退職代行モームリは違法?急成長の背景と業界が抱える闇

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近年、退職代行サービスが急成長を遂げる中、「退職代行モームリ」は特に大きな存在感を放っています。
「モームリ」というキャッチーな名前、SNS戦略、メディア出演により、業界で最も高い知名度を持つ企業といえます。

しかし、好調に見えたモームリや退職代行サービスは、深刻な問題点が浮き彫りになりつつあります。

本記事では、退職代行サービスモームリの急成長の背景と、指摘されている問題点について解説していきます。

目次

退職代行モームリとは?何ができる?

退職代行モームリは、株式会社アルバトロスが運営する退職代行サービスです。

退職代行は、大きく次の3つに分類することができます。

分類料金特徴
民間型
(モームリなど)
約10,000円〜20,000円・迅速な対応でスムーズな退職をサポート
・会社との交渉は行えない(有休・残業代など)
労働組合型約20,000円〜30,000円・有休取得や未払い賃金の請求など、一定の交渉が可能
・法的拘束力がなく、法的トラブルには対応できない
弁護士型約50,000円以上・交渉に法的拘束力を持たせられ、法的トラブルにも対応可能
・他の形式に比べて費用が高額になりやすい

モームリは「民間型」に分類され、主にスムーズな退職を実現する「連絡代行」に特化したサービスを提供しています。
民間型は有給休暇の取得・退職日の交渉、未払い残残業第・慰謝料・損害賠償の請求といった、会社との交渉行為や法的手続きを行うことができません

そのため、モームリを含めた民間型の対象代行が対応できる範囲は、以下の業務に限られます。

  • 退職の意思を会社に伝える「連絡の仲介」
  • 会社からの事務連絡の受け渡し(交渉ではなく伝達のみ)
  • 貸与物(制服・社員証・PC など)の返却方法の確認
  • 離職票・源泉徴収票などを会社に代理依頼

モームリが急成長できたワケ

退職代行自体は以前から弁護士業務として存在していましたが、民間の退職代行サービスとして初めて広く知られるようになったのは、2017年創業の退職代行「EXIT」からです。
テレビやメディアでの取材が殺到し、退職代行というサービスの認知が一気に広がりました。

一方、退職代行モームリは 2022年創業であり、退職代行としては後発で参入することになりました。
しかし現在では、年間2万件以上の退職成立を実現し、退職代行市場で7割1を占めるとも言われるほどの圧倒的なシェアを獲得しています。

なぜ、後発企業であるモームリはここまで急成長できたのでしょうか。そんな成長を遂げた理由と強みを解説していきます。

退職代行ならではのエンタメ戦略

モームリが成長できた理由のひとつに、退職代行をエンタメ化する戦略があります。

モームリはYoutubeやTikTokに、実際に自社で退職代行業務を行う様子を動画にしてアップロードしていました。
電話に出た企業の担当者が、退職者の悪口を言う、代行業者に怒る、理不尽な発言を行う様子が動画で見られます。
このような企業の反応に対して、視聴者は「こんな対応をされるなら辞めたくなるのも当然」「退職電話ってこんな感じなんだ」と、普段見えない世界を楽しむコンテンツとして受け入れられていました。

Youtubeでは350万回以上再生された動画もあり、退職代行の裏側とブラック企業の実態を見せるコンテンツとして、大きな人気を獲得しています。

出展元:退職代行モームリ 公式ユーチューブ『退職代行の会社への電話現場をガチ公開【退職代行モームリ】
内容:実際に退職の連絡を行っている様子を公開した動画

また X(旧Twitter)では、毎日のように以下の情報を投稿していました。

  • 1日の退職代行実績
  • 退職代行を利用された業界・職種・企業ランキング
  • 相談内容やハラスメント など

退職代行ならではのデータを公開し、時にはユーモアを交えた投稿を行っていました。

生々しいリアルな内容や、好奇心をくすぐる投稿により、SNSでたびたび大きな反響を呼んでいました

出展元:退職代行モームリ 公式X

SNSを駆使した透明性の確保

モームリが参入する前の退職代行サービスは「誰が運営しているのかわからない」「利用して大丈夫なのか」という声が多く、不信感が非常に強い業界でした。
実際に、退職代行は電話だけで実行できるビジネスモデルであり、運営元が不透明な業者も多数存在していました

こうした不信感を払拭するため、モームリはSNSで業務の様子を公開したり、X(旧Twitter)でリアルな情報を発信するなど、業務内容やサービスに透明性を持たせる投稿を行っていました。
また、代表自らが顔出しで繰り返しメディアに出演しており、サービスの広告効果だけでなく「誰が運営しているのか分からない」という不安を解消していきました。

こうした透明性を生み出す数々の施策により、利用者の信頼獲得に大きく貢献しました。

「モームリ」というキャッチーな名前

モームリが高い知名度を獲得した理由のひとつに、定着しやすいネーミングの強さ があります。

他の退職代行は、「EXIT」や「SARABA」など意味を持つ名称もありますが、利用者の感情と結びつきにくい、語感に特徴がないという、覚えづらいものが多く見られました。
しかし、モームリは、仕事に疲れ、退職を考えている労働者がふと声に出す「もう無理」という言葉をそのまま採用したのです。

「モームリ」という名前は、フランクで親しみやすい響きを持ち、労働者の感情に寄り添った名前です。
これまでの退職代行にはなかった柔らかさがあり、利用者にとって受け入れやすく、強い印象を与えることができました。

退職代行って失敗する?モームリはバレない?

代行を運営する業者では「成功率99%」を掲げるところも多く、業界全体が高い成功率を誇っています。

退職代行がここまで高い成功率を誇るのは、民法627条の「退職の自由」 の存在です。

「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」(民法627条1項)

出展:デジタル庁『e-Gov 法令検索 民法

この民法では、期間の定めのない雇用契約で働く人であれば、退職を申し入れてから2週間が経過すれば退職できると定められています。
また、契約社員など期間の定めがある雇用契約でも、「健康を害した」「ハラスメントを受けた」「やむを得ない事情がある」などの場合は途中退職が認められます。

企業側もトラブルを避けるため、契約期間内であっても退職を受け入れるケースが非常に多いです。
トラブルを回避のために退職を受け入れるケースがほとんどであり、拒否されたとしても自動的に退職が成立するという法的背景があり、業界全体で退職代行は非常に高い成功率を実現しているのです。

退職代行は転職先にバレる?モームリは?

モームリを含め、退職代行は転職先にバレることはありません

個人情報保護法により、企業が労働者の情報を第三者へ提供することを厳しく制限しています。
また、離職票・源泉徴収票など、公的な書類に退職代行について記載されることはありません。

法律で情報提供が制限されているため、転職活動や手続きを通して外部に漏れることはありません。

退職代行を利用するとどうなるのかは、以下の記事で詳しく解説しています。

退職代行は違法? モームリへの家宅捜査

創業以来、順調に成長を続けていた退職代行モームリでしたが、2025年10月22日にとある事件が起きました。
それは、退職代行モームリを運営する「アルバトロス」への家宅捜査です。

報道によると、アルバトロスは弁護士資格がないのにもかかわらず、顧客を弁護士に紹介し、紹介料を受け取っていた疑いが持たれています。
この行為は、弁護士法第72条の非弁行為・非弁連携に当たるとされ、警視庁は家宅捜査に踏み切りました。

弁護士法第72条(非弁行為の禁止)
弁護士又は弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で法律交渉や法律事務、またはその仲介をしてはならない。

デジタル庁『e-Gov 法令検索 弁護士法

この法律では、弁護士資格のない者が報酬目的で法律業務や仲介を行うことを「非弁行為」として禁止しています。
(弁護士への紹介は、「非弁連携」と呼ばれることがあります)

一部では、退職代行の過程で直接交渉を行っていた可能性や、弁護士の名義だけを借りて法律業務を行ったとも報じられており、事実あればそれらも「非弁行為」に該当する可能性があります。

ただし、いずれも捜査中であるため、今後の司法判断を待つ必要があります。

この捜査を受けアルバトロスは、弁護士との契約解除や役員体制の見直しを行ったと発表しました。
しかし、この家宅捜査は大きな波紋を呼び、モームリの信頼を大きく揺るがす出来事となりました。

退職代行サービスが抱える闇

近年、注目が集まっている退職代行ですが、この業界には外部からは把握しづらい闇が存在します。

民間型の企業では、退職の意思を「伝達」する行為は合法ですが、退職条件の「交渉」は違法(有給取得や退職日の調整など)になります。
このルールは法律で明確に定められていますが、この「伝達」と「交渉」の境界は曖昧になりやすく、利用者だけでなく、退職代行サービスを提供している企業でもこの違いを正しく認識している人は多くありません

また、弁護士との関わり方も問題になりやすいです。
前述の通り、モームリを含めた「民間型」の退職代行では法律交渉を行うことができないため、弁護士へ繋ぐことがありますが、その際に弁護士から報酬を受け取ると違法となります。
無報酬であればこの要件を満たしていないと考えられますが、実質的には「報酬を受け取った」とみなされるケースもあります。

今回のモームリに関する一連の報道は、こういった問題を浮き彫りにしたと言えるでしょう。

まとめ

モームリは退職代行サービスとしては後発企業でありながら、従来の退職代行サービスが抱えていた不信感を払拭し、エンタメ化したSNS戦略と親しみやすいネーミングを武器に急成長を遂げました。

しかし、非弁行為の疑いによる家宅捜査により、業界特有の問題を浮き彫りにし、退職代行サービスへの見方も変わりつつあります。

セルバは20年以上人材業界に携わっており、転職希望の方のご相談や、人材会社向けの経営支援を行っています。お気軽にお問い合わせください。

  1. 出展:株式会社ファングリー C-NAPS「退職代行大手「モームリ」が3年でシェア7割を実現できた理由|第一想起を取れれば勝機がある状況では、ネーミングがものを言う」https://fungry.co.jp/cnaps/interview/keyperson17/  ↩︎

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YTGのアバター YTG WEBマーケター

広報・マーケティング部所属のインターン生。
趣味は映画鑑賞と散歩で、新しい視点や考え方に触れるきっかけになっています。
わかりやすい記事を目指すべく、親しみやすい言葉遣いを心がけています。

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