DX・ITコンサル各社のAIに関するスタンスが気になったのでIR資料からまとめてみた!

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こんにちは、代表の中山です。

DX・ITコンサル各社がAIにどう向き合っているか、個人的に気になったので調べてまとめてみました。
さすがにどこのIT会社もAIには触れていますね。触れていない会社はゼロでした。

自社でAIをどう活用するか迷っている企業の方には参考になると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

目次

攻め型(AIを事業の中心に据える)

エクサウィザーズ(4259/26年3月期通期)

自社を「企業変革を実現するAIを実装する会社」と定義し、「AI is eating Software」を掲げています。
AIプロダクト/サービスの挑戦者として全事業をAIに振り切りしている印象です。

「3P(People/Platform/Product)×フロンティア」戦略で、業界特化の戦略子会社(Exa Frontier Edge=AI駆動開発でSI再定義、ExaMD=医療)を設立。SMFGと53億円超の資本業務提携で50名専任チームも組成しています。

既存プロダクトとしては以下があります。生成AIプロダクト群の売上はYoY+112%。

グロービング(277A/26年5月期通期)

「壊される側から壊す側へ」がスタンス。汎用基盤モデルはコモディティ化すると予測して、Vertical AI(バーティカルAI)に最注力しています。
「Anthropicショック」に言及しAI-PF開発へ先行投資し、31/5期に売上の70%以上をAI関連にする計画です。

経営人材(JI)が企業の経営課題に深く入り込み、そこで得た知見を「意思決定AI」と「暗黙知PF」に蓄積・活用する「経営OS」の構築を進めています。
その実装を担うFDE(Forward Deployed Engineer)を30名から300名へ大幅に拡大する計画に加え、AI企業のM&A・ロールアップを通じて、技術力や人材、プロダクトを取り込み、AI事業の成長を加速させる方針です。

既存プロダクトは以下です。AI関連売上比率は26/5期49%(4Qで58%)。

情報戦略テクノロジー/IST(155A/26年12月期1Q)

「AIの力と人の力を組み合わせ、日本企業が本来持っている成長力を引き出す」ことを目指している企業で、単なるシステム開発会社ではなく、AIを事業の中心に据えた会社へ進化しようとしています
特に今後は、AIの導入・活用とセキュリティ強化を、顧客企業の現場に実装することを成長の柱にする、という方針です。

AI駆動開発を進め、社内ではAI人材を育てる「AIリーダー認定制度」とAI活用力を測る「IST-ARS」を導入し、新卒32名にも入社時から生成AIを使う前提の教育を実施し、全社的にAI活用を標準化。
さらにピープルドットを買収し、データサイエンス・AI領域の専門人材や技術力も強化しています。

既存プロダクトは以下です。厳密に言えば社内施策と子会社であるWhiteBoxのプロダクトですが記載しています。

コンサル/SI型(AIを武器化+需要の追い風)

ベイカレント(FY2027 1Q)

ベイカレントは、今後の成長分野として「企業のDX支援」と「AI活用支援」を特に重視しています。企業のIT・AI投資は今後3〜5年さらに増え、業務効率化や新サービス開発の相談が増えると見ています。
さらに高度な生成AIの普及により、サイバーセキュリティや防衛分野でも新たなコンサル需要が拡大すると考えています。

DX・AI関連の案件を増やし、将来的に売上の50〜60%をこの領域で稼ぐ方針です。そのためIFSジャパンと提携し、製造業などで使う産業用AIに詳しいコンサルタントを200人規模で採用・育成する計画です。
生成AIの大型イベントへの参画や専門人材の採用・育成を進め、AI案件を受けられる体制を強化しています。

AI関連の主なサービスは以下です。
自社AIプロダクトを売るというより、AI戦略・ユースケース創出→データ/AI基盤整備→PoC・開発→導入・全社展開までをコンサル+実装支援するモデルです。

シンプレクス・HD(4373/27年3月期1Q)

シンプレクスは中期経営計画「Vision1000」で、AIを成長戦略の中心に位置づけています
最初の2年間は人材・技術・開発への投資を優先し、後半2年間でAI案件の拡大や生産性向上による利益回収を狙う計画です。
AI投資の費用対効果(ROI)を経営陣が継続的に検証するほど、AIを全社レベルの重要テーマとして扱っています。

2026年4月から、開発や業務の進め方そのものをAI前提の「AI-Native Delivery」へ切り替え、研究開発費を前年の約4倍まで増やし、AI活用に必要な技術・仕組みへの投資を一気に拡大。
AIでどれだけ生産性が上がったかを利用料差し引き後の独自KPIで測り、「本当に利益につながっているか」まで検証しています。

AI関連の主なサービスは以下です。

SHIFT(3697/26年8月期3Q)

SHIFTは、自社を「生成AIネイティブカンパニー」と位置づけ、生成AIを前提とした事業運営を進めています。
生成AIによってシステム開発の量やスピードが増えるほど、不具合や品質リスクを確認するテストの重要性も高まると考えているため、生成AIの普及を脅威ではなく、品質保証・テスト事業を拡大する「強力な追い風」と捉えています

生成AIによって、既存顧客への提案単価を引き上げるだけでなく、これまで人手やコストの制約から受注出来なかった案件にも対応出来るようになります。
さらに、AIを組み込んだ新サービスを提供することで、品質保証の受託にとどまらず、継続的な利用料や追加開発などの収益も見込めます。
こうした取り組みにより、顧客単価、案件数、収益源のいずれも拡大し、従来の延長線ではない成長を目指しています。

AI関連の主なサービスは以下です。

2026年8月期第3四半期累計では、AI関連売上高が約114.1億円まで拡大しています。
AIを単なる社内効率化に使うだけでなく、テスト、システム開発、コンサルティング、AIモダナイゼーションなど、実際に顧客から売上を得る事業へ広げている段階です。

サーバーワークス(27年2月期1Q)

サーバーワークスは、生成AIを中期経営計画の重要テーマの一つに据え、全社員がAIを使いこなす「AIer」になることを目指して、Claude Enterpriseを全社導入し、日常業務や顧客支援でAIを積極的に活用しています。
また、AI利用の効果を独自指標「ROT(Return on Token)」で測り、使ったAIコストに対してどれだけ成果が出たかを管理しています。

Anthropicの正規リセラー契約やラーゲイト社との資本提携を通じて、生成AIの提供・導入支援体制を強化。社内でも、AIで代替出来る業務はAIに任せ、採用人数の増加に頼らず事業を成長させる体制を目指しています。
さらに、AWSトップエンジニア認定のAI分野では国内No.1の実績を持ち、AIとAWSを組み合わせた技術力を強みにしています。

AI関連の主なサービスは以下です。

日本ビジネスシステムズ/JBS(26年9月期上期)

まず自社の全社員が複数の生成AIを日常業務で使いこなすことを重視し、そこで得た活用ノウハウや成功事例を「リアルショーケース」として蓄積し、顧客への提案や導入支援に活かしています
特定のAIだけに依存せず、複数のAIを組み合わせて最適な活用方法を提案出来る会社として事業拡大を目指しています。

AI活用を自社だけで進めるのではなく、各分野に強みを持つ企業との連携を広げています。
アバナードとはAIエージェントの導入やガバナンス整備、さくらインターネットとは行政・公共分野のクラウド活用を推進しています。
dynabookとはAI学習コンテンツの提供で連携し、企業・行政のAI導入から人材育成まで支援範囲を拡大しています。

AI関連の主なサービスは以下です。

ソルクシーズ(4284/26年12月期1Q)

ソルクシーズは、AIをDX事業を伸ばすための重要な成長ドライバーと位置づけています
今後、企業でAI活用が本格化すると見て、AIを使ったシステム開発や業務改善の需要拡大を見込んでいるため、事業拡大に必要なAI人材の育成・確保を重要な経営課題として取り組んでいます。

社内外で使える生成AIプラットフォームの開発を進め、AIを業務に組み込むための基盤づくりを行っています。
社内でAI活用コンテストを開催するなど、社員が実際にAIを使い、活用アイデアを生み出す取り組みも進めています。
自社のクラウドサービスにも生成AI機能を追加し、既存サービスの付加価値向上と新たな収益機会の創出を目指しています。

AI関連の主なサービスは以下です。

ノースサンド(446A/27年1月期1Q)

ノースサンドは、情報整理やデータ処理などAIで代替しやすい業務はAIに任せる方針である一方で、顧客との信頼関係や複雑な背景理解、最終判断など、責任の大きい仕事は人が担うべきだと考えています
AIの普及をコンサルタントの仕事を奪う脅威ではなく、より高度なコンサルティング需要を生む追い風と捉えています。

社内では生成AIの活用を一部にとどめず、9部門まで導入を広げる計画を進めると同時に、AI時代でも価値を発揮出来るコンサルタントを育てるため、採用・教育などの人的資本投資も継続しています。
AIによる業務効率化と人材への投資を並行して進め、AIと人の両方を活かす組織づくりを目指しています。

既存のコンサルティングの中に生成AI支援を組み込んでおり、以下の実績があります。

フューチャー(4722/26年12月期1Q)

フューチャーは、AIを単なる業務効率化ツールではなく、経営・業務・システムそのものを変える中核技術と位置づけています。
自社のシステム開発にもAIを全面的に取り入れ、2027年までに開発生産性を従来の3倍にすることを目標にしています。
AIで生まれた余力を人員削減ではなく、より多くの大規模・高難度プロジェクトを受注するために使う考えです。

AIへの投資を強化しており、2026年1Q説明会を基にした公開情報によると、今期のAI関連投資を前期比で倍増させる方針が示されています。
当初はプログラミングなど「開発工程」でのAI活用を中心に進めていましたが、現在は設計情報の作成・管理から開発、レビュー、テストまでAIを使う体制へ拡大しています。
2026年6月にはこの「AI駆動開発」を複数プロジェクトへ本格展開しており、設計・開発プロセス全体のAI化を進めています。

AI関連の主なサービスは以下です。

守り訴求型(”AIに代替されにくい”を強調)

マネジメントソリューションズ/MSOL(7033/26年12月期1Q)

情報収集・分析・定型処理などAIが得意な仕事はAIに任せるべきだと考えている一方、利害関係者との調整、意思決定、合意形成など、人の感情や責任を伴う「プロジェクトをやり切る仕事」は人間に残るとしています。
そのためPMOを「AIに浸食されない将来有望なビジネス」と位置づけ、AI普及をPMO市場拡大の追い風と捉えています。

これまで開発・投資を進めてきたAIツールを、実際に顧客へ提供して収益を得る「事業化フェーズ」へ移行しており、PROEVERでは2026年7月に「AIワークフロー」を正式提供し、PMOのチェック・分析・レポート作成などをAIで自動化出来るようにしました。
また子会社MSOL Digitalでは、AIを活かしたデータ分析・データ統合基盤の構築を強化し、2026年2Qの売上高は前年同期比+24.7%と成長しています。

AI関連の主なサービスは以下です。

グローバルセキュリティエキスパート/GSX(4417/27年3月期1Q)

AIの普及を自社への脅威ではなく、セキュリティ需要を拡大させる「構造的な成長ドライバー」と捉えています。
AIによってサイバー攻撃が高速化・巧妙化する一方、企業側にもAIの誤用・情報漏洩・ガバナンスなど新しいリスクが生まれるため、専門家への需要はむしろ増えると考えています。
脆弱性診断で発見作業の一部はAI化出来ても、どの脆弱性を優先し、どう対策するかの判断には人間の専門家が必要という考えです。

「2026年度上期中に全社員がAIを使いこなす」ことを目標に、AI推進チームを組成し、AI利用ルールや社内スキル基準も整備しています。
2026年6月には全社員へClaudeライセンスを配布し、社員全員がAIスキルの基礎テストにも合格。今後は外部研修や実務でのAI利用をさらに広げるとのことです。
また、AI・セキュリティ開発に強いCoWorkerと戦略的業務提携し、新しいAIサービスの開発スピードを高めています。

AI関連の主なサービスは以下です。

ボードルア(4413/27年2月期1Q)

ボードルアは、アプリ開発などと比べて、ネットワークやサーバーなどのITインフラ業務は生成AIに代替されにくいと考えています。
AIはコード生成では大きな力を発揮する一方、ITインフラではログ解析やツール作成など、人間の仕事を補助する用途が中心という位置づけです。
そのため、AIそのものを新たな成長軸にするより、「AIが普及しても本業の需要は残る」という事業の耐性を強みとして訴求しています。

現時点では、全社AI化、AI人材育成、生成AIへの大型投資といった明確なAI戦略は公表されていませんが、M&A戦略では、買収候補の一つとして「ITインフラと親和性の高いAI・IoT・DX企業」を挙げており、将来的にM&AでAI領域を取り込む可能性を示しています。
ただし、2026年2月期2Qから連結した3社についてはAI企業ではなく、若手人材を中心としたITサポート企業であり、現状のM&AもAIを最優先しているわけではありません。

AI関連の主なサービスは以下です。
AIを売る会社というより、AI時代でも代替されにくいITインフラ専門会社であることを強みにしています。

まとめ

今回各社を見比べてみて共通していたのは、AIを単なる業務効率化ツールとして見る段階はすでに終わりつつあることです。
AIそのものを主力事業へ育てようとする企業もあれば、AIによって既存事業の案件数や単価、生産性を高めようとする企業もありますし、「AIに任せる仕事」と「人間に残る仕事」を明確にし、自社事業の強みを再定義している会社もありました。

個人的に印象的だったのは、AIによって人が不要になると考えている会社がほとんどなかったことです。
むしろ、情報処理や開発作業の一部をAIに任せることで、人は顧客との調整、意思決定、設計、企画といったより付加価値の高い仕事へ移っていく、という見方が主流でした。

今後は「AIを導入しているか」ではほとんど差別化にならず、AIによって実際にどれだけ生産性を上げられるか、どれだけ新しい売上を作れるか、そしてAIでは代替出来ない自社の強みをどこに置くかが、IT・コンサル企業の競争力を左右していきそうです。

AI関連の取り組みは今後もかなり速いペースで更新されると思うので、各社の決算資料や新サービスについては引き続き追っていきたいと思います。

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中山 健のアバター 中山 健 代表取締役

株式会社セルバ代表取締役。
学生時代にアルバイトでWEB製作会社に入りプログラムを覚える。大学卒業後SIerにて金融システムの開発に携わった後、再びWEB業界へ。

WEB系のプログラム言語とサーバー構築、さらにはCOBOLも出来ます!
最近ではシステム開発だけでなく、SEOやマネタイズなどのグロースハックや企画を担当する事が多いです。

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