TikTok収益化の手段まとめ | 金額・収益構造・他SNSとの違い

TikTokは若年層を中心に拡散力が高く、個人の収益化だけでなく、今や企業のマーケティングでも欠かせない存在になりつつあります。
再生数に応じた報酬やライブ配信ギフトによって個人は収益を得られ、企業は広告配信やPR案件を通じて売上やブランド力を高めています。
本記事では、TikTok収益化の方法や条件、さらに今後の可能性について詳しく解説していきます。
TikTokの主な収益化手段


TikTokで収益を得る方法には様々な種類があり、再生数に応じて報酬が支払われる仕組みから、ライブ配信でのギフト、企業案件まで幅広く存在します。
中には、フォロワー数や再生回数、居住地といった条件を満たさなければ使えないものもあります。
ここでは、それぞれの収益化方法の特徴と条件について整理します。
Creator Rewards Program(再生数報酬)
最も分かりやすい収益化の仕組みが Creator Rewards Program(クリエイターレワードプログラム)です。
これは、動画の再生数に応じて報酬が発生する、YouTubeの広告収益に近い仕組みです。
しかし、誰もがこの収益を受け取ることができるのではなく、明確な条件が公式から発表されています。
- 18歳以上(韓国では19歳以上)
- フォロワーが1万人以上
- 直近30日間で10万回以上の動画再生
- 動画時間が1分以上であり、他人のコンテンツに依存しないオリジナル性の高い動画
- 個人のアカウント(企業、政治または政府機関関連のアカウントは対象外)
- 日本・アメリカ・イギリス・ドイツ・韓国・フランス・ブラジルに住んでいるクリエイター
- TikTokのコミュニティガイドラインと利用規約の遵守
これらの条件をすべて満たしたアカウントだけが、Creator Rewards Programに参加できます。
しかし、TikTokの再生報酬単価は1再生あたり0.02〜0.08円と低く、数円以上になるYouTubeとは大きな差があります。
広告収益のみで、安定した収入を得るのはかなり難しいです。
そのため、TikTokでは再生数報酬を補助的に活用しつつ、企業案件やライブ配信など他の収益化方法と組み合わせて稼ぐのが一般的です。
企業案件・スポンサーシップ(PR案件)
クリエイターにとって最も大きな収入源となるのが、企業案件やスポンサーシップです。
企業やブランドの依頼を受けて商品やサービスを紹介し、その対価として報酬を得ます。
相場はフォロワー1人あたり1〜5円程度とされ、10万人規模なら1件で10万〜20万円前後が目安です。
ただし、美容やファッションなど人気ジャンルでエンゲージメント率が高い場合は、30万〜50万円規模の案件になることもあります。
- 案件の獲得方法
- 企業担当者からDMやメールでの直接依頼
- 代理店やインフルエンサーマーケティングを専門とする企業からの仲介
- TikTok Creator Marketplace(TCM) TikTok公式が運営する企業とのマッチングサービス
企業案件を依頼する企業は、自社商品の宣伝やサービスの認知拡大を目的としています。
そのため、視聴者層と購買層が重なる特定の分野に特化したクリエイターや、フォロワー数が多く健全な発信を続けているアカウントに人気が集まります。
ただし注意点もあり、案件ばかりの投稿やアカウントの方向性に合わない案件を受けてしまうと、フォロワーの信頼を失いかねません。
また、案件であることを隠して商品を紹介する「ステルスマーケティング(ステマ)」は、TikTokの規約で禁止されているだけでなく、景品表示法違反になるため、絶対に避けるべき手法です。
TikTok LIVE ギフト(投げ銭)
TikTokでファンから直接応援を受けられる収益化方法が LIVEギフト(投げ銭)です。
クリエイターがライブ配信を行うと、視聴者はコインを購入して「ギフト」を送ることができ、それが「ダイヤモンド」という単位に換算されて収益になります。
この方法には以下のような参加条件があります。
- 18歳以上
- フォロワーが1,000人以上
- TikTokのコミュニティガイドラインと利用規約の遵守
ダイヤモンドに変換されたギフトは、現金として換金することができます。
還元率は公表されていませんが、ギフト購入額の、30~50%程度がクリエイターに還元されているようです。
ギフトはコアファンから送られることが多く、こうしたファンが多いほどギフト収益につながります。
単純な再生回数よりも、ファンとの関係性の深さが収益につながるのが大きな特徴です。
TikTok サブスクリプション(月額課金)
TikTokには、コアなファンを持つクリエイター向けに サブスクリプション(月額課金)制度 が用意されています。
視聴者は、月額料金を支払って「サブスク会員」となり、配信で利用できる限定バッジやスタンプ、会員限定の配信やコンテンツなどを楽しむことができます。
このサブスクリプションをクリエイターが利用するためには、以下のような条件があります。
- 18歳以上
- TikTokのコミュニティガイドラインと利用規約の遵守
- サブスク機能が提供されている地域に居住している
- 質の高いコンテンツを制作した実績がある
こうした条件が公式から発表されいていますが、提供地域や動画内容の基準は明確ではありません。
しかし、実際にサブスクを利用できたアカウントの事例からすると、「28日以内に30分以上の配信」や「フォロワー1,000人以上」がサブスクを利用するための基準になっているようです。
サブスクリプションは、熱心なファンを抱えるクリエイターにとって安定した収入を生む魅力的な仕組みです。
サブスク会員限定のコンテンツを通して、ファンとの関係性をさらに深めることも可能です。
アフィリエイト・商品販売
TikTokでは、再生回数報酬や投げ銭といった公式から提供プログラム以外でも、収益を得る方法がいくつかあります。
その方法が、外部サービスを利用したアフィリエイトやオリジナル商品の販売です。
アフィリエイト
アフィリエイトとは、広告主の商品やサービスを紹介し、リンク経由で購入や申し込みがあった場合に報酬が発生する仕組みです。
ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)に登録して案件を探し、自分で紹介したい商品を選んで取り組みます。報酬は「成果報酬型」で、1件あたり商品・サービスの価格の数%が相場です。
企業から依頼が来る案件とは異なり、自ら企業や商材を選択し紹介できることが大きな特徴です。
商品販売
自社商品やサービスを紹介して販売する方法です。
外部のオンラインストアや自社サイトに誘導するほか、後述するTikTok Shopを利用する場合もあります。
自身の商材を買ってもらうため、アフィリエイトよりも利益率が高く、ブランド力強化にも直結します。
TikTok Shop(EC機能・ライブコマース)
TikTok Shopとは、TikTokアプリ内で商品を販売できる EC機能・ライブコマース機能 です。
動画やライブ配信に商品をタグ付けして紹介でき、視聴者はアプリ内でそのまま購入できる仕組みです。
クリエイターは販売者登録を行い、商品の紹介・販売を行い、その売り上げから手数料を引いた収益を得ます。
この登録には以下のような条件があります。
- 18歳以上でTikTokアカウントを所持している
- 身分証明書と銀行口座情報の提出
- 取扱商品のカテゴリーとショップ名の登録
- 【法人の場合】
法人代表者の身分証明書と法人の事業証明書類(登記簿謄本、営業許可証)などの提出
TikTok Shopは個人・法人どちらも利用可能であり、自社商品の販売に加えて、他社商品のアフィリエイトによる収益化も認められています。
日本ではまだ導入途上ですが、中国版TikTok「抖音(Douyin)」ではすでに莫大な売上を記録しており、日本でも今後大きく拡大していく可能性があります。
他SNSとの収益構造の違い


TikTokの収益化を理解するうえで欠かせないのが、YouTubeやInstagramとの違いです。
ここでは、各SNSごとの収益構造の違いについて解説していきます。
YouTube
YouTubeは広告収益が中心です。
動画に表示されている広告収益の55%がクリエイターに分配され、再生数=収益というわかりやすい構造です。
広告単価が高く、長期的に安定した収益を得やすい一方、収益化条件が厳しく、成長までに時間がかかってしまいます。
YouTubeのような広告収益に関する仕組みは限定的であり、Instagramの主な収益源は企業案件・ブランドタイアップがほとんどです。
Instagramは写真や動画を中心にしたビジュアル重視のSNSのため、美容やファッション、旅行、グルメのような見た瞬間に魅力が伝わるジャンルに強く、その手の企業案件の需要も他に比べ多いです。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)には、主に広告収益とサブスクリプションの仕組みが用意されています。
広告収益は、YouTubeやTikTokのような再生回数ではなく、インプレッション(投稿の表示回数)に応じて分配されます。
しかし、1,000インプレッションあたり数円~十数円程度とされており、いいねやシェアが数万件になった投稿でも、得られる金額は数千円〜1万円程度にしかならないことがほとんどです。
こうした収益制度が導入されたのはここ数年と新しく、成熟度や安定性の点ではYouTubeやTikTokに劣ります。
Xは「稼ぐSNS」というより、情報発信や議論・交流の場としての側面が強く、他のSNSに比べ収益を多く得ることが難しいです。
TikTokが他SNSと違う点
TikTokの最大の特徴は、収益化の仕組みがひとつに偏らず複合的であることです。
YouTubeが広告収益、Instagramが企業案件、Xは広告収益とサブスクリプションに依存しているのに対し、TikTokでは再生数報酬に加えて案件、ファン課金、ECを組み合わせることができます。
また、TikTokは短尺動画が主流で、動画の回転が早くアルゴリズムが新しい投稿を試しやすい仕組みを持っています。
そのため規模の小さいチャンネルや新規参入者でも、拡散されて多くの人に発見されるチャンスが大きいのです。
TikTokは拡散力と収益手段の多様さが強みですが、広告収益の単価が低く安定性に欠け、動画寿命が短いため長期的な運用が難しいという弱点があります。
TikTokの収益シミュレーション


TikTokで稼げる金額は、収益化方法やフォロワー数によって大きく変わります。
ここでは、再生数報酬や企業案件などの収益シミュレーションを具体的に示し、収益化への道筋をご紹介します。
主な収益源
TikTokで大きな収益源となるのが、CRP(再生数報酬)と 企業案件(スポンサーシップ)です。
- CRP(再生数報酬)
- YouTubeより単価は低いものの、1再生あたり約0.02〜0.08円の報酬が発生します。
動画がバズればまとまった収益が得られる可能性があります。
- YouTubeより単価は低いものの、1再生あたり約0.02〜0.08円の報酬が発生します。
- 企業案件・スポンサーシップ
- 収益の中心になるクリエイターも多く、フォロワー10万人規模で1件あたり10万〜20万円程度 が相場です。
ジャンルやエンゲージメント次第では30万〜50万円以上になることもあります。
- 収益の中心になるクリエイターも多く、フォロワー10万人規模で1件あたり10万〜20万円程度 が相場です。
コンテンツ力やファン層が厚いクリエイターは、多様な収益化の仕組みを掛け合わせることで、年間で数百万円〜数千万円、中には数億円を稼ぐ人もいます。
収益化ステップ
TikTokを始めたばかりの人にとって、1万人以上のフォロワーが必要なCRPや企業案件の獲得は簡単ではありません。
そのため、最初のステップとしては、ハードルの低いアフィリエイトや商品販売に取り組むのが有効です。
- アフィリエイト
- リンク経由で購入や申し込みが発生すると報酬を得られる仕組みで、少ないフォロワーでも始めやすい
- 商品販売
- 企業であれば自社製品を紹介することで売上に直結し、知名度向上やブランド強化にもつながる
まとめ
TikTokの収益化は、再生数報酬や企業案件、ギフトなど多様な手段を備えており、広告モデルが中心のYouTubeや案件依存のInstagramと比べても多角的に収益化を図れるのが特徴です。
一方で、収益の安定性という面では課題が残り、常に一定の金額を得られる仕組みとは言えません。
しかし、フォロワー数が少ない段階からでも挑戦できる仕組みが整っており、参入ハードルの低さは他にない魅力といえます。