医療現場の分断を、ソフトでつなぎ直す ── APOSTROが目指す「働き方」改革

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「広報は、翻訳する仕事だと思っています」──そう語るのは、医療現場向けの自動精算機を手がける株式会社APOSTROで広報・エヴァンジェリストを務めるつちやさんです。11部署をまたぐ社内の情報格差に課題を感じ、経営陣の言葉を翻訳して社員に届ける「組織翻訳者」として活動する中で見出したのは、AI時代だからこそ人に求められる「問い」と「違和感」の力でした。医療現場の働き方を変えるという同社のミッションと、広報という仕事のリアルな姿を伺いました。

目次

プロフィール紹介

つちやさん
株式会社APOSTRO 広報エヴァンジェリスト。自身の会社で事業開発・マーケティングに約10年携わった後、SNSで知り合った現社長との縁からAPOSTROへ入社。社内向け情報発信を起点に、社外向けのnote執筆なども単独で担当し、社内の部署間理解を深める「組織翻訳者」としての役割を担う。

医療現場の「働き方」を変える ── 株式会社APOSTROとは

つちやさん:うちのミッションは「医療現場の働き方を変える」ことです。APOSTROという会社自体は創業3年目なのですが、前身となる株式会社新世紀という会社が1994年の創業で、そこから事業を引き継いでいます。元々はIT サポート事業を行う小さな会社だったのですが、あるとき医療現場の自動精算機のニーズと出会い、クリニック・診療所の受付会計における現場の課題を解決する事業として成長してきました。おかげさまで出荷台数は4000台を超え、クリニック市場ではナンバーワンです。今後は病院市場にも展開していく予定です。

もう1つお伝えしたいのは、これまで会計だけをやってきましたが、医療現場の働き方を本当に変えるには、会計だけでは不十分だということです。予約から受付、診察、次回予約、薬局まで、医療体験全体を、分断された業務をソフトでつなぎ直すことで、全体最適していくことを目指しています。

株式会社APOSTROの主な事業領域

クリニック・診療所向け自動精算機の開発・販売(出荷台数4000台超、クリニック市場シェアナンバーワン)、病院市場への展開、予約・受付・診察・次回予約・薬局までを含む医療体験全体をソフトウェアでつなぎ最適化する。

「広報」ではなく「組織翻訳者」── つちやさんの役割

つちやさん:スタートは広報という枠だけではなく、もっと本質的な課題がありました。うちは全部で11部署あるのですが、組織の情報が部署間で共有できていなかったり、社外への発信もできていなかったりする状態だったんです。なので僕が一番のミッションとして抱えているのは、社内に対しての発信、社内広報がメインで、結果的に社外向けもやっている、という感じですね。

社内に落ちている情報自体はたくさんあるので、各部署の情報を聞き取って意図を汲み取ったり、経営陣が言いたいことを社員に伝えたりする、「翻訳者」みたいな仕事をしている感覚です。

つちやさん:毎月、僕自身がA3の社内報を作って裏表で全社員に配っているのですが、基本的には社員へのインタビューやヒアリングが中心です。各部署の議事録や資料を見て、違和感や気になる部分を見つけたら、その部署に直接聞きにいくというやり方をしています。営業なら数字、開発なら作ったもの、それぞれ発信したいという欲求はみんな持っていると思うので、それをきちんと拾い上げて社内に伝えていく。あとは、内容はネガティブなことは書かず、基本的に全部前向きに捉え直すことだけを意識しています。

社外への発信が、結果的に社内理解を深める

つちやさん:noteをメインに、この1年以上、月4本のペースで欠かさず更新しています。取材から執筆まで全部僕が1人でやっているのですが、実は社外に発信していながら、本当は社内の人に読んでほしくて書いています。結果的に「他部署ってこういうこと考えていたんですね」といった社内理解につながっているのが大きいですね。中で働いているとなかなか自分の部署以外のことは見えないものですが、社外向けの発信を見ることで、会社の全体像が見えるようになるようです。

「現場の声を拾う」DNAと、一気通貫の仕事の仕方

つちやさん:元々の創業が小さなITサポート事業から始まっているので、現場の声を大事に拾うということを、一番大事にしている会社です。誠実に現場に向き合って課題を拾い、ユーザーに接する。だからこそ、自分たちで企画して、自分たちで作って、自分たちで届けて、自分たちでサポートするという一気通貫のスタイルがうちの良さだと思っています。売って終わり、開発して終わり、サポートするだけでもない。全部署が一気通貫で協力してユーザーや医療現場に向き合っていく会社です。

「問い」と「違和感」── AI時代における仕事の本質

つちやさん:僕がいつも考えているのは、「問い」と「違和感」です。現場には、ユーザーが言葉にしていなくても、実はこの辺りで困っているということが色々と存在します。その違和感に気づけるかどうか。これは現場に限らず社内でも同じで、そこに対して適切な問いを立てられるかどうか、この2点だと思っています。

例えば議事録を読んでいても、進みが他と比べて遅かったり、話がうまく流れていなかったりするなど違和感もあります。問題として意識されていないけれど、なんとなく引っかかる部分ですね。

つちやさん:僕自身、コンテンツも資料も全部自分で作っていて、そこでもAIをかなり使っています。基本的にはやっぱり、どれだけ正確な問いを立てられるかどうか、そして出来上がったものに対して「これでいいんだっけ」という違和感に気づけるか。この問いと違和感の行ったり来たりが大事だと思っています。

例えば生成された記事が綺麗にできあがっていても、「なんとなく違和感があるな」と感じたら、その問いは「結局これは誰に伝えたかったんだっけ」「届いた先にどう思ってもらいたかったんだっけ」という形で、より明確にしていく作業をしています。

AIによってあらゆる作業が時間短縮できるようになった今、人間には「どう伝えるか」「誰に伝えるか」を考える時間が増えたといいます。だからこそ、どれだけ的確な問いを立てられるかが、これからの人の本質になっていくのではないかとつちやさんは話します。

「家族に誇れる会社」に ── これからのビジョン

つちやさん:組織における自分の立ち位置から考えると、「家族に誇れる会社」というテーマを掲げてやっています。社員が家族に「うちの会社だよ」とその良さを語れる、そんな会社を目指している感じですね。

つちやさん:僕の中では「広報」というより「組織翻訳者」という名目でやっているのですが、この役割は広報の枠に閉じず、AI時代だからこそ「組織翻訳者」という存在がこれから大事になってくると思っています。何か新しい領域のものを生み出したいなとは思っていますね。

読者へのメッセージ

つちやさん:時短やタイパという言葉がよく使われますが、どの時代も、遠回りすることが結局は近道だったりすると思っています。僕自身、いろんなツールを毎日ものすごく試していますが、試すからこそ結果的に一番最短で効率的な方法を見つけられるんです。タイパを意識して効率化を測ろうとすること自体は本質としてはいいのですが、結果的にはまず色々なことをやってみる、試してみることで、10試したうちの中から本当に良いものが絞られてくると思います。

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この記事を書いた人

キャリアクラフトは大阪・東京を拠点に20年、人材事業やシステム開発を行ってきたセルバが運営する「新しい働き方を創るメディア」です。
従来の新卒や転職だけでなく、フリーランスやパラレルキャリアなどの新しい働き方や、リモートワークや時短勤務などの新しく浸透しつつある制度について発信しています。
自身のキャリアに迷っている人のお役に立てればと考えています。

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