MySpaceはなぜ“消えた”と言われるのか?現在は?そこから企業が学ぶこと

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2000年代前半、MySpace(マイスペース)世界最大級のSNSとして君臨していました。
しかし今では「MySpace 消えた理由」「MySpace 現在」「myspace どうなった」といった検索が多くを占めるように。
あの巨大SNSはなぜ衰退し、現在どうなっているのでしょうか。

本記事では、MySpaceのかつての繁栄と失速の背景を振り返りながら、そこから学べるビジネス上の教訓について語ります。

目次

MySpaceとは何だったのか

2000年代半ば、インターネットの中心にいたのは、実はFacebookでもInstagramでもありません。
当時の主流SNSは、「MySpace(マイスペース)」でした。

プロフィールページを自分好みに作り込み、好きな音楽を流し、友人とのつながりを可視化する。
そんな“自己表現の舞台”として世界中の若者を熱狂させ、Googleを超えるアクセス数を記録した時期さえあったのです。

なぜそこまで人々を惹きつけたのか、まずはMySpaceが持っていた独自の魅力を整理してみましょう。

世界を熱狂させたSNS

MySpaceは2003年に米国で誕生。プロフィールページを自由にカスタマイズでき、BGMを流し、背景を派手に装飾できる「自己表現の場」でした。
2006年には1億ユーザーを突破し、一時はGoogleを抜いて世界で最も訪問されたWebサイトにもなりました。

音楽カルチャーの中心地

MySpaceはアーティストにとっても大きな意味を持ちました。
自作曲をアップしてファンを獲得できる仕組みは、今のSpotifyやYouTubeに通じる先駆け的存在でした。

レディー・ガガやアークティック・モンキーズがここからブレイクしたことは有名です。

MySpaceが「消えた」と言われる理由

MySpaceが世間から「消えた」と言われる主な理由は、次の通りです。

  • Facebookの台頭
  • 広告収入を優先した
  • 戦略の迷走
  • 技術基盤の遅れ

Facebookの台頭

MySpaceが人気を集めた最大の理由は、プロフィールを自由にカスタマイズできる点でした。
背景やフォントを変え、好きな音楽を自動再生させるなど、当時の若者にとっては「自分の部屋をデザインするように自己表現できる場」として大きな魅力を放っていたのです。

しかし、この自由度の高さは同時に欠点にもなりました。
ユーザーごとにデザインがバラバラで統一感がなく、ページが重く読み込みに時間がかかることも珍しくありません。
広告も増えたことで「他人のページを見に行く」体験はストレスが多くなり、楽しさよりも煩わしさが勝ってしまったのです。

そこにシンプルで軽快、統一感のあるデザインを持つFacebookが登場しました。
結果として、MySpaceの魅力だったはずのカスタマイズ性が逆にユーザー離れを加速させる要因となってしまったのです。

広告収入を優先した

2005年、MySpaceはNews Corporationに約5.8億ドルで買収されました。
当初は「メディア大手の支援でさらなる成長が見込める」と期待されましたが、運営は次第に広告収益偏重へと傾きます。
画面にはバナーや動画広告があふれ、2006年にはGoogleと約9億ドル規模の広告契約を結ぶなど、ユーザー体験よりも広告在庫の消化が優先されるようになっていきました。
その結果、利用者が本来楽しみたかった「友人や音楽との交流」が損なわれ、サービスの快適さは大きく低下します。

そして2011年、ついにNews CorpはMySpaceを売却
買収額が5.8億ドルだったのに対し、再売却額はわずか3,500万ドル程度といわれ、価値が大幅に下落してしまいました。

戦略の迷走

MySpaceは当初、「音楽コミュニティ」としての独自性が大きな強みでした。
インディーズアーティストが楽曲を公開し、ファンを獲得できる仕組みは他のSNSにはない魅力で、世界的なアーティストを輩出する場ともなっていました。

ところが2007年以降、Facebookが急成長すると、MySpaceはその成功を追うかのように路線を変更します。
ニュースフィード的な機能を取り入れるなど「Facebookの後追い」とも言える施策を打ち出しましたが、シンプルさと実名制を基盤にしたFacebookの強みにはかないませんでした。
一方で、元々の持ち味だった音楽特化の要素が中途半端になり、ユーザーにとって「MySpaceは結局何を提供するサービスなのか」が分かりにくくなってしまったのです。

この迷走は経営トップの交代や組織再編とも重なり、サービスの方向性は一貫性を欠きました。
結果として、既存ユーザーの離脱を食い止められず、新規ユーザーにも選ばれない状況に陥り、衰退を加速させる原因となったのです。

技術基盤の遅れ

MySpaceは急成長した反面、システムは旧来の構造を引きずったままでした。
ユーザーが自由にHTMLやCSSを編集できる仕様は表現の幅を広げましたが、その分サイトが重く、動作が不安定になりやすいという弱点を抱えていました。
結果として、ページを開くたびに読み込みに時間がかかり、「楽しい場」であるはずの利用体験が徐々にストレスへと変わっていったのです。

一方で、競合のFacebookやTwitterは軽快で安定したシステムを基盤に、機能改善を高速で繰り返していました。A/BテストやUI刷新を素早く展開し、ユーザーの不満を小さく抑える開発体制を築いていたのです。
MySpaceはこうした改善サイクルに追随できず、差は広がる一方となりました。

さらに大きな痛手となったのがモバイル対応の遅れです。
2007年のiPhone登場を契機にSNS利用の主戦場は急速にスマートフォンへ移行しましたが、MySpaceはアプリの展開やモバイル最適化で後手に回りました。
その間にFacebookがスマホ時代に適応し、「手軽に使えるSNS」の地位を確立。MySpaceは技術的な遅れが致命傷となり、ユーザー離れを止められなかったのです。

2019年の「楽曲消失事件」

2005年の売却からのユーザー離れ、そこから2011年の再売却に次いで“第二の悲劇”として語られるのが、2019年のデータ消失です。

サーバー移行の失敗により、過去12年間にアップロードされた音楽・動画がごっそり消滅。その数およそ5,000万曲以上。
ユーザーにとっては「青春の記録」が丸ごと消えたようなものです。

この頃にはSNSとしての存在感がすでに薄れていたとはいえ、この事件でブランドへの信頼はさらに低下しました。
デジタルサービスにおける「バックアップとデータ保護の重要性」を思い知らされる出来事です。

MySpaceは現在どうなった?

「MySpaceはもう存在しない」と思われがちですが、実は今も細々と続いています。

News Corpが売却した後のMySpaceの歴史
  • 2011年:アメリカの広告企業であるSpecific Mediaが買収し、音楽SNSとして再出発
  • 2013年:デザインを刷新して「New MySpace」として再ローンチ
  • 2019年:サーバー移行トラブルで約12年分・5,000万曲が消失する大事件
  • 現在:Viant Technologyの傘下で、音楽コミュニティ寄りのサイトとして存続

現在のMySpaceは、FacebookやInstagramのようなSNSではなく、音楽やエンタメコンテンツを中心にしたプラットフォームとして細々と続いています。
アーティストの楽曲やミュージックビデオを紹介したり、インタビュー記事やニュースを掲載したりと、どちらかというとSNSというよりは「音楽メディア」に近い立ち位置です。

企業がMySpaceに学ぶべき教訓

MySpaceの歴史は、単なる一つのSNSの盛衰にとどまりません。
短期間で世界のトップに立ちながら、同じくらいのスピードで衰退していった背景には、どの企業にも当てはまる経営やプロダクト運営の落とし穴が潜んでいます。
「なぜあれほどの成功を手にしながら失速したのか」を振り返ることは、現代の企業にとっても大きなヒントとなります。

ここでは、MySpaceの失敗が示す具体的な教訓を整理し、今後のビジネスやサービスづくりにどう活かせるかを考えていきましょう。

ユーザー体験を犠牲にしない

MySpaceが失速した大きな要因のひとつが、広告収益を優先しすぎたことです。
広告枠を増やせば短期的には収益が上がりますが、その結果サイトは重くなり、ページの視認性も悪化。
ユーザーは「快適に使える場所」へと流れていきました。

現代のサービス運営でも「ユーザー体験を中心に据える」ことの重要性は変わりません

コアバリューを磨き続ける

MySpaceは音楽コミュニティとして大きな強みを持っていたにもかかわらず、その方向性を徹底できませんでした。
Facebookの真似をしようとした結果、差別化が曖昧になり「MySpaceにしかない価値」が薄れていったのです。

自社のサービスにおいても、「どんな体験を核にするのか」を明確にし、それを磨き続けることが長期的なブランド力につながります。

技術刷新を怠らない

古い仕組みを抱えたまま改善スピードが鈍化したことも、MySpaceの失敗要因です。
スマートフォンが主流になった時代に、対応が遅れたことでユーザーの離脱は加速しました。
ニコニコ動画でユーザー離れが起こったのも、実は似た理由です。

「技術基盤はビジネスの土台である」という意識を持ち、継続的にアップデートを行う必要があります。

MySpaceの文化的インパクト

MySpaceが残したものは、単なる「覇権SNSの盛衰」ではありません。
そこには、当時のインターネット文化そのものを形づくった痕跡が数多くあります。

プロフィールを飾り立てる自由さや、人間関係を数値化する機能、そして音楽との強いつながり。
それらは、のちのSNSやオンラインサービスにも大きな影響を与えました。

MySpaceがどのように人々の自己表現やカルチャーを変えたのかを振り返ってみましょう。

プロフィール改造のカオス文化

MySpaceといえば、HTMLやCSSを直接書き換えて自由にカスタマイズできるのが大きな魅力でした。
背景に派手なアニメGIFを敷き詰め、カーソルがハート型に変わり、ページを開いた瞬間に大音量で音楽が流れる。
今では「使いづらい」とされる要素ですが、当時の若者にとっては“自己表現の最前線”でした。

「Top8」で揺れる人間関係

もうひとつ象徴的だったのが「Top Friends」機能です。
自分の仲良し8人をプロフィール上で公開できる機能なのですが、「なぜ私はTop8から外されたの?」といった人間関係のトラブルも頻発しました。

SNSが“人間模様を可視化する”という特徴を、MySpaceは最初期に体現していたのです。

音楽シーンへの影響

インディーズバンドや新進気鋭のアーティストがMySpaceで楽曲を公開し、そこから人気に火が付くことも多々ありました。
現在のSoundCloudやYouTubeが担っている役割を、当時のMySpaceはすでに果たしていたのです。

この点は「消えたSNS」というより「時代を先取りしすぎたSNS」とも言えるでしょう。

SNS業界に見る「盛者必衰」

MySpaceの盛衰は「SNS業界の宿命」を象徴していると言えます。

  • かつてはMySpaceが覇者
  • その後Facebookが主役へ
  • 今ではInstagramやTikTokが若者を惹きつける存在

インターネットの歴史は常に「新しいサービスが古いサービスを塗り替える」ことの繰り返しです。
一度サービスを作ったら終わりではなく、時代に合わせて変化していくことの重要性を物語っています。

まとめ

  • MySpaceは2000年代に世界最大のSNSとして栄光を極めた
  • 2019年には大規模な楽曲消失事件も発生
  • 現在も音楽寄りのプラットフォームとして細々と存続している

MySpaceの歴史は、Webサービスを運営する企業にとって貴重なケーススタディです。
「成功している今こそ、次の一手を誤れば失速する」ということを忘れないようにしたいですね。

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木澄のアバター 木澄 WEBマーケター

広報・マーケティング部所属。
2000年代初頭からのネット掲示板やサブカルチャーに親しみ、当時のネットスラングやネット文化に詳しい。
趣味は飲み歩き。辛口のお酒が好きで、美味しいおつまみを出すお店を見つけるのが得意。赤ワインと甘いカクテルが苦手。
ネットカルチャーと日常の体験を組み合わせながら、身近に感じてもらえる記事を心がけている。

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