初売りの売上を伸ばすには？｜WEB・広告・商品戦略の総まとめ
年末年始は長期休暇やイベントが重なるため、消費者の購買行動が最も活発になる時期です。
中でも「初売り」は購買意欲が最も高まるイベントであり、企業にとって大きなビジネスチャンスとなります。
このチャンスを生かすには、効果的な広告施策や適切な戦略が欠かせません。
本記事では、初売りを成功させるために広告手法や取り組みを紹介し、売上アップにつながるポイントをわかりやすく解説します。
初売りとは？なぜ重要なのか？
「初売り」とは、年が明けて最初に商品を売り出すイベントのことです。
初売りの開催時期は、三が日を休業して1月4日から始めるケース、元日を休業して1月2日から開催するケース、元日から初売りを行うなど、店舗や企業によってさまざまです。
近年では働き方改革の影響もあり、元日は休業してスタッフの休暇を優先する企業も増えています。
なぜ重要なのか
初売りが重要視される理由は、一年で最も購買意欲が高まるタイミングだからです。
年末には多くの企業でボーナスが支給され、年末年始には従業員が長期休暇を取ります。
そのため、多くの消費者に金銭的・時間的な余裕が生まれ、自然と購買意欲・購買機会が高まることになります。
「初売り」はすでに恒例イベントとして根付いており、福袋や新春セールなど、多くのイベントが実施されるため、顧客の関心が非常に強い時期でもあります。
こうした販売機会は、新規顧客の獲得や在庫整理が期待でき、企業にとって集客・売上を伸ばすうえで非常に重要なビジネスチャンスとなります。
初売りで顧客を集める広告施策
初売りを成功させるためには、集客につながる広告施策が欠かせません。
ここでは、初売りで顧客を集める広告・集客施策について解説していきます。
HP・LP構築（初売り特設ページ）
インターネットで広告を展開する際に、最も重要な施策といえるものがHP・LP（特設ページ）構築です。
自社の魅力や商品情報をしっかりと伝えられるため、消費者の興味を高めるうえでは欠かせない施策です。
また、他のインターネット広告を運用する際に、遷移先としてWebページが必要になることが多く、HP・LPの整備は非常に重要になります。
こうしたWebページは、検索エンジンの評価がアクセス数を大きく左右するため、Googleなどで検索された際に上位に表示されるよう、SEO（検索エンジン最適化）対策も必要です。
12月下旬から1月上旬にかけて、「初売り」「福袋」といったキーワードの検索が急増するため、時期や目的に合ったキーワードの設定がアクセス増加につながります。
リスティング広告（検索広告）
リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに合わせて表示される広告のことで、「検索広告」「検索連動型広告」「検索キーワード広告」などと呼ばれます。
GoogleやYahoo!などの検索結果に表示されるため、ユーザーを自社サイトに誘導できるほか、検索したユーザーに対して高い認知効果が期待できます。
キーワードに応じて広告を出稿するため、購買意欲や関心が高いユーザーに直接アプローチできる点が大きな特徴です。
「〇〇 福袋」「〇〇 初売り」などと検索をする人は、これらに対して関心が高く、広告によって来店や購入につながりやすい傾向があります。
費用はキーワードによって大きく異なり、安いものは1クリック数十円、月額10万円ほどの予算でも利用できるため、ハードルが低い広告施策でもあります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像・動画形式の広告で、「バナー広告」とも呼ばれます。
リスティング広告とは異なり、画像や動画を使用できるため視覚的に訴求しやすく、商品やキャンペーンの魅力を直感的に伝えることができます。
幅広いユーザーにアプローチできる点も特徴で、まだ購入を検討していない潜在層にも情報を届けることが可能です。
一方で、購買意欲の低いユーザーにも配信されるため、コンバージョン率（購入や来店につながる割合）が低くなりやすいというデメリットもあります。
そのためディスプレイ広告は、認知拡大や初売りイベントの告知などに活用すると効果的です。
SNS運用・広告
Instagram、X（旧Twitter）、YouTube、LINE などのSNSは、現代のユーザーにとって欠かせない情報収集ツールとなっています。
SNS運用（自社発信） は基本的に無料で行える施策であり、投稿がバズれば大きな集客効果や売上につながる可能性があります。
SNSごとに利用者層が異なるため、顧客の年齢層や興味に合わせて運用方針を調整できる点も大きなメリットです。
一方で、SNSは競争が激しく、自社アカウントを育てるには継続的な運用や投稿内容の工夫が必要で、成果が出るまでに時間を要する難易度の高い広告施策です。
SNS広告（有料配信）は、性別・年齢・地域・興味関心・職種などの細かな条件を設定して配信できるため、自社の商品やサービスと相性の良いユーザーに効率よくアプローチできます。
折り込みチラシ・ポスティングチラシ
折り込みチラシ・ポスティングチラシは、新聞と一緒に配布される「折り込み」と、ポストに直接投函する「ポスティング」の紙媒体広告です。
チラシの最大の特徴は、地域密着型の広告であることです。
店舗周辺に配布することで、実際に来店しやすい顧客へ直接アプローチできます。
また、高齢者層やファミリー層では新聞を取っている人もまだまだ多く、これらの顧客に対して強い訴求力を発揮します。
しかし、若年層への効果は低く、ポスティング不可の住宅には投函できないなどのデメリットも存在します。
初売りを成功させるマーケティング戦略
初売りを成功させるためには、広告だけでなく、商品企画や店舗運営の取り組みによって大きく変わります。
ここでは、初売りで売り上げを伸ばすための取り組みをご紹介します。
福袋
「福袋」は初売りを象徴する商材であり、集客力と売上を生み出す重要な施策です。
「中身が見えないワクワク感」によって、商品に体験価値を付随させることができ、商品の価値を高めることができます。
一般的な福袋は、中身の総額よりも販売価格の方が安いという特性があります。
数字で明確に示せる「お得感」は消費者にとって大きな魅力となり、購入を強く後押しします。
福袋の内容に在庫品を組み込むことで、売上確保と在庫整理の両立が可能になるのもメリットです。
特に季節品を扱う業種では、売れ残りが長期保管コストにつながるため、在庫を効率的に処理できる福袋の活用は大きな意味を持ちます。
また、福袋の中にクーポンを入れることで次回以降の来店を促す方法や、「中身が見える福袋」を販売するなど、消費者の不安を解消し、安心して購入できる仕組みなども取り入れられています。
かつては画一的だった福袋の販売方法も、ニーズの変化や各社の差別化により多様化しました。
セール（初売りセール・新春セール）
初売りは、一年の中でも特に「お得な買い物」が期待されるイベントです。
百貨店やアウトレット、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、Amazon、楽天など、多くの施設や企業で初売りセールを実施しており、新年の恒例行事として広く定着しています。
期間限定の初売りセールは、「今買わないと損をする」という心理を生み、来店や購入を後押しします。
消費者の期待値も高いため、限定性のあるセールは大きな集客と売上につながる非常に効果的な施策です。
注目商品の展開
初売りはセールだけでなく、多くの商品の需要が高まる時期でもあります。
購買意欲も高いタイミングであるため、消費者のニーズに合わせた商品展開を行うことが非常に重要です。
防寒アイテム（ダウンジャケット、セーター、ヒーター など）
寒さが厳しくなる時期のため、防寒アイテムの需要が高まります。
「今すぐ使うもの」であるため衝動買いも起きやすく、目立つ場所に置くことが重要です。
正月グッズ（鏡餅、書初め、干支グッズ など）
正月シーズンである初売りでは、鏡餅や書き初めなどの正月関連商品の需要が高まります。
親族が集まる家庭も多く、来客用の菓子・飲料、子ども向けのおもちゃなども売れやすくなります。
開運・金運グッズ（お守り、置物、アクセサー など）
新年というめでたいシーズンであり、開運・金運アイテムの関心が高まります。
1月からは本格的な受験シーズンに入るため、合格祈願などのアイテムも需要が高くなります。
式典アイテム（メイク用品、バッグ、スーツ など）
1月は成人式、春には卒業式・入学式・入社式など、式典が続く時期でもあります。
メイク・スキンケア用品、アクセサリー、スーツなど、身だしなみを整える商品が売れやすくなります。
季節やイベントに関連する商品の需要が高くなる時期なので、消費者のニーズを的確に捉えた商品展開を行うことで、売上を大きく伸ばすことができます。
初売りを成功させるポイント
初売りの広告施策や販売計画を行う際には、入念な事前準備や店舗設計が非常に重要です。
ここでは、初売りに取り組むうえで特に意識すべきポイントをご紹介します。
事前準備
初売りは短期間に顧客と売り上げが集中するため、事前の計画と準備が非常に重要になります。
以下のポイントを抑えることで、初売りの成果が大きく変わります。
販売計画の策定
- 初売り期間の選定と売り上げ目標
- 人気商品・福袋の在庫確保
- セール商品の選定と価格設定
広告の事前準備
- HP・LP（初売り特設ページ）の作成
- 「初売り」「福袋」など、検索キーワードを意識したSEO対策
- SNS・LINE・メルマガなどの告知準備
- 折り込み・チラシの作成とスケジュール調整
商品在庫や広告施策を事前に整理しておくことで、初売りの来客者と売上を大きく伸ばすことができます。
店舗設計
初売りでは来店が集中するため、売り場や導線づくりなどの店舗全体の構成は非常に重要です。
お客様がストレスなく買い物できる環境づくりを行うことで、購買率を高めることができます。
特設コーナーや売り場の導線設計
新商品や人気商品の特設コーナーを目立つ位置に設置し、POPで位置や魅力を分かりやすく示します。
また、混雑を避けるために通路幅を広めに確保し、快適に移動できる導線をつくることが重要です。
季節感の演出
正月の装飾やBGMを取り入れることで、新年らしい季節感を演出できます。
また、照明を暖色系に変更することで、寒い季節でも店内に「あたたかさ」を感じてもらうことができ、居心地のよい売場になります。
入り口でのアプローチ強化
店頭に「初売り」「新春セール」などの看板を設置することや、入口をライトアップすることで、店舗の存在感を高められます。
また、入口や店頭に福袋や目玉商品を配置することで、イベントを直感的に伝え、入店のきっかけをつくることができます。
手厚いサポート
初売りが行われる正月は、家族や友人が集まることも多く、一年の中でも特別感があり、期待の高いイベントです。
このような時期に質の悪いサービスを提供してしまうと、せっかくの期待が大きな不満に変わりやすく、次回以降の来店に大きく影響します。
そのため、スタッフ全員がイベント内容やセール情報を正しく理解し、問い合わせや案内対応をスムーズに行えるようにしておくことが重要です。
手厚いサポートは、当日の売上に貢献するだけでなく、次回の来店や翌年の初売りへの期待感にもつながり、企業やブランドに強い信頼を寄せるロイヤルカスタマーの育成にもつながります。
まとめ
初売りは、一年の中で顧客の購買意欲が最も高まる大きなビジネスチャンスです。
成功のためには、最適な広告施策と販売計画が欠かせません。
広告では、Webサイト構築・SEO対策・リスティング広告・SNS広告・折り込みチラシなど、ターゲット層に合わせた施策を選ぶことが重要です。
福袋・セール・季節に応じた商品展開など、消費者のニーズを的確に捉えた商品戦略も初売りには重要になります。
初売りは単に売上をつくるイベントではなく、新年のスタートダッシュを切り、長期的な顧客獲得につながる重要なマーケティング施策です。
セルバでは、Webでの集客や経営戦略についての相談にものっています。お気軽にお問い合わせください。
