料理ポータルサイトを構築する前に~コンセプト設計について解説~




こんな料理作ってみたいな



もうすぐ誕生日パーティだからケーキ作ろうっと!
などと思った時に便利なのが『料理ポータルサイト』。
料理情報はもちろん、多様な検索機能や口コミなど、さまざまな機能が求められます。
では、そんな『料理ポータルサイト』の現状と課題は何でしょうか?
また、サイト運営を成功させるためには、どのようなコンセプト設計を行えばいいのでしょうか?
20年以上ポータルサイト構築に携わる弊社の目線で、サイト構築についてはもちろん、成功事例や運用方法などを解説していきます。弊社で制作を行う場合の費用なども記載していきますので、良かったら参考にしてくださいね。
料理ポータルサイトとは?


まずは料理ポータルサイトの定義から見ていきましょう。
料理ポータルサイトの定義
料理ポータルサイトとは、レシピを軸に、食に関わる多様な情報や体験を一元的に提供するウェブメディアのことです。
料理の作り方やコツ、食材の知識、献立提案などを掲載し、日常的な“料理に関する悩みや関心”に寄り添った発信をするものが多く存在します。
最近では、検索性の高いレシピだけでなく、動画や写真で直感的に伝える機能や買い物リスト、SNS連携なども備え、情報プラットフォームとしての価値が高まっています。
食品メーカーであれば、サイト内で自社製品を使ったレシピを提案することで、購買促進や商品理解につなげることができるので、ブランド認知にも効果的です。
料理研究家や教室主宰者にとっては、ファンに向けて世界観を発信したり、講座や書籍への導線を作ったりするツールとしても活用できます。
単なるレシピ集ではなく「食をどのように伝え、魅せるか」が各料理ポータルサイトの特徴にも現れます。
近年の食品市場や料理教室市場 変化と課題
近年、日本の食品市場および料理教室市場は、社会構造や消費者ニーズの変化に伴い、大きな転換期を迎えています。
こちらのデータをご覧ください。


このグラフの通り、日本ではこの10年で350万人もの人口が減少していることがわかります。
特に2019年からの減少率が高く、急降下していっているのがわかりますね。
これにより、少子高齢化がどんどん進み、人口減少が進行していっていると言えます。
そんな中、食品業界では少子高齢化や人口減少により市場の縮小が進行し、加えて原材料費の高騰や人手不足、低い利益率といった課題がどんどん浮き彫りになっています。
これにより、食品業界に携わる企業は生産性向上やコスト削減、持続可能な供給体制の構築を迫られています。
一方、料理教室市場では、コロナ禍を契機にオンラインレッスンの需要が拡大し、対面とオンラインのハイブリッド型サービスが増加しています。
また、健康志向や食育への関心の高まりから、オーガニックや特定の栄養ニーズに対応した専門性の高い教室が注目を集めています。
しかし、レシピサイトや動画コンテンツの普及による競争激化も課題となっています。
料理サイトを新しく立ち上げる際に考えておきたいこと


もうすでに世の中に数多くの料理ポータルサイトが立ち上がっていますが、現状としてはどのような課題があるのでしょうか? 料理ポータルサイトが抱える問題点や、解決方法について見ていきましょう。
料理ポータルサイトが抱える問題点
では、そんな市場変化の中、料理ポータルサイトはどんな課題に直面しているのでしょうか?
以下の5つの課題に分けられます。
- 差別化の難しさ
- ユーザーの定着率の低さ
- 信頼性と質のばらつき
- マネタイズの難しさ
- SEO競争・SNS流入の不安定さ
①差別化の難しさ
- レシピそのものは他サイトでも似たような内容が存在しやすく「どこも同じに見える」
- 新規サイトは既存の大手(クックパッド、クラシルなど)と比べて独自性を出すのが難しい
- 「動画でわかりやすい」「時短レシピ特化」なども、すでに先行事例が多い
料理ポータルサイトは、クックパッドやクラシルなど大手がすでに大量のレシピを網羅しており、新規サイトがオリジナリティを打ち出すのが難しいという課題を抱えています。
例えば「ハンバーグ 作り方」と検索すると、内容が似通ったものが多いため、ユーザーからは「どのレシピを参考にしたらいいかわからない」、「どこも同じに見える」と捉えられがちです。
動画付き、時短、冷凍保存可といった切り口も、既に多数の競合が展開済みです。
そのため、独自の世界観や食材へのこだわり、レシピ以外の体験価値を明確に打ち出して差別化することが求められています。
②ユーザーの定着率の低さ
- 一度レシピを見たら再訪しないユーザーも多く、リピーター獲得に苦戦しやすい
- サイトのブックマークやアプリインストールをしてもらうためのハードルが高い
- ユーザーは自身の目的のために検索するため、単発閲覧で終わる傾向が強い
料理ポータルサイトは、多くの場合「レシピを一度検索して終わり」という使われ方をされやすく、ユーザーの定着率が課題となります。
例えば、ハンバーグの作り方を検索して訪問したユーザーが目的のレシピを見つけたとしても、調理後には再訪しないケースが非常に多いため、継続的なアクセスにつながりにくい傾向があります。
アプリを通じて献立提案や買い物リスト機能を提供しているサイトは比較的リピート率が高いものの、それでも日常的な利用につなげるには「毎日の料理を楽にする」などの明確な価値提供をし続けることが必要となります。
定着を促すには、“ユーザーを育てる体験型設計”への転換が求められます。
③信頼性と質のばらつき
- ユーザー投稿型レシピは手軽だが、調理手順の正確さや味の保証がない
- 専門家監修のレシピは信頼性が高いが、ユーザーによって権威性の感じ方が違う
料理ポータルサイトでは、掲載しているレシピや情報において、信頼性や質にばらつきが生じやすいという課題があります。
例えば「ハンバーグの作り方」についてのレシピ一つにおいても、主婦や料理専門家などが投稿することで多様なレシピが集まる反面、「味が薄い」、「レシピの手順が分かりにくい」、「加熱時間が足りない」など、ユーザーの味覚や理解力などに合った情報かどうかは別問題となります。
また、専門家監修と謳っていたとしても、その権威性の感じ方はユーザーによって大きく異なり、「有名だから信頼できる」や「資格取得者だから信頼できる」といった信頼の線引きが、特に料理においては曖昧なケースも多いのではないでしょうか。
信頼性の確保と継続的なコンテンツ供給をどう両立するかが今後の課題です。
④マネタイズの難しさ
- 広告収益モデルに依存する場合、レシピの質向上よりクリック狙いに傾きやすい
- サブスクやEC連携などの収益モデルを導入しても、ユーザーの課金意欲が低く成果に繋がりにくい
料理ポータルサイトは多くが無料で利用されるため、収益化の仕組みづくりに苦戦しやすいのが実情です。
例えば、『クックパッド』はかつてプレミアム会員制度で収益を上げていましたが、プレミアム会員の減少や広告事業の廃止などにより2024年度の売上収益が減少しました。
一方、『クラシル』などは企業とのタイアップ動画やEC連携での送客など、多角的なマネタイズを試みていますが、特定企業への依存傾向が強くなってしまいます。
そうなると、広告主の予算変更により収益が大きく変動してしまったり、コンテンツの自由度が制限されて「競合商品は扱わないでほしい」などの広告主からの要望を受けざるを得なくなったりして、経営的観点からも、コンテンツの質という観点からも収益化が困難になってしまう恐れがあります。
ユーザーからの直接課金を得るのが一番安定した収益を得られる方法ではあるのですが、どうやってユーザーに“課金するほどの価値”を感じてもらえるかが収益化における大きな課題です。
参考:2024年12月期決算説明会資料|クックパッド株式会社
参考:2025年3⽉期 第3四半期決算説明資料|dely株式会社(クラシル運営会社)
⑤SEO競争・SNS流入の不安定さ
- 代表的な検索キーワードは既に大手が上位独占しており、SEOでは新規参入が難しい
- InstagramやYouTubeなどSNSでの拡散を行っても、サイトのユーザー獲得には繋がらない可能性がある
料理ポータルサイトは、差別化の難しさからも言える通り、サイトのユーザー獲得が難しいのが大きな課題です。
ポータルサイトでは、SEO対策として検索ワードを意識することが多いです。
しかし、「○○ 作り方」や「○○ レシピ」といった検索ボリュームの多いキーワードは、大手サイトが検索上位に上がりやすく、サイトへの信頼性も高いため、SEOでの新規参入は非常に困難を極めます。
また、SNSからの流入に頼る場合、InstagramやTikTokで一時的に話題になっても、各SNSでのフォロワーが増えるにとどまり、わざわざサイトを訪れて有料で会員登録をするというハードルはどうしても高くなってしまいます。
検索順位などのSEO対策やSNSに依存しない導線設計が課題と言えるでしょう。
コンセプト設計を行うには


では実際にポータルサイトのコンセプト設計を行うために必要な要素を分析していきます。
何よりもまず必要なのは、競合他社分析ですね。
競合となる代表的な料理ポータルサイト
クックパッド


引用元:クックパッド
『クックパッド』は、誰でも気軽にレシピを投稿・検索できる、日本最大級の料理サイトです。
家庭で作りやすいレシピをたくさん紹介しており、プロのレシピではなく、ふだん料理をする人たちのリアルなアイデアが集まっていることが強みのサイトです。
収益面では、「プレミアム会員(月額課金)」が中心で、主な利用者は家庭で料理をする主婦層や共働きの方、料理を始めたばかりの初心者など幅広いターゲットが対象となっています。
「つくれぽ」という機能で自分の作った料理を投稿したり、他の人の工夫を見て学べたりと、ユーザー同士で交流も楽しめます。
クラシル


引用元:クラシル
『クラシル』は、日本最大級のレシピ動画プラットフォームで、料理初心者から忙しい家庭まで幅広い層に支持されています。
さらに2020年から、チラシを見て食材からレシピを閲覧できるサービス「クラシルチラシ」も展開し、店舗販促のデジタル化にも貢献しています。
収益化の面では、主に広告収入を柱としており、企業とのタイアップ動画や、アプリ内広告、SNSを活用したプロモーションなど、多角的な広告展開を行っています。
主なターゲットは、20代~40代の女性を中心とした共働き世帯や子育て中の家庭です。
1分前後で視聴可能な「公式レシピ」によるレシピ動画や、写真やショート動画による「みんなのレシピ」の投稿で、手軽にレシピを楽しめるサイトです。
楽天レシピ


引用元:楽天レシピ
『楽天レシピ』は、レシピ投稿型の料理ポータルサイトで、最大の特徴は、ユーザーが投稿したレシピを見て実際に料理を作り「つくったよレポート」を送ると、投稿者・報告者の両方に楽天ポイントが付与される仕組みがあることです。
これにより、利用者は料理を楽しみながらポイントも貯められるという独自のメリットがあります。
収益面では、楽天経済圏との連携によるユーザーの囲い込みや広告掲載、メーカーとのタイアップレシピによるプロモーションなどが主な収益源となっています。
ターゲットは、20代〜50代の主婦層や楽天市場の利用者が中心です。
特に、楽天会員として既にポイントサービスに親しんでいるユーザーとの親和性が高く、楽天の生活関連サービスとの連携も強みの一つです。
競合サイトのアクセス分析
競合サイトのアクセス分析をするのに便利なのが、『SimilarWeb』というツールです。


引用元:https://www.similarweb.com/
『SimilarWeb』に競合サイトのURLを入力すると、検索ランキング・訪問者数・平均滞在時間・平均PV・平均直帰率などがわかります。
また、流入経路も調べることが可能で、SNS・インターネット広告・検索エンジン・直接アクセス(ブックマーク・お気に入り)など、どこから流入しているのかが詳しくわかるため、集客の参考になるでしょう。
競合となる料理ポータルサイトのアクセスを分析
実際に『SimilarWeb』を使って、料理ポータルサイトのアクセスを分析してみましょう。
例として、下記3サイトのアクセスを分析しました。
※分析結果は2025年5月時点のデータです。現在のデータとは異なる場合がありますのでご了承ください。
E・レシピ


引用元:https://erecipe.woman.excite.co.jp/
『E・レシピ』は、「愛あるセレクトをしたいママのみかた」をコンセプトに、料理研究家や管理栄養士などの専門家によってレシピが開発されており、味の確かさと栄養バランスを兼ね備えたレシピ内容が特徴です。
収益化の面では、サイト内での広告掲載などが主な収益源となっています。
ターゲットは、特に子育て中の20代~40代の女性が中心で、毎日更新される「一週間の献立」や、季節の食材を活かした特集、10分以内で作れるレシピなど、忙しい日常でも手軽に美味しい料理が作れるよう工夫されています。
直近3ヶ月間の合計訪問者数 | 3,009,000 | |
月間セッション数 | 1,033,000 | |
月間ユニーク訪問者数 | 612,881 | |
平均滞在時間 | 00:02:11 | |
ユーザー1人あたりの平均PV数 | 2.08 | |
直帰率 | 69.57% | |
主な流入経路 | オーガニック検索 | 58.48% |
ダイレクト(直接アクセス) | 31.13% | |
リファラル(他サイトからの流入) | 9.08% | |
主な検索ワード | 今日の献立 | |
納豆 酢 | ||
マシュマロ 作り方 |
レシピブログ


引用元:https://www.recipe-blog.jp/
『レシピブログ』は料理ブログのポータルサイトで、個人の料理ブロガーが投稿するレシピや料理記事を集約しています。
ユーザーが自身のブログを登録し、レシピや料理に関する情報を共有できる仕組みを提供しています。
収益化の面では、サイト内での広告掲載が主な収益源となっています。
また、モニターコラボやお仕事・取材依頼の窓口を設けることで、料理ブロガーと企業をつなぐプラットフォームとしての役割も果たしています。
ターゲットは、料理やレシピの情報を発信したい個人の料理ブロガーや、日々の献立に役立つレシピを探している一般のユーザーです。
サイト内では、人気レシピのランキングや季節の食材を使った特集、料理コラムなど、多彩なコンテンツが展開されており、ユーザー同士の交流も活発です。
直近3ヶ月間の合計訪問者数 | 7,414,000 | |
月間セッション数 | 2,471,000 | |
月間ユニーク訪問者数 | 1,628,000 | |
平均滞在時間 | 00:01:01 | |
ユーザー1人あたりの平均PV数 | 1.61 | |
直帰率 | 66.21% | |
主な流入経路 | オーガニック検索 | 56.26% |
ダイレクト(直接アクセス) | 29.58% | |
リファラル(他サイトからの流入) | 3.83% | |
主な検索ワード | 肉のハナマサ 買ってはいけない | |
カップ焼きそば アレンジ | ||
ささみ 筋 取らない |
音でみるレシピ SOUNDFUL RECIPE


引用元:https://www.ajinomoto.co.jp/event/otodemirurecipe/
『音でみるレシピ SOUNDFUL RECIPE』は 味の素株式会社が提供する、視覚障がい者をはじめとする多様なユーザーが料理を楽しめるよう設計されたレシピサイトです。
このサイトは、“音声読み上げ機能”が読み間違えることのないように最適化されており、視覚に頼らずに料理ができるよう工夫されています。
具体的に言うと、読み上げ時に誤解を招く可能性のある漢字をひらがなに変換したり、「きつね色」といった視覚的な表現を音や触感で伝える表現に置き換えるなど、視覚障がい者の方々が理解しやすいよう配慮されています。
天ぷらが揚がる音の変化など、音を通じて調理の進行を感じ取れる情報も提供されています。
料理大好きな全盲のみきさんの声で、料理を音で楽しむポイントやサウンドコラムも紹介されています。
直近3ヶ月間の合計訪問者数 | 40,880,000 | |
月間セッション数 | 13,620,000 | |
月間ユニーク訪問者数 | 8,047,000 | |
平均滞在時間 | 00:01:31 | |
ユーザー1人あたりの平均PV数 | 1.78 | |
直帰率 | 72.43% | |
主な流入経路 | オーガニック検索 | 59.47% |
ダイレクト(直接アクセス) | 33.39% | |
リファラル(他サイトからの流入) | 5.38% | |
主な検索ワード | お好み焼き レシピ | |
親子丼 レシピ | ||
小松菜 おひたし |
成功する料理ポータルサイトの特徴
以上のように人気の料理ポータルサイトを見ていくと、以下のような共通点があることがわかります。
- ターゲットを明確に決め、そのニーズに合わせた情報提供を行っている
- コンセプトをはっきりと決め、それに合った情報のみを絞って提供している
- 写真などを使って情報を伝えやすく工夫されている
もちろん料理ポータルサイトは他にも多数存在するため一概に言えない部分もありますが、月間何万人ものユーザーに利用されるポータルサイトは、ユーザーにとって良質な情報(信頼できるレシピやサクッと閲覧できるレシピ など)を提供しているサイトであることがわかります。
具体的にコンセプト設計をする方法
これらを踏まえて、コンセプト設計を細かく行っていきます。
新規でポータルサイトを立ち上げる場合、一般的には下記のように考えられることが多いです。
- 「誰に」情報を届けたいのか
- 「どんな価値を」届けられるのか
- 「どういう形で」その価値を届けたいのか
それらを設定することで、サイト内で一貫した発信を行うことができ、選ばれるサイトになっていきます。
具体例を見ていきましょう。
具体例①
誰に:アレルギーを持つ子どもを育てる家庭
どんな価値を:安心して食べられるレシピの選択肢を広げる
どういう形で:アレルギー表示に関する豆知識やアレルギー程度によって食べられる料理の検索、外食時に参考になるアレルギー対応メニューの公開など
⇒ コンセプト:「みんなと同じごはんが、笑顔になる。」
具体例②
誰に:料理初心者の高齢者や一人暮らしのシニア層
どんな価値を:手軽に、栄養バランスの取れた料理ができる安心感
どういう形で:大きな文字・読み上げ対応のUI+簡単調理レシピ動画
⇒ コンセプト:「ちゃんと食べたいけど無理したくない、ひとりごはん応援レシピ」
このように、自社でのコンセプトをしっかりと決めて、一貫した情報提供ができるように心がけましょう。
そうすれば、サイトへの信用性が高まり「こういう時はこのサイトを見てみよう」と選ばれるようになっていきます。
サイト構築の前に考えておきたい6つのこと


では、ポータルサイトを構築する前にどんなことを考えておく必要があるのかを整理していきましょう。
- リサーチをする
- サイトの目的を明確にする
- 具体的にターゲットを決める
- 差別化する方法を考える
- どんなコンテンツを揃えるか考える
- コンテンツから必要な機能を考える
リサーチをする



今ある料理サイトよりも、もっと一貫した、信頼性のある情報を世の中に広めたい!



自社の料理教室やサービスをより多くの人に提供するために、潜在顧客と出会える場所を作りたいなあ。
料理ポータルサイトを立ち上げたい理由には、このような例があるかと思います。
しかし、いきなり何も調べずにコンテンツを組み立てていくのはオススメできません。
まずは、競合となるサイトはどのようなものか、検索上位にはどんなサイトがヒットしているのかをリサーチしていきましょう。
サイトの目的を明確にする



競合他社が料理ポータルサイトをリリースしたから、自社でも立ち上げたい!
このように、「料理ポータルサイトを立ち上げること」自体を目的としてしまうと、ほとんどの場合失敗に終わります。
料理ポータルサイトを立ち上げるのは、あくまで一つの手段です。
「ネット上の情報が多く埋もれてしまっている教室を、独自の視点で取り上げることによって集客のサポートをしたい」など、ポータルサイトを立ち上げることで地域や世の中、ユーザーにどう影響を与えたいのか考えましょう。
具体的にターゲットを決める
サイトの方向性を決めていくには、どの層をターゲットにするかをまず決める必要があります。



誰でも便利に使えるサイトにしたい!
という考えもあるかと思いますが、「万人受けしたい」と考えると誰にも刺さらないサイトとなり、高確率で失敗するので注意しましょう。
具体的にターゲットを決めるには、下記について考える必要があります。
- メインターゲットとするユーザーの属性(一人暮らしのOL、子どものいる家庭、シニア など)
- 性別
- 年齢層
- 関心ごと(こどもメニュー、スイーツづくり、作り置きおかず など)
- 利用目的(レシピを見て料理を作りたい、情報収集したい など)
一口に料理ポータルサイトと言っても、ターゲットの属性によっては必要としている情報が大きく違います。
また、それらが共通していても性別や年齢層によって求める情報は変わるはずです。
大まかなターゲット層だけではなく、ペルソナも設定しましょう。
ペルソナとは、ターゲット層の人物像を具体的にしたものです。
そのポータルサイトを利用するであろうユーザーは、どんなライフスタイルで休日はどう過ごしており、潜在的には何を求めているかなど、実際に存在している人物として描き出していきます。
するとターゲット層が「どの時間帯に、どんなふうに検索をし、予約などの行動を行うのか」が見えてきます。
その行動にあわせたコンテンツを配信することで、集客やアクセス数アップにつながりやすくなります。
差別化する方法を考える
ターゲットが具体的に決まっても、まだコンテンツを組み立てるのは早いです。
既に同じターゲットに向けた競合サイトが存在することがほとんどだからです。
後発で同じことをしても成功する可能性は低いため、既存の競合サイトと差別化をはかる必要があります。
差別化する方法の具体例としては、以下の通りです。
- 専門性の高いサイトをつくることで、ニッチなニーズに対応できるようにする
- 口コミなどの情報の正確性を上げるために、”生の声”を提供できるような設計をする
- メニューの検索結果をわかりやすくユーザーに伝えられるようなサイト構造を設計する
このように、他サイトでは行っていないような独自のアイデアを反映させ、差別化を図ってみましょう。
どんなコンテンツを揃えるか考える
ここまで決まったら、ようやく「どんなコンテンツを揃えるか」を考える段階に入ります。
ターゲットによって必要としている内容は変わりますが、一般的にポータルサイトといえば下記のコンテンツを基本としていることが多いです。
- トップページ
- お知らせ(インフォメーション)欄
- 新着情報一覧
- 初めて訪れるユーザー向けのサイト紹介ページ
- 特集ページ
- 記事/コラム
- 検索バー/検索ページ
- 広告バナー
- ランキング
- 利用規約
- プライバシーポリシー
- 免責事項
- 運営会社概要
- お問い合わせフォーム
- リンクについての説明ページ
- 広告掲載についての説明ページ
- サイトマップ
料理ポータルサイトであれば、内容にもよりますが下記のコンテンツも欲しいところですね。
- 口コミ
- レシピの詳細
- レシピの保存機能
- 写真や動画
- トレンドの特集
この段階では具体的なターゲットや、競合と差別化する方法が決まっているはずなので
「ターゲットがどんな情報を必要としているか」を想像して、揃えるコンテンツを決めていきましょう。
コンテンツから必要な機能を考える
どんなコンテンツを揃えるか決まったら、そのコンテンツを掲載するために必要な機能を考えていきましょう。
一般的に、ポータルサイトに最低限必要とされている機能は下記の通りです。
- 検索
- 新着情報の自動表示
- 記事の投稿
- 検索結果一覧
- お問い合わせフォーム
「料理ポータルサイトに欲しいコンテンツ」から考えるなら、下記の機能も欲しいところです。
- 口コミ投稿機能
- レシピ詳細ページ
- マイページ(お気に入りレシピ保存機能)
- 写真や動画を投稿できる機能
- AIチャットボット機能
- マイページ(会員登録)
必要な機能は「このコンテンツを掲載したいからこの機能が欲しい」といったように、コンテンツから考えることをおすすめします。
「競合にない斬新な機能があれば便利そう」など、機能の実装を目的としてしまうと、本来は不要だったはずなのに実装して無駄に開発費が高くなったり、ユーザーにとって価値のない機能になってしまうからです。
リリース後の集客方法


ポータルサイトは作って終わりではなく、リリースしてからが本番です。
リリース後にどうやって集客していくのかを考えていきます。
『SimilarWeb』で調べたように、ポータルサイトへユーザーが流入してくる主な経路は、検索エンジンや外部サイトです。どのような方法で、アクセスを促すことができるでしょうか。


検索エンジン(SEO)
検索エンジンからのアクセスを増やすのに重要なのは、キーワードの選定です。
いわゆるSEO対策を行うことで、ポータルサイトの集客につながります。
キーワードの探し方
キーワードを探す上で有力なツールに、「Google広告」内の『キーワードプランナー』や『Googleトレンド』があります。


『キーワードプランナー』は、検索ボリュームや関連キーワードを調べることが可能です。
今回は、『Googleトレンド』を使ってキーワード候補として「お弁当 レシピ」を調べてみます。


引用元:Googleトレンド
『Googleトレンド』は、Google での最新の急上昇ワードを、視覚化されたデータとして出してくれます。
周囲での人気度の動向や、地域別人気度、人気関連キーワードを調べることが可能です。
「お弁当 レシピ」というキーワードで調べてみると、「ピーマン 副菜」、「お弁当 おかず 簡単 早い」のように関連キーワードが表示されます。これらの関連キーワードは、記事や特集を組み立てる上での参考になります。
検索結果で上位に表示させるには
しかし、人気のキーワードの上位には、大手のポータルサイトが多数表示されていることが多いです。
では、リリースしたばかりのサイトが上位に表示されるには、どうすれば良いのでしょうか。
結論から言うと、リリースしたばかりのサイトを検索上位に表示させる方法は下記となります。
- 競合性の低いキーワードを見つける
- ユーザーの検索意図に応えたコンテンツを作る
- 競合サイトにはない独自性の高いコンテンツを作る
細かく言えば上記以外にも気をつけるべき点はありますが、検索エンジンからの流入を増やしてポータルサイトの集客につなげるには、これらをすべて兼ね備えたコンテンツをどれだけ多く揃えられるかが鍵となります。


SEO対策はすぐに効果が表れるものではないため、効果が表れるまでに最低でも3ヶ月はかかることは予め受け入れて対策をする必要があります。
外部サイト
ポータルサイトの流入経路として、検索エンジンからの流入に次いで多いのが外部サイトからの流入です。
外部サイトからの流入を増やす方法としては、下記が挙げられます。
- プレスリリースを行う
- 宣伝できるサイトに登録する
- 広告を掲載する
- インフルエンサーに宣伝を依頼する
無料でできる方法ばかりではありませんが、SEO対策は効果が表れるまでに時間がかかるため、外部サイトや広告なども併用して集客を行うことをおすすめします。
料理ポータルサイトであれば、下記のサイトを利用して集客するのがおすすめです。
広告を掲載するならバナー広告よりも、サイトの魅力を詳細に伝えられる記事広告(PR記事)がおすすめです。
掲載期間が決まっているものと、サイトが閉鎖されない限り永続的に掲載されるものがあるので、可能であれば後者のサイトの記事広告をおすすめします。
SNS
X(Twitter)やInstagramなど、SNSでの集客は無料でできるため、活用しないのは損です。
有料で広告を掲載することもできます。
SNSを運用する場合も、「ターゲット層が必要としている情報」が何かを考え、それを発信していくことで、フォロワーが増えてサイトの集客に繋がっていきます。
ただ運用すれば良いわけではなく、お知らせのみのアカウントや、スタッフの日常などは投稿しても伸びにくいです。
ポータルサイトの多くは記事コンテンツがあるので、記事の内容をSNS向けに簡略化したものや、ユーザーの視覚に訴求できる教室の雰囲気写真や動画を投稿するのがおすすめです。
ポータルサイトを構築するには


料理ポータルサイトに限らず、ポータルサイトが成功するかどうかは構築前にほとんど決まっていると言っても過言ではありません。


ターゲット層が具体的に決まり、どんなコンテンツを掲載するか、どうやって集客するかなど、準備をしっかり行ってから本格的にサイトの構築を行っていきましょう。
サイト構築に必要なもの
サイトを構築していくために必要なものは下記となります。
契約関係
- サーバー
- ドメイン
- SSL
サイト内で使用する素材
- サイトのロゴ
- サイト内で使用するテキスト
- サイト内で使用する画像・動画
自社で準備できるものはしておくことをおすすめしますが、内容や予算にあわせて開発会社に相談した方が良い場合もあります。
サーバーなどは知識がないと難しい部分もあると思いますので、弊社では想定されるサイトの規模や機能に合わせて提案させていただいています。
サイト構築の流れ


弊社でのサイト構築のプロセスになります。
他社様では細かい部分が違ってくることがありますが、参考にしてください。
ご依頼いただいた内容を基に、見積書を作成いたします。見積もり内容に納得いただき発注いただけましたら、正式に契約となります。
要件定義にてご依頼内容の詳細を詰め、お客様がイメージされているものを具体的にしていきます。
その後、具体的に決まった内容をシステム・デザイン面の要件としてまとめる概要設計を行い、詳細設計にて概要設計の内容を、開発時の設計書まで落とし込んでいきます。
設計書に沿って、実際に構築をしていきます。
テスト段階では、要件定義・設計にそって開発できているか、動作不具合がないかをまず社内で確認いたします。
次にお客様にも要件定義の内容を満たしているか、動作不具合がないか、品質に問題がないかをご確認いただきます。
お客様によるご確認で、新たに発生した軽微な修正も行い、その修正に対してテストを行うことを繰り返していきます。
テストが完了したら、いよいよサイトのリリースです。
注意したいのは、テスト段階で発生しなかった不具合などが発生する可能性があることです。
これはテスト段階とは違い、同時に多くのユーザーがアクセスすることで初めて表面化する不具合があるためです。
リリース後の不具合には迅速に対応し、安定して運用ができる状態にしていきます。
制作費用
ポータルサイトの制作費用については、弊社で制作する場合は下記が目安となります。
初期費用:250万円~
(内訳:デザイン・コーディング: 100万円~ / システム開発: 150万円~)
月額費用:4万円~
(内訳:お問い合わせ対応 / サービス監視 / 問題発生時の原因調査・復旧対応)
※サーバー・ドメイン・SSL・メルマガ配信ASPに関する費用は除く
必要な機能や納期によって大きく変わりますので、詳しくはお問い合わせください。
制作期間
必要な機能によって変わりますが、最短で1か月程度となります。
弊社はポータルサイトの開発を得意としており、何かと必要な機能が多く、納期が長くなりがちなポータルサイトも短い納期での開発が可能です。
他社で断られた場合でも、お気軽にお問い合わせください。
お客様からのよくある質問


弊社で今までにお客様からいただいた相談の中で、よくある質問とその回答をまとめました。
- デザインは自由に変更できますか?
-
見積の範囲内でできる内容であれば、対応可能です。
当初の見積の範囲を越えた変更をする場合は、別途費用を請求させていただきます。 - サイト構築前の準備が重要と聞きますが、マーケティングの知識がなく、戦略をどうやって立てればいいかわりません。
-
弊社は開発だけでなくWEBでの集客支援も行っていますので、戦略についてもお気軽にご相談ください。
マーケティングの知識がなくても、お客様の目的やご希望をヒアリングし、実現できるプランを提案させていただきます。 - サイト構築後もサポートはしてもらえますか?
-
もちろん、サイト構築後もサポートいたします。
保守が続く限り不具合の修正などに対応させていただくほか、アクセス数を伸ばしたいなどのご相談も承ります。 - 記事の書き方がわからないので、記事コンテンツの制作もお願いできますか?
-
別途費用をいただきますが、対応可能です。お気軽にご相談ください。
- スマートフォンからのアクセスを増やしたいです。
-
料理ポータルサイトはPCよりもスマホで閲覧するユーザーが圧倒的に多く、スマホの最適化は大前提として行いますのでご安心ください。
スマホで閲覧した際の表示スピードや軽さへの対応が、検索順位にも大きく影響します。ターゲットユーザーやサイトで取り扱うテーマによっては、スマートフォンよりもPCでの最適化を優先した方が良い場合もありますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
20年以上Web構築に携わる弊社の目線で、競合分析や運用、サイト構築のフローについて詳しく解説していきました。
料理ポータルサイトは数多くありますが、結局のところ、勝負すべきところは独自性です。
自社の魅力を最大限発揮できるような習い事ポータルサイトを作りたいとご希望の企業さまは、ぜひ一度弊社へのご相談もご検討いただけると幸いです。
また、セルバでは『セルバポータルサイト構築CMS』というサービスで、サイト構造にこだわりながらも、ゼロから作るよりも構築費用が安く、セキュリティの高いサイトを構築可能です。
また、サイトリリース後の集客支援なども行っているため、サイト運営が軌道に乗るようなサポートもさせていただいております。よろしければぜひご検討くださいね。

