ハンゲームは終了したのか?ハンゲームの現在と衰退の原因

かつて日本最大級の規模を誇っていたオンラインゲームポータル「ハンゲーム(Hangame)」。
チョコットランドや、ファミスタ、スペシャルフォース、麻雀など、様々なジャンルのゲームを提供していました。
しかし、近年ではその名前を聞くことがかなり少なくなりました。
今回は、現在のハンゲームは一体どうなっているのか、衰退したと言われる背景について解説します。
「ハンゲーム」自体は終了していない


結論:ハンゲーム自体はサービス終了していませんが、一部ゲームタイトルはサービス終了しています。
公式サイト https://www.hange.jp/
X(旧Twitter)https://x.com/hange_cf
YouTube https://www.youtube.com/@hangamehangame
ハンゲームは現在も運営が続いており、ポータル全体のサービスは終了していません。
定期的なメンテナスや、公式SNSの継続的な更新もされており、一定の活動が確認できます。
ただし、提供されていたゲームタイトルの中には、サービス終了したものや、他社のプラットフォームへ移転したゲームも存在しています。
そのため、以前のゲームタイトルすべてをプレイすることはできなくなっています。
現在のハンゲーム


ハンゲームは、「ハンゲ(hange)」という名称に変更されて、現在でもゲームポータルとして稼働しています。
RPGやアクション、シミュレーション、テーブルゲームなど幅広いジャンルのゲームを提供しています。
長年にわたりNHN Japan株式会社が運営を行ってきましたが、いくつかの社名変更や事業譲渡を経て、現在はココネ株式会社が「ハンゲ」を運営しています。
ブランド名や運営会社は変化していますが、「ハンゲーム」の基盤は依然と変わっていません。
主要なゲームタイトル
ハンゲームは様々なタイトルを提供してきましたが、サービス終了したタイトルや、プラットフォームを移転したものも多く存在しています。
ここでは、主要なゲームタイトルの現状をご紹介します。
タイトル名 | ジャンル | 現在の状況 | |
---|---|---|---|
チョコットランド | RPG | 配信中 | |
モンスターハンターフロンティア | RPG | 2019年にサービス終了 | |
TERA | RPG | 2022年にサービス終了 | |
アラド戦記 | アクション | 配信中 | |
フリスタ! (FREESTYLE) | スポーツ | 現在は「Freestyle 2」「3on3 FreeStyle」としてPC(Steam)、PlayStation、Xboxで配信中 | 2012年にサービス終了|
ファミスタオンライン | スポーツ | 2013年にサービス終了 | |
スペシャルフォース | シューティング | 2012年から「スペシャルフォース2」が配信されていたものの、2022年にサービス終了 | 2016年にサービス終了|
サドンアタック | シューティング | 2019年にサービス終了 | |
ゴールドウィング | シューティング | 2016年にサービス終了 | |
ぼくのレストラン | シミュレーション | (スマートフォン限定) | 「ぼくのレストラン2」として配信中|
おえかきの森 | パーティ | 配信中 | |
麻雀 | テーブルゲーム | 「麻雀4」として配信中 | |
大富豪 | テーブルゲーム | 2019年にサービス終了 |
「スペシャルフォース」「TERA」「ファミスタオンライン」などかつてハンゲームを代表していた大型タイトルは、いずれもサービスを終了しています。
一方で、「チョコットランド」「アラド戦記」「麻雀」などのタイトルはハンゲーム上で提供されており、現在でもプレイすることができます。
なぜ衰退したと言われているのか?


ハンゲームは現在でも運営をしていますが、以前のような勢いは見られなくなりました。
かつては、同時接続数が20万人を超えるほど人気を持っていましたが、衰退したと言われる理由は、さまざまなものがあります。
ここでは、ハンゲームが衰退したと言われる原因についてご紹介します。
SNSの発達
ハンゲームが流行していた理由は、「コミュニケーション」にあります。
2000年代当時は、SNSがそこまで発達しておらず、インターネット上で人とつながれる場所は限られていました。
ハンゲームは、ブログやゲームごとの掲示板、アバター機能を搭載しており、こうした機能が人々にコミュニケーションの場を提供していました。
ITmediaの「“モバゲーの手本”ハンゲームに聞く、アバター仮想世界の作り方」の記事によると、アバターに関するアイテムが大きな収益になっており、オンライン上で他者と交流し、自己表現を楽しむことに価値を感じていたユーザーが多かったのです。
しかし、SNSやスマートフォンが発達した現代では、X(旧Twitter)やinstagram、LINEなど、さまざまなプラットフォームでのコミュニケーションの場が確立されており、ハンゲームを利用する動機が失われていきました。
ゲーム技術の発達とニーズの変化
統合型ゲームエンジンの普及や開発体制の大規模化により、ゲームの品質は飛躍的に向上しました。
ハンゲームの初期では、ブラウザ技術を用いたインストール不要な気軽なゲームを中心に提供していました。
しかし、3D描画や高負荷処理には向かず、時代の進化に伴って表現力と処理性能の面で限界が見え始めました。
高品質なオンラインゲームの提供を試みましたが、提携していた開発会社の多くは、中小規模スタジオ(数十人規模)であり、長期的な技術投資や大規模開発を行う体制は整っていませんでした。
また、家庭用ゲーム機の高性能化やゲーミングPCの普及、光回線の一般化などにより、ユーザーが求める水準も大きく上昇しました。
「ブラウザで気軽に遊べる」というニーズは、技術の進化とともに変化し、2D・ブラウザ中心の設計や小規模スタジオに依存した開発体制では、その期待に応えられなくなったのです。
競合の増加と配信構造の変化
SNSやスマートフォンの普及により、人と交流するためのツールが登場し、ユーザーはコミュニケーションを重視するのではなく、ゲームの品質や選択肢の豊富さを求めるようになりました。
特に「Steam」の登場は、ハンゲームに大きな影響を与えることになりました。
ハンゲームの提供タイトルが2025年10月時点で127種類1であるのに対し、Steamでは1万本以上のタイトルを配信2しており、世界最大のゲーム配信プラットフォームとなっています。
ハンゲームでは、開発会社から運営権を取得して代理でゲームの配信・販売していました。
一方、Steamでは開発会社がタイトルを登録し、販売やアップデートを直接行う仕組みになっています。
開発会社が自由な管理・更新を行えるため、運営や配信をスムーズに行うことができます。
Steamでは、実績システムやクラウドセーブ、ワークショップ(MOD共有機能)など、開発者を支援する Steamworks API が搭載されています。
また、審査を通過すれば、個人や中小規模のスタジオでも自由にゲームを配信できるため、配信のハードルが低く、開発会社から支持されやすいプラットフォーム構造となっています。
また、Epic Games Store(Epic Games)、Battle.net(Blizzard Entertainment)、Riot Client(Riot Games)のように、開発したタイトルを自社で配信する企業も多く存在しています。
スマートフォン市場の拡大
2010年代に入ると、スマートフォンの普及が進み、ゲームをプレイする環境がモバイル環境へと移行し始めました。
しかし、スマートフォンではApp StoreやGoogle Playといったアプリストアを通じてゲームをダウンロードするのが一般的であり、ブラウザを経由する習慣がなく、モバイル市場で成長するには大きなハードルがありました。
また、アプリストアでは厳格な配信ポリシーが定められており、「他社のゲームをまとめて配信・起動するようなアプリ(ポータル型アプリ)」を禁止しているため、ハンゲームそのものをアプリストアで配信することはできません。
アプリ内で外部のWebサイトに誘導して課金させる仕組みも、ストア規約で明確に禁止しています。
スマートフォン市場では制度面での制約が多く、ハンゲームのようなポータルサイトを提供することができなかったことも、衰退したと言われる理由の一つでしょう。
まとめ
ハンゲームは、SNSやスマートフォンの普及、開発技術の向上、競合の存在により過疎化が進んでいます。
また、以前配信していたタイトルもサービス終了が相次いでおり、かつてのような勢いは見られません。
しかし、現在でもハンゲームはサービスの終了は迎えることはなく、現在でも運営が続けられています。
インターネット上での「コミュニケーション」を提供したハンゲームでは、日本におけるオンラインゲーム文化の礎になっており、今でも一定の支持を獲得しています。
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- ハンゲ公式 https://casualgame.hange.jp/ ↩︎
- SteamDB Steam Game Releases by Review Count https://steamdb.info/stats/releases/ ↩︎