社員の時間の扱い方”

ここで持っておきたい視点は、「その会社は社員の時間をどう扱っているか」です。
残業が発生したとき、それを仕方ないものとして放置するのか、減らそうとするのか。
労働条件を求職者に正直に見せようとするのか、それとも見栄えよく包もうとするのか。

社員が疲弊しているとき、構造の問題として見るのか、本人の頑張り不足として処理するのか。
こうした姿勢のほうが、制度名よりずっと重要です。

会社選びで大切なのは透明性

みなし残業を「やめたほうがいいかどうか」という問いに対して、ひとことで答えるならこうなります。

制度だけなら一概にやめたほうがいいとは言えない。
けれど、説明が曖昧で運用が雑なら、かなり高い確率でやめたほうがいい。

この判断軸を持っておくと、ネット上の極端な意見にも振り回されにくくなります。「みなし残業は全部ダメ」と決めつけるのでもなく、「合法だから問題ない」と楽観するのでもなく、会社ごとの実態を見ることができるからです。

就職も転職も、制度の名前で決まるわけではありません。
最終的に大事なのは、その会社に入ったとき、自分の時間と生活がどんなふうに扱われるかです。
そこまで想像して判断できるかどうかが、失敗を防ぐ大きな分かれ目になります。

まとめ

  • みなし残業は制度そのものが即悪いわけではなく、問題は運用の透明性にある
  • 「ゴミ」と言われる背景には、長時間労働や説明不足、給与の見えにくさへの強い不満がある
  • 会社選びでは、制度名よりも残業実態、超過分支給、勤怠管理、説明の誠実さを見ることが大切

みなし残業という言葉だけで判断するのではなく、その会社が社員の時間をどう扱っているかまで見て判断することが、後悔しない就職・転職につながります。制度の名前ではなく、働き方の実態を見る。その視点を持てるかどうかが、一番大きな差になります。

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この記事を書いた人

キャリアクラフトは大阪・東京を拠点に20年、人材事業やシステム開発を行ってきたセルバが運営する「新しい働き方を創るメディア」です。
従来の新卒や転職だけでなく、フリーランスやパラレルキャリアなどの新しい働き方や、リモートワークや時短勤務などの新しく浸透しつつある制度について発信しています。
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