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マーケティング
更新日:2019年10月3日
投稿日:2016年2月3日

トヨタに学ぶ!サイト改善術「5why分析」とは

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【引用:http://www.toyota.co.jp/

■サイトを改善するための「5why」

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「サイトのPV数が、思うように伸びない」「コンバージョン率が頭打ちになってしまった」という事態が起きたとき、改善にむすびつく対策が求められます。

しかしながら、なにが問題で、どうやって解決すればいいのか、糸口をなかなか見つけることはできません。そこで、原因分析や問題解決に使えるフレームワークとして、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)が取り入れている「5why」があります。

「5why」は、もともと生産の現場で、ミスの再発防止や、品質向上のために用いられる分析方法です。有名な分析方法なので、ご存知の方も多いかもしれません。しかしながら、Webサイトを改善する手法として、今一度、注目してみたいと思います。

■「5why」とは?

トヨタで徹底される「5why」

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「5why」とは、フレーズの通り、「なぜ?」を5回問うことです。もっと言えば、問題が起きた時に、「なぜ問題が起きたのか?」と掘り下げて問うことをといいます。

トヨタの社員は、「5why」で考えることを、現場で徹底されています。トヨタ本部の社員だけではなく、関連会社や下請け企業にも、同様のことが求められているといわれています。

これは、トヨタの元副社長の大野耐一が、著書「トヨタ生産方式」の中で書いた内容がきっかけになっています。本書では、5回の「なぜ」を自問自答することで、事象の因果関係や、真の原因を追究できるといわれています。

必ずしも5回でなければならない、ということではありません。しかし、2~3回では不十分な思考になってしまいます。

なぜ「5why」がいるのか?

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そもそも、「なぜ問題が起きたのか?」という問いを、5回繰り返す目的は、「真因」にたどり着くためです。「真因」とは、根本的な原因のことです。つまり因果関係をつきつめていくための方法として、「5why」が有効になります。

「5why」は、「なぜなぜ分析」や「なぜなぜ問答」ともいわれています。「なぜ?」を繰り返さない場合は、表面的な思考・行動に陥りがちです。または、問題が起こる要因を、本当の原因であると勘違いしてしまいます。要因はあくまでも、1つの可能性であって、事実ではありません。ファクトベースの思考こそが、真の原因にたどり着くことができます。

例えば、「生産台数を、期日に仕上げることができない。何とかならないか?」と会社から求められたとき、「なぜ?」が抜けている人は、「残業してでも頑張ります」「スタッフを増やして対応します」となります。ここで「なぜ期日に間に合わないのか?」と問いかけることが、「5why」のスタートラインです。

「5why」では、こう考える

さきほど挙げた「トヨタ生産方式」では、機械が動かなくなったと仮定して、「5why」の実例が紹介されています。

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① 「なぜ機械は止まったか」
→「オーバーロードがかかって、ヒューズが切れたからだ」
② 「なぜオーバーロードがかかったのか」
→「軸受部の潤滑が十分でないからだ」
③ 「なぜ十分に潤滑しないのか」
→「潤滑ポンプが十分くみ上げていないからだ」
④ 「なぜ十分くみ上げないのか」
→「ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ」
⑤ 「なぜ摩耗したのか」
→「ストレーナー(濾過器)がついていないので、切粉が入ったからだ」

1回目の「なぜ?」では、ヒューズが切れたことが原因として挙げられています。ここでは、ヒューズを交換することが解決方法です。

しかし、5回目の「なぜ?」では、ストレーナー(濾過機)がついていない、ということがわかりました。これが「真因」です。したがって、ストレーナー(濾過機)をつけることが、とるべき対策となります。

このことで、問いを繰り返すかどうかで、解決方法がまったく変わってくることがわかります。「5why」を実践することで、「真因」にたどり着き、問題解決を早急にすることが可能なのです。

「5why」は実践できるのか?

「5why」は、理屈だけをいうと、簡単に説明することができます。しかしながら、現場で実践するとなると、大変な作業です。繰り返して問うことを、慣れていないと、骨の折れる作業だからです。

実用できるようになるためには、問題が起きたときだけではなく、普段からフレームワークで考える習慣をつけることが近道です。

「5why」を身につけることは、物事を本質的に考えられるようになるだけではありません。自己責任で、仕事ができるようになることもメリットの1つです。望んでいない問題が起きると、他人のせいにしたくなります。しかし、「なぜ?」と自問自答を掘り下げることで、自分起因ですべてを考えられるようになっていきます。

■さいごに

トヨタの「5why」を通して、Webサイトの開発や運営で起こる問題をみたとき、どのような「真因」にたどり着くことができるでしょうか。

サイトの運営に行き詰まってしまうことは、だれでも経験することです。そんなときに、IT業界の知識や常識だけで考えるのではなく、ブレイクスルーしていく為に、こういった他分野でのフレームワークをうまく使いこなしてみるのも有効です。

「5why」を活用することで、ミスが起こりにくいサイト制作や、表面的な問題に左右されないサイト運営が実現できるのではないでしょうか。

ポイント詳細

トヨタで徹底される「5why」 ■「5why」とは、「なぜ?」を5回問うこと。
■5回の「なぜ」を自問自答することで、事象の因果関係や、真の原因を追究できる。
なぜ「5why」がいるのか? ■問いを、5回繰り返す目的は、「真因」にたどり着くため。
■ファクトベースの思考こそが、真の原因にたどり着くことができる。
「5why」では、こう考える ■問いを繰り返すかどうかで、解決方法がまったく変わってくる。
「5why」は実践できるのか? ■実用できるようになるためには、普段からフレームワークで考える習慣をつけること。
■「なぜ?」と自問自答を掘り下げることで、自分起因ですべてを考えられる。

この記事を書いた人

投稿者
中山 健

株式会社セルバ代表取締役。学生時代にアルバイトでWEB製作会社に入りプログラムを覚える。大学卒業後SIerにて金融システムの開発に携わった後、再びWEB業界へ。

WEB系のプログラム言語とサーバー構築、さらにはCOBOLも出来ます!最近ではシステム開発だけでなく、SEOやマネタイズなどのグロースハックや企画を担当する事が多いです。

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