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「AIがどれだけ普及しても、たくさんの人を1つの目的に導く仕事は、人にしかできないと思っています」——そう語るのは、分譲マンションの大規模修繕と再生のコンサルティングを手がける株式会社AK建築設計の代表取締役・山本侑介さんです。同社は、多くの会社が専業で担う「大規模修繕」と、法律や行政が絡み難易度の高い「マンション再生(建替え・敷地売却等)」の両方に、1つの会社で対応できるのが強み。代表の山本さんと東京支店長の植野さんに、2つの事業の違いや業界の課題、そしてAI時代に求められる「人間力」について伺いました。

山本 侑介さん
株式会社AK建築設計 代表取締役。分譲マンションの大規模修繕コンサルティングに長年携わる。自身が担当した築50年のマンションでの相談をきっかけに、約3年前からマンション再生コンサルティング事業を立ち上げた。

植野 寛師さん
株式会社AK建築設計 東京支店長。東京エリアを中心に、大規模修繕・マンション再生のコンサルティング業務と、支店の運営を担う。
株式会社AK建築設計は、2011年に設立された大阪に本社を置く一級建築士事務所です。分譲マンションの大規模修繕コンサルティングと、リノベーションや建替え、敷地売却などを支援するマンション再生コンサルティングを2本柱に、東京にも支店を構え、関西・関東の管理組合を支援しています。
株式会社AK建築設計 会社概要
設立:2011年2月
代表者:代表取締役 山本 侑介
本社:大阪府大阪市中央区南船場4丁目11-28 4F
東京支店:東京都港区三田3丁目2-8 7F
従業員数:25名
主な有資格者:一級建築士7名、構造設計一級建築士1名、一級建築施工管理技士4名、マンション管理士3名、マンション建替士3名 ほか
公式サイト:https://ak-sekkei.co.jp/
同社のお客様は、分譲マンションの管理組合です。管理組合とは、マンションの各住戸を購入した区分所有者全員で構成される組織のこと。つまり、そのマンションに住む方々全員が、同社のお客様ということになります。
株式会社AK建築設計のPhilosophy・Vision
Philosophy|徹底した「伴走者」の姿勢
(建物の再生にとどまらず、そこに住む方々の人生の再生に寄り添う「伴走者」として、大規模修繕から耐震補強、改修、一棟リノベーション、建替え、敷地売却までを一貫して支援)
Vision|持続可能な都市の更新
(マンションの再生を通じて居住者の資産価値と地域の価値を高め、次世代へと住み継げる住環境の創出を目指す)
同社は自らを「単なる大規模修繕コンサルではない」と位置づけています。老朽化が進むマンションの再生という難題に対し、管理組合や居住者と同じ視点に立ち、将来の不安を安心へと変えるためのトータルプロデュースを行っているのが特徴です。
国土交通省の資料によると、築40年を超えるマンションは2024年時点で約148万戸。20年後の2044年には約483万戸と、約3.3倍に増える見通しです。さらに、築40年超のマンションでは世帯主の約半数が70歳以上となっており、建物の老朽化と住民の高齢化という「2つの老い」が同時に進んでいます。
建替えには原則として区分所有者と議決権のそれぞれ5分の4以上の賛成が必要ですが、高齢化や一時金・転居費用への経済的な不安などから、合意形成は年々難しくなっています。全国のマンションストック約713万戸に対し、建替えの実績は323件(約2.6万戸)にとどまっているのが現状です。一方で、2026年4月の法改正により、一定の客観的事由がある場合には建替え決議の要件が4分の3以上に緩和され、建物の取り壊しや敷地売却も多数決で行えるようになるなど、再生の選択肢は広がりつつあります。
同社では、マンションの劣化度や資金、住民の意向に応じて、段階的なアプローチを提案しています。まずは計画的な大規模修繕や耐震補強による延命。それが難しくなった建物には、構造躯体を生かした一棟リノベーション。そして既存建物の維持が困難になった際の最終手段として、建替えや敷地売却を検討します。
特に一棟リノベーションは、建替えの約30〜50%の費用で実施でき、CO₂排出量も建替えと比べて約50〜70%削減できるとされています。修繕か建替えかの二者択一ではなく、マンションのライフサイクルに応じた最善の選択肢を、専門的な知見から提示できることが、総合コンサルとしての同社の強みです。
修繕から建替えまで、5つのフェーズで伴走
PHASE01 大規模修繕
(厳格な劣化診断と計画策定)
PHASE02 耐震補強支援
(技術基準に基づく安全性の確保)
PHASE03 一棟リノベーション
(躯体を再利用し、環境に配慮しつつコストを抑える)
PHASE04 建替え支援
(合意形成から設計・監理まで伴走)
PHASE05 敷地売却支援
(区分所有関係の解消と円滑な資産承継)
ー御社の強みや、他社との違いを教えてください。
山本:大規模修繕コンサルタントと再生コンサルタントは、どちらも分譲マンションに関わる仕事ですが、中身はまったく違います。
修繕コンサルタントは、築10数年が経ったマンションで、10年、15年といった周期で防水や外壁を修繕する際に、住まわれている方々がどのような修繕をすればよいかを選べるようにコンサルティングする仕事です。この業務を主にしている会社は、ほとんどがそれだけを専業としています。
一方の再生コンサルタントは、業界で「高経年マンション」と呼ばれる築40年以上の建物が対象です。区分所有者の5分の4以上の賛成という合意形成を経て、マンションを一度解体して建替えたり、マンションごと売却したりするためのコンサルティングを行います。もともとは街の再開発を手がけるコンサルタントが担ってきた領域で、法律も絡む非常に難しい業務です。プロジェクトは10年ほどのスパンになることもあります。そのため、修繕コンサルタントはほとんどの会社が手をつけないのが実情です。
ただ、分譲マンションに関わるということは、そこに住む方の人生に関わるということです。30歳で新築マンションを買った方も、40年経てば70歳になります。築40年、50年を迎えたときに「この先どうするのか」という問題は、すでに多くのマンションで出てきています。修繕と再生、2つの業務を1つの会社で同時に相談できることが、他社との大きな違いです。修繕だけでなく建替えの知識も身につけ、一度関わった方に対して生涯にわたって相談に乗れる。そこは弊社のアピールポイントであり、やりがいを感じられる部分だと思います。
ー再生コンサルティングは、どのようなきっかけで始めたのですか。
山本:再生コンサルティングを始めたのは、約3年前です。きっかけは、私が担当した築50年のマンションの大規模修繕工事が終わったときに、「この先どうしたらいいのか」と相談されたことでした。
当時は正直、再生の知識もありませんでしたし、大きな団地で建替えができるとも思っていませんでした。ところがその後、その団地が再生コンサルタントを入れて建替えを進めていく様子を見て、「この事業をやっていかなければいけない」と感じたのです。今は修繕を担当しているスタッフが、業務を進めながら再生の知識も身につけて取り組んでいます。
ーそもそも、大規模修繕コンサルティングを始めた理由は何だったのでしょうか。
山本:私は創業者ではないのですが、前任の代表はもともと、小規模なマンションや工場などを新しく建てる、一般的な新築の設計事務所を営んでいました。
当時、分譲マンションの修繕工事は、工事会社がマンションから直接請け負うケースが多かったのです。ただ、区分所有者の方がいきなり工事会社に依頼しても、その工事が正しいのかどうか分かりません。そこで専門家に相談しようという流れが、20年ほど前から業界的に広がり始めました。そこで「新しく建てる」よりも「今ある建物を長く持たせる」という観点から、この分野に足を踏み入れたという経緯です。
ー今の業界には、どのような課題があると感じていますか。
山本:2年ほど前から、公正取引委員会が施工会社や、弊社と同じようなコンサルタントに調査に入っていて、談合に関するニュースが大きく報道されています。顧客である区分所有者の方は、基本的に専門知識をお持ちではありません。そこに専門家が入りながら、業者と組んで各業者の見積もりを操作していたケースがあった。これは業界として非常に大きな問題で、業界自身がもっと変わっていかなければいけないと感じています。
ー御社として取り組んでいきたいことはありますか。
山本:今、多くの方が、設計事務所がコンサルに入ることに対して不安を感じたり、警戒したりしていると思います。だからこそ、総合評価方式(※)など施工会社を適正に選定していることが見える仕組みを整えることや、適正な価格を一般の方にどう知ってもらうかが重要だと考えています。
(※)国土交通省の公共工事でも採用されている、公平かつ精度の高い方式
例えば、お茶のペットボトルを500円で売りつけられたら、誰でも「高い」と気づきますよね。でも、大規模修繕工事の価格が適切かどうかは、なかなか分かりません。そこを一般の方に理解していただけるよう、もっと分かりやすく伝えることに力を入れていきたいと思っています。
ー今後のビジョンについて教えてください。
山本:築40年を超えるマンションは、今すでに全体の2割強になっています。あと10年もすれば、その割合はさらに増え、多くのマンションが再生について悩む時期を迎えると思います。
ですから短期的には、再生の事業を、より多くの社員が同じ技術で発信し、サポートできる会社をつくっていきたいと考えています。長期的には、より広い範囲での再開発のようなコンサルティングにも取り組みたいですね。マンションは実はかなり丈夫な建物です。むしろ全国には、狭い路地に建ち並び、火事が起きたら逃げられないような、より危険な建物も多くあります。そうした広いエリアでのまちづくりにも関わっていきたいと思っています。

ー再生コンサルティングを担う人材の育成は、どのように進めていますか。
植野:修繕は、長くても2年程度の期間で完結します。一方で再生は、基本的に10年という長いスパンの中でさまざまなことを進めていくため、必要な知識の幅が修繕よりもはるかに広いんです。
行政が絡む仕事なので、さまざまな法律や条例を理解する必要があります。例えば、ある敷地に高い建物を建てたくても、法律や条例で建てられない。ただし、ある条件をクリアすれば認められる、といった特例は、エリアごとに行政が独自に設けています。そうした情報をキャッチして説明できなければなりません。さらに建築だけでなく、どのくらいの価格で売れるのかといった不動産の市場価格まで把握しておく必要があります。
修繕の人材を育てる労力と比べると、再生はその何倍もかかります。弊社が再生の分野に入ってまだ3年ということもあり、人材育成については悩みながら取り組んでいるのが現状です。
ー修繕と再生、両方の経験を積めることは、キャリアの面でも大きな魅力だと感じます。
山本:そう言っていただけるのはありがたいですが、2つの違いは、関わっていないとなかなか分からないんです。やっている側からすればまったく別の仕事でも、外から見ると同じ事業のように見えてしまう。
ただ、修繕コンサルタントとして経験を積み、「これからは再生にも取り組まなければ」と感じている方は、数は少ないながらもいらっしゃると思います。そうした方にとっては、これまでの経験を生かしながら再生にも挑戦できる環境は、魅力に感じていただけるのではないでしょうか。
ーどのような方と一緒に働きたいですか。
植野:まずは、業務を進めるうえでの資格を優先しています。実際の業務は、資格がなくても中身を理解していれば説明もできますし、進めることもできます。ただ、日本には良くも悪くも「資格を持っている人が説明すべき」という風潮があり、特に関東ではその傾向が顕著です。
そのうえで会社として重視しているのは、自ら考えて行動できる人、そして周囲と協力しながら仕事を進められる人です。社長が言うように、この仕事は知識を貪欲に吸収して生かし、お客様に説明して納得していただくことが求められます。言われたことをただこなすのではなく、自ら学び、周囲に「これはどうだろう」「あれはどうだろう」と聞きながら吸収していく。そして、それをお客様に提案できる。そんな方を求めています。
ー福利厚生や社内文化で、社員の方から好評なものはありますか。
山本:3〜4年前から続けている社員旅行は好評です。行くとみんな楽しんでくれて、終わった後に「すごくいい時間でした、ありがとうございます」と言ってもらえることも多いんです。仕事以外の時間で、丸1日、2日と一緒に過ごす機会はなかなかありませんよね。そういう時間が、社員にとっても有意義な時間になっていると感じます。私自身も好きなので、できるだけ続けていきたいですね。
植野:社員旅行の企画は、社員が順番に担当しています。実は私が最初の担当でした。企画するのは大変ですが、企画者の考えた案は、ほぼそのまま社長が通してくれるんです。企画者の「やりたい」が通るということは、社員のみんなが望んでいることを汲み取れているからだと思います。「前回を超える企画をしたい」と考える社員もいて、だからこそ参加率も高く、楽しめるものになっているのではないでしょうか。
株式会社AK建築設計の主な福利厚生・社内文化
資格手当
(専門性の証明となる資格取得を後押し)
鍼灸師による施術・パーソナルジムの利用
(日々のコンディションを整えるサポート)
飲み会費用の補助
(社員同士のコミュニケーションを支援)
社員旅行
(社員が持ち回りで企画。参加率も高い恒例行事)
ー修繕・再生コンサルタントの仕事のやりがいは、どんなところにありますか。
山本:この仕事のお客様は、管理組合、つまりそのマンションに住む区分所有者の方々全員です。その多くは、建築の専門家ではない一般の方々です。100戸規模のマンションの大規模修繕工事となれば、何億円という規模になります。それを私たちがプロデュースし、終わったときに「良かった」と言っていただける。一度にこれほど多くの人と仕事ができるのは、他の業界ではあまりないことだと思います。説明会を開けば50人ほどが集まることもあり、1つの仕事を通じて本当にさまざまな方と関われるんです。
たくさんの人を1つの目的に導いていく。そこがやりがいだと思っています。再生になると、その規模は何百億円にもなります。人生で一度しか買わないと思っていたマンションが、もう一度選び直すものに変わる。人生においても大きな選択に関われることは、大きなやりがいになるはずです。
考え方も年齢も違う方がたくさんいる中で、単純に正解を出せばいいわけではありません。時には、違う考えを持つ方にも寄り添っていかなければならない。その場その場の関係性によって答えを変えていくのは、人にしかできない仕事だと思います。なかなか合意が得られず苦労することもありますし、議論が白熱することもあります。でも、終わってみれば「あのときは大変でしたね」と笑い合える。そんな達成感がある仕事です。
株式会社AK建築設計が大切にしている3つのこと
① マンションの一生に、生涯寄り添う
修繕と再生の両方に対応し、築年数を重ねたマンションの「この先」まで相談に乗る
② 業界の信頼を取り戻す、透明性のある支援
適正な施工会社の選定と適正価格を、一般の方にも分かりやすく伝えていく
③ 人にしかできない「合意形成」へのこだわり
考え方の異なる多くの人に寄り添い、1つの目的へ導く
ー最後に、AI時代に大切なことについて、読者へのメッセージをお願いします。
山本:AIによって本当に便利になり、作業や処理のスピード、AIに指示する力など、求められるものは変わってきています。ただ、弊社の仕事は、多くの方を一斉に1つの方向へ導いていくものです。白か黒かで答えが出るものであれば、AIにもできるかもしれません。でも私たちの仕事は、白でもあり黒でもあることを、多くの方に理解していただきながら進めていくもの。答えを出すタイミングを見極めることも含めて、人としての力、人間力が問われる仕事だと思います。
AIがさらに普及すれば、知識は最速で調べられ、誰かが答えてくれるようになるでしょう。では、そのときの人としての評価とは何か。人間味のように、今はキャリアとして評価されにくい力こそ、知識以外の力を養っていくことが、これからはより重要になると最近感じています。
私は、AIは使うものであって、使われるものではないと考えています。AIの出した答えを、間違いに気づかずそのまま出してしまう人も実際に少なくありません。AIが便利になったからこそ、それを扱う人間がしっかり成長しなければならない。顔を合わせて話すからこそ引き出せるものがあり、人付き合いにはやはり価値があると思っています。人間力を磨きたい方は、ぜひ弊社で一緒に働きましょう。
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自社の宣伝をしたい方大歓迎!ぜひキャリアクラフトにインタビューさせてください。
取材からインタビュー記事の公開に至るまで、費用は一切かかりません。
自分ではありふれた経歴だと思っていても、過去のあなたと同じ境遇にある方のキャリアの道しるべになるかもしれません。
異業種に転職された方、フリーターから正社員になられた方、ブランクから復帰された方、未経験からフルリモートの仕事に就かれた方など、様々なキャリアの方をお待ちしています!
キャリアクラフトは大阪・東京を拠点に20年、人材事業やシステム開発を行ってきたセルバが運営する「新しい働き方を創るメディア」です。
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