キャバクラ求人のリアル事情|人手不足・面接連絡が来ない問題を徹底解説

夜職、とりわけキャバクラの採用現場では「人が足りない」という問題が常態化しています。



求人広告を出しても応募が来ない。



応募が来ても面接に来ない。



体入後に連絡が途絶える……。
このような悩みは、現場では珍しくない話です。
本記事ではキャバクラの人手不足、夜職の面接で連絡が来ないといったリアルな問題を多角的に分析し、経営者がどのように採用戦略を立て直すべきかを考えていきます。
キャバクラが人手不足になる背景


キャバクラ業界では「人手不足」という言葉がもはや常套句になっており、求人を出しても思うように応募が集まらないケースが少なくありません。
集まったとしても面接に来なかったり、採用しても短期間で辞めてしまったりすることが後を絶ちません。
こうした状況は一部の店舗だけではなく、都市部から地方まで業界全体で共通の課題となっています。
なぜキャバクラが慢性的な人材不足に陥っているのか、その根本的な理由を整理してみましょう。
コロナ禍後の需要回復と人材供給のアンバランス
実はキャバクラ業界の人手不足は、コロナ禍で突然始まったものではありません。
もともと離職率が高く「短期で稼いで辞める」働き方をするキャストが多いため、慢性的に人材が不足していました。
勤務時間が深夜に及ぶことや、接客の精神的な負担、業界イメージによる敬遠なども重なり、常に“募集をかけ続けないと回らない”状態だったのです。
そこにコロナ禍が追い打ちをかけました。
休業や時短営業が相次いだことで働き手が昼職へ流れ、そのまま戻らないケースが増加。安定志向や感染リスク回避などの意識の変化も加わり、もともとの人材不足が一気に深刻化しました。
一方で規制緩和とともに客足は急速に戻り、需要だけが膨らんだため、需要と供給のギャップが過去以上に拡大したのです。
地方と都市部の人材流動性の差
東京や大阪の繁華街ではまだ応募が集まりやすいものの、地方都市では求人の母数が圧倒的に少ないため、「そもそも人が来ない」状態が常態化しています。
地方は知人の目を気にして応募をためらうケースも多く、結果的に採用が困難になっています。
他業種との競合激化
かつては「日払い・高収入」というだけでキャバクラは他業種に比べ優位性を保っていました。
しかし現在では、派遣バイトや深夜飲食、配達業務なども同様に日払い制度を導入し、選択肢が多様化。
応募者が「夜職に行かなくても稼げる」と感じるようになり、キャバクラ求人の魅力が相対的に弱まっているのです。
若年層の価値観の変化
Z世代以降は「効率よく、安心して稼げるか」を最重視します。
夜職に挑戦して短期間で大きく稼ぐことを狙うよりも「リスクが少なく安心できるか」が優先されるため、キャバクラは若者の心理的ハードルが高い仕事になっているのです。
求人を出しても人が来ない店舗オーナーの声


「高い広告費を払って求人を出しているのに、応募がまったく来ない」「面接の約束をしても当日現れない」
そんな嘆きは、キャバクラ業界の店舗オーナーから日常的に聞かれる声です。
人手不足に直面する現場では、採用にかけるコストと労力が増える一方で成果が伴わず、頭を抱えるケースが後を絶ちません。
オーナーたちが実際に直面している問題の具体的な実態を見ていきましょう。
求人媒体に掲載しても応募がゼロに近い
求人広告を掲載しても反応がまったくないことは珍しくありません。
その大きな理由は、差別化ができていないからです。
ほとんどの求人が「高時給・日払いOK・未経験歓迎」と書いており、応募者にとってはどれも同じに見えてしまいます。
結果として知名度の高い有名店に応募が集中し、中小規模の店舗には応募が来ない状態になります。


面接日程を組んでも来店しない
ようやく応募があっても、面接当日に現れない応募者が後を絶ちません。
昼職でもよく起こることですが、夜職では尚更よく起こります。
面接日程を組んでも来店しない主な理由は以下です。
- 複数の店舗に同時に応募している
- 気分が乗らなくなった
- 家族や友人に止められた
昼職だと履歴書や職務経歴書の準備が必要だったり、応募から面接までに日数が空くことが多いので、「準備したしとりあえず行こう」となる傾向があります。
一方、キャバクラなど夜職では応募ハードルを下げる目的もあり、LINE応募や当日面接・即体入OKにしているケースが多く、勢いで応募 → 気分が冷める → 行かないという流れが起きやすいです。
面接や体入後に連絡が途絶える
面接に来て体入まで進んだとしても、その後連絡が途絶えるケースも多いです。
その理由は上記と概ね同じですが、面接や体入を経た後だと下記の理由も多くなります。
- 思っていたより精神的・肉体的にキツい仕事だった
- 店長や黒服、他のキャストと合わなかった
- お客様にセクハラをされたり、暴言を吐かれてトラウマになった
- 最初から体入の日払いが目的で、入店するつもりがなかった
応募者が理由を話してくれることは基本的にないため、オーナーからすれば「なぜ来なくなったのか」が分からず、改善の糸口を見失いやすい問題です。
採用単価の高騰と費用対効果の低下
少子化の影響もあり、採用コストは年々高騰しています。
夜職では若さを重視する店舗も多いため、若年層の人数が減っている状況では、広告費用に見合った採用成果が得られないケースが増えています。
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応募者側の本音と行動心理


店舗側の「面接にはきちんと来て欲しい」「採用したからには長く働いてほしい」という気持ちはわかりますが、応募した女性たちにも、それぞれの事情や背景があります。
一見無責任に見える行動の裏には、ただ「気分が乗らない」だけではない本音が潜んでいることも。
怖くなって行けなくなるケース
夜職に初めて挑戦する女性にとって、知らない世界への不安は大きいものです。
実際に応募してみたものの、面接が近づくと「怖い店だったらどうしよう」と不安が膨らみ、結局行けなくなるケースは多々あります。
他店舗と比較して流れるケース
同時に複数の店舗に応募は今や当たり前になりました。
面接を受けても、別の店舗の方が条件が良かったり、「雰囲気が合いそう」と感じれば、そちらに流れるのは自然な流れです。
その際、入店する気のない店舗には連絡をせずフェードアウトするケースがほとんどです。
体入だけして消えるケース
体験入店(体入)をした応募者が、その後連絡を絶ってしまうケースは確かに多く見られます。
中には最初から「日払いだけが目的」という人もいますが、それだけではありません。
- 仕事が想像以上に合わなかった
接客が思った以上に難しい、体力的にきつい、お酒に弱くてついていけないなど、「働いてみて初めて気づくギャップ」に直面して辞めるケースです。 - 既存キャストとの人間関係
他のキャストの圧や派閥を感じて怖くなった、明らかに歓迎されていない雰囲気に居心地の悪さを覚えたなども、音信不通の大きな要因です。 - お客様とのトラブルと店舗側の対応不足
たとえば体入中にセクハラや暴言を受けても、店長やスタッフが助けてくれなかった等の出来事があると「この店では安全に働けない」と感じ、もう来なくなるのは自然な流れです。
こうした理由はすべて、店舗側の努力次第で改善可能な部分でもあります。
- 募集段階で仕事内容や雰囲気を丁寧に伝え、ギャップを減らす
- 新人を歓迎する雰囲気づくりや、先輩キャストのフォロー体制を整える
- お客様からのハラスメントに対しては即座に介入し、スタッフが守る姿勢を示す
これらを徹底することで「体入だけして消える」割合は確実に減らせます。
面接や体入後の音信不通は応募者だけの問題ではなく、店舗が信頼を示せるかどうかのバロメーターでもあるのです。
なぜ「採用したい人がいない」状態になるのか


「人手不足を乗り越える具体策」と言うと、どうしても「応募数を増やす施策」に寄りがちですが、実際の現場感覚に近いのは 「応募者が少ない」のではなく「採用したいと思える人が少ない」 という構図です。
応募は来ても質(意欲)が低い
キャバクラの求人は、条件を「未経験歓迎」「高収入・日払いOK」として間口を広げているケースが多いため、仕事内容を問わず意欲が低い人や、とりあえず応募してみただけという人も多く混ざります。
結果として「応募数=採用候補数」にはならず、実際に面接に進んでも「向いておらず続かなそう」と判断される候補者の割合が高くなります。
応募の量があっても質が伴わないことが、人手不足が解消されない大きな理由です。
短期・副業的な志向で優先度が低い
ナイトワークの多くは「本業」ではなく「副収入」として位置づけられることが多く、「今月だけ稼ぎたい」「旅行代を作りたい」「昼職が暇な間だけ」など、応募者の働くモチベーションも低めになりがちです。
シフト優先度は昼職や学業に劣るので、結果として「急に来なくなる」「昼の仕事が忙しくなったのでやめる」といったケースが頻発します。
昼職は生活基盤を支える仕事であるため優先度が高く、夜職は“あれば助かる収入源”にとどまりやすい。これがキャバクラ求人における「採用したい人がいない」問題の原因の一つです。
適性がある人が少ない
キャバクラでは、お客様との会話を盛り上げたり、時にはクレームやセクハラに対処したりと、コミュニケーション力とトラブル耐性が強く求められます。
しかし現実には、こうした適性を持つ人材はもともと限られており、誰もが自然にできるわけではありません。
さらに問題なのは、店舗側が「理想像」を高く設定しすぎる傾向にあることです。
「愛想が良く、空気も読めて、客を呼べるキャストが欲しい」と言っても、そもそもそうしたスキルを最初から備えた人材は極めて少数派です。
「客を呼べ」と要求しても、呼び方や営業方法を具体的に教えられる先輩やスタッフが不足しているケースが多く、どうすればいいか分からないまま辞めてしまうのです。
応募者の適性不足だけでなく、教育体制や現実的な採用基準の欠如も「人が定着しない」理由の一つです。
適性ある人材を見つけるのは難しい以上、店側には「育てる前提」で採用する姿勢と、現実的な基準に基づいた教育・サポート体制が不可欠と言えるでしょう。
信頼される店舗が採用を制す


キャバクラ業界の人手不足は、応募数の問題だけではなく“採用したい人がいない”という構造的な課題があります。
この現実を受け止めたうえで必要なのは、条件の良さを誇ることでも、大量の広告を打つことでもありません。
「この店でなら働いてみたい」と思わせる信頼と、入店後に育てる体制です。
応募者が殺到する時代は来ない
キャバクラの人手不足は、もはや一時的な現象ではなく業界の構造的課題です。
コロナ以前から高い離職率に悩まされ、今後も「応募者が殺到する」状況は期待できません。従来の「量を集めてふるいにかける」採用スタイルは限界を迎えています。
まずはこの事実を受け止め、店舗側も採用戦略を立てていく必要があります。
即戦力ではなく「育てる前提」で採用する



高時給を払っているのだから、最初から客を呼べるキャストであってほしい。
キャバクラ業界では、上記のような期待が強くあります。
しかし、実際にはそうした適性を最初から持つ人材は限られており、結果としてポテンシャルのあるキャストまで早期離職させてしまっています。
一方で、近年勢いを増すコンカフェ業界は異なるアプローチを取っています。
未経験でも“商品として売れるか”を面接で見極め、入店後は先輩の接客を学ばせ、SNSでの発信を通じて顧客をファン化させる。このプロセスによって、客を呼べるキャストへと育成しているのです。
キャバクラはコンカフェよりも高時給を提示する分、「即戦力」を求めたくなるのも自然ですが、だからこそ逆に“育てる文化”が不足しがちです。
未経験でも育てて客を呼べるようにする仕組みを持つかどうかが、今後の人材確保と定着率を左右する鍵になるでしょう。
働きやすさと安全性を保証する



体入でセクハラや暴言に遭ったのに、店が守ってくれなかった……。
そんな経験は応募者を一瞬で遠ざけます。
長期的な採用力を高めるには、「安心して働ける環境を整備し、それを認知させること」が最大の求人広告になります。
店舗スタッフが守ってくれる体制やキャスト同士の人間関係のケアは、給与条件以上に強力なアピール材料となります。
店舗の信頼ブランドを作る
これからは「どの媒体にいくら広告を出すか」よりも、店自体が信頼されるブランドを持てるかが勝負の分かれ目です。
SNSで日常の雰囲気を伝える、口コミで「働きやすい店」と広まる、キャスト紹介や研修体制を可視化するなどの積み重ねが、応募者に「ここなら安心」と思わせ、結果として質の高い応募を呼び込みます。


まとめ
キャバクラ業界における人手不足は、「応募者がいない」ことだけではなく、「適性のある人が少ない」「定着しない」という構造的な問題からきています。
応募者の背景や心理を理解せず、根性論で圧をかけてきた従来のやり方では、これからの人材確保はますます難しくなります。
本質的な人手不足の原因を正しく理解している経営者はまだ少数派です。
多くの店舗が「広告を出せば解決する」「高時給を提示すれば集まる」といった表層的な施策にとどまっており、それが人材定着を阻んでいます。
だからこそ今後は、育成を前提とした仕組み作りと、「安心して働ける店舗ブランド」を築くことが不可欠です。
信頼される店舗が、最終的に人材採用でも経営でも勝ち残るでしょう。
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