30年後に不足するものを考えたら、次のビジネスチャンスが見えた

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こんにちは。代表の中山です。
先日、起業家団体EOの研修でインドを訪れました。

インドに行って強く感じたのは「不足の分かりやすさ」です。
6月の気温は43度を超え、道路は渋滞し、インフラも発展途上の部分が多く残っています。

経営者の視点で街を見ると、「クーラーがもっと普及したら」「道路が整備されたら」と、成長の余地が次々に見えてきます。

インド研修で行ったブッダガヤの菩提樹

一方、日本に帰ってくると、水も電気も道路も通信も当たり前に整っています。
多くの課題がすでに解決されているからこそ、「次に何をすれば成長できるのか」が見えにくい。

この違いこそが、日本とインドの成長余地の差であり、これからのビジネスを考える上で重要な視点なのではないかと思いました。

目次

日本はなぜ成長が難しくなったのか

昔の日本は不足だらけだった

日本が大きく成長した時代を振り返ると、そこには分かりやすい「不足」がありました。

戦後から高度経済成長期にかけて、日本では家電、自動車、住宅、道路、鉄道など、生活を豊かにするものが圧倒的に足りていませんでした。
冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビは「三種の神器」と呼ばれ、その後はカラーテレビ、クーラー、自動車が「3C」として普及していきました。
松下電器(現在のパナソニック)やソニー、日立、東芝といった企業は、まさにこの不足を埋めることで成長していきました。

自動車も同じです。トヨタ、日産、ホンダ、スバルなどは、「車を持ちたい」という人々の需要を受けて成長しました。

不足を埋めるだけで経済成長できた時代

当時のビジネスは、今よりも成長の方向性が分かりやすかったです。

洗濯が大変なら洗濯機を作る。
食材を長持ちさせたいなら冷蔵庫を作る。
移動を便利にしたいなら車を作る。都市に人が集まれば団地や住宅を作る。

もちろん企業努力や技術開発は必要です。
しかし、社会の側に明確な不足があったため、良いものを作れば売れ、改善すれば生活が豊かになる時代でした。

不足があるところに需要があり、需要があるところに企業の成長がありました。

今の日本は多くの課題が解決されている

一方で、今の日本はどうでしょうか。

蛇口をひねれば安全な水が出る。
電気は安定している。
道路も鉄道も整備されている。
スマートフォンがあれば、どこでも通信出来ます。

もちろん課題がなくなったわけではありません。
最近も埼玉県八潮市の道路陥没事故のように、老朽化したインフラの問題はニュースになっています。
水道管、道路、橋、トンネルなど、維持管理の課題はこれからさらに大きくなるはずです。

ただし、これは「何もないから作る」という成長ではありません。
すでにあるものを維持し、更新し、壊れないようにする成長です。

日本は「不足が見えない国」になった

インドでは、不足が目に見えました。
暑さ、道路、電力、物流。
何が足りないのかが分かりやすい。

日本は多くの不足をすでに埋めてきました。
だからこそ、次に何をすれば大きく成長できるのかが見えにくくなっています。

日本が成長出来ないのではありません。
ただ、昔のように「足りないものを作れば売れる」という時代ではなくなりました。

これからの日本で必要なのは、目に見える不足ではなく、見えにくい不足を見つける力です。

30年後の日本で不足するもの

若い労働力が足りなくなる

30年後の日本で、まず不足するのは若い労働力です。

人口減少はすでに始まっていますが、問題は単に人口が減ることではありません。
働く世代が減り、高齢者の割合が高くなることです。
企業にとっては、採用できない、現場が回らない、管理職候補が育たないという問題が起きます。

すでに物流業界では「2024年問題」が話題になりました。
ヤマト運輸、佐川急便のような物流企業だけでなく、建設、飲食、製造、ITなど、あらゆる業界で人手不足は深刻化しています。

今後伸びるのは、人材紹介、外国人雇用支援、業務自動化、AIによる採用・教育支援のようなビジネスです。
人が足りない時代には、「人を増やせている」か「人が少なくても回る仕組みを作る」会社が強くなります。

介護人材が足りなくなる

次に不足するのが介護人材です。

高齢化が進めば、介護サービスの需要は増えます。
しかし、介護をする側の人材は簡単には増えません。
介護施設を作っても、働く人がいなければサービスは提供出来ません。

SOMPOケア、ニチイ学館のような大手介護事業者でも人材確保は大きな経営課題です。

今後は、介護ロボット、見守りセンサー、介護記録の自動化、在宅介護支援などがさらに重要になります。
介護業界では、単に施設数を増やす会社よりも、人手不足を技術で補える会社が勝つのではないでしょうか。

インフラ維持人材が足りなくなる

日本は、道路、橋、トンネル、水道、鉄道などのインフラが整った国です。

しかし、これからは「作る時代」ではなく「守る時代」になります。
高度経済成長期に作られたインフラは老朽化し、点検・補修・更新が必要になります。

最近も道路陥没や水道管の老朽化がニュースになりますが、これは一部の地域だけの問題ではありません。
特に地方では人口が減る一方で、広い範囲のインフラを維持し続けなければいけなくなります。

ここでは、ドローン点検、AI画像診断、センサー監視、自治体向けDXなどにチャンスがありますね
建設会社だけでなく、IT企業にも大きな市場が生まれます。

後継者が足りなくなる

もう一つ大きいのが、後継者不足。

中小企業には、黒字でも後継者がいないために廃業を選ぶ会社もあります。
技術、顧客、社員、地域での信用があるにもかかわらず、引き継ぐ人がおらず会社が消えます。

日本M&Aセンター、M&AキャピタルパートナーズのようなM&A仲介会社が伸びてきた背景にも、この事業承継問題があります。

30年後には、会社を作る力だけでなく、既存の会社を引き継ぎ、再生し、成長させる力がより重要になります。

子どもが足りなくなる

最後に、最も根本的に不足するのは子ども。

出生数の減少が続けば、子どもは社会にとって希少な存在になります。
教育市場は人数だけで見ると縮小しますが、1人の子どもにかけるお金や期待は大きくなる可能性が高いです。

ベネッセ、リクルート、学研、Z会、スタディサプリのような教育関連企業は、単なる一斉教育ではなく、個別最適化、探究学習、AI教材、受験支援などへ進んでいくはずです。

これからのビジネスチャンスは「足りない人をどう補うか」に集約されていくのではないでしょうか。

世界で不足するもの

インド研修で行ったガンジス川

電力が足りなくなる

世界で今後最も不足するものの一つが電力。その大きな理由がAIです。

ChatGPTをはじめとする生成AIの普及により、世界中でデータセンターの建設ラッシュが起きています。
マイクロソフト、グーグル、アマゾン、メタなどの巨大IT企業は、数兆円規模の投資を続けています。

しかし、データセンターは巨大な電力消費装置でもあります。
実際にアメリカでは、データセンター向け電力需要の急増がニュースになっています。
AIが進化するほど計算量は増え、電力需要も増え続けます。
日本でも1月に上場した蓄電器メーカーのパワーエックスが大きく株価を上げています。

30年後には「AIが賢いかどうか」よりも、「AIを動かす電力を確保できるかどうか」が重要になっていきます。

半導体が足りなくなる

AI、自動運転、ロボット、スマートフォン。
これらに共通して必要なのが半導体です。

2020年頃には世界的な半導体不足が発生し、自動車メーカーが減産に追い込まれました。
たった一つの部品が足りないだけで工場が止まることを世界中が経験しました。

現在も、エヌビディア、TSMC、AMDなどの企業がAIブームの中心にいたり、日本でもTSMCの熊本工場建設が大きなニュースになったりと、半導体の需要は高まっています。

かつて石油が産業の中心だったように、これからは半導体が経済活動の基盤になります。
半導体そのものだけでなく、製造装置の東京エレクトロンやアドバンテスト、材料メーカーなども引き続き重要な存在になります。

水が足りなくなる

日本にいると実感しにくいですが、水不足は世界的な課題です。
中東やアフリカだけでなく、アメリカ西部、中国北部、インドでも水不足が問題になっています。

気候変動によって降雨パターンが変化し、干ばつと洪水が同時に増えています。
人口増加も重なり、「水を確保できる国」と「できない国」の差は今後さらに広がるでしょう。その結果、海水淡水化や浄水技術、水インフラ管理などの市場は拡大していきます。

日本企業では栗田工業やオルガノなどが強みを持つ分野でもあります。

冷却技術が足りなくなる

今回インドを訪れて感じたのは、「暑さ」が経済活動に与える影響の大きさです。

6月の気温は43度を超え、外を歩くだけで体力を消耗します。
この暑さはインドだけの問題ではありません。ヨーロッパでも熱波が頻発し、中国やアメリカでも記録的な高温が続いています。

AI用データセンターも大量の熱を発生させます。
人間もコンピューターも冷やさなければならない時代が来ているのです。

実際に空調大手のダイキン工業はインド市場で大きく成長しています。

30年後には「冷やす技術」が今以上に重要なインフラになります。

鉱物(レアアース等)が足りなくなる

電気自動車、蓄電池、再生可能エネルギー。
これらの普及によって需要が急増しているのが希少資源です。

代表的なのは銅、リチウム、ニッケル、コバルト、レアアースです。

例えば電気自動車はガソリン車より大量の銅を使用します。
蓄電池にはリチウムが欠かせません。
そのため各国は資源確保を国家戦略として進めています。

中国はレアアースで強い影響力を持ち、アメリカや欧州は供給網の再構築を急いでいます。

今後は資源を持つ国が強いのではなく、資源を安定的に確保できる国や企業が強い時代になります。

世界は「不足との戦い」を続けている

日本では不足が見えにくくなっていますが、世界に目を向けると話は違います。

電力、半導体、水、冷却技術、希少資源。
どれも今後30年で需要が増える一方のものばかり。
そして興味深いのは、それらの多くがAIや人口増加、気候変動によってさらに不足していくことです。

未来のビジネスチャンスを探すなら、「何が流行るか」を考えるよりも、「何が足りなくなるか」を考える方が、本質的な課題解決になります。

不足を見つけた人が次の時代をつくる

商売の本質は不足を埋めること

商売の本質は昔から変わりません。不足を埋めることです。

トヨタが成長したのは移動手段が不足していたから。
パナソニックやソニーが成長したのは家電が不足していたから。
今、エヌビディアが急成長しているのはAIの計算能力が不足しているからです。

不足があるからお金が払われ、課題があるから企業が生まれます。

日本は「不足が見えにくい国」になった

既に日本は、水、電気、道路、通信など多くの課題を解決してきました。
その結果、現在の課題は「人材不足」「生産性向上」「地方創生」のように複雑で見えにくくなっています。
昔のように、足りないものを作れば成長出来る時代ではありません。

だから海外を見る価値がある

今回訪れたインドでは、空調、物流、インフラなどの不足が目に見えました。
東南アジアでは中間層の拡大、アフリカでは人口増加が続いています。

実際にダイキンはインドで成長し、マイクロソフトやグーグルも新興国への投資を続けています。

何を不足として捉えるべきか

未来予測は外れます。しかし不足は必ず存在します。

経営に必要なのは、未来を当てることではなく、「次に不足するものは何か」を考え続けることです。
その不足を誰よりも早く見つけた人が、次の時代の事業を作ります。

まとめ

30年後の世界を正確に予測することは誰にも出来ません。
実際、多くの未来予測は外れてきました。

しかし、「何が不足するのか」を考えることには意味があります
人手不足、電力不足、水不足、後継者不足。

商売の本質は不足を埋めることです。
未来の成功者は未来を当てた人ではなく、人より早く不足を見つける人です。

今回のインド訪問で感じたのは、不足が見える国の強さでした。
そして日本では、その不足が見えにくくなっています。

これからの経営者に必要なのは未来予測ではなく、「次の不足は何か」を考え続けることなのではないでしょうか。

※ このブログは創業23年のWeb企業「セルバ」が運営しています。
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中山 健のアバター 中山 健 代表取締役

株式会社セルバ代表取締役。
学生時代にアルバイトでWEB製作会社に入りプログラムを覚える。大学卒業後SIerにて金融システムの開発に携わった後、再びWEB業界へ。

WEB系のプログラム言語とサーバー構築、さらにはCOBOLも出来ます!
最近ではシステム開発だけでなく、SEOやマネタイズなどのグロースハックや企画を担当する事が多いです。

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