管理職は罰ゲーム?辞めたい理由と管理職になるメリット

「管理職にはなりたくない」「出世意欲のある若手がいない」
そんな“管理職離れ”ともいえる声を、最近よく耳にしませんか。
昇進=キャリアアップとされてきましたが、現在ではその価値観にも変化が見られています。
管理職に関するアンケート調査は数多く実施されており「責任が重すぎる」「割に合わない」など、ネガティブな意見が一定数見られます。

では、なぜここまで管理職が敬遠されるようになったのでしょうか。
本記事では、管理職の実態と敬遠される背景を整理し、管理職のメリットについて考えていきます。
管理職になりたくない・辞めたい理由

ワークライフバランスの崩壊
管理職を敬遠する理由として、多く挙げられるのがワークライフバランスの問題です。
マイナビが実施した「管理職の悩みと実態調査」によると、管理職になって「仕事の比重が増えた」「プライベートや家族との時間を楽しめなくなった」といった回答が多く見られました。
管理職になることで仕事が生活の中心になりやすく、ワークライフバランスが崩れたと感じる人が多く存在しています。
こうした状況が広く知られることで、若手社員も管理職に対してネガティブな印象を持ちやすくなっていると考えられます。
責任の重さ
管理職がつらいと感じる理由のひとつとして、責任の重さがあります。
一般社員とは異なり、管理職には自身の業務や成果だけでなく、チーム全体の管理や目標達成、部下の育成など、幅広い項目に責任が生じます。
エン・ジャパンの「管理職への意向」に関する調査では、管理職になりたくない理由として「責任の重さ」を挙げた人が28%、管理職になって大変だったこととして「責任が重くなった」と回答した人は50%にのぼっています。
また、管理職は責任の範囲が広い一方、裁量権や人員が十分に与えられないケースもあります。
こうした状況では、「責任はあるのに、自分ではどうにもできない」と感じることが増え、精神的な負担につながることもあります。
出典:エン・ジャパン株式会社『「管理職への意向」に関する調査レポート』
待遇面の不満
パーソルホールディングス株式会社の「管理職の本音」によると、現在の給与について「不満・非常に不満」と回答した管理職は25.6%でした。
昇進しても給与の上昇幅が小さい企業もあり、待遇面に不満を抱くケースも見られます。
管理職になることで休日出勤や残業が増え、支給額は上がっても時給換算では下がってしまった人も少なくありません。
責任や業務量が増える一方、それに見合う待遇が得られていないと感じることが、管理職の不満につながっています。
出典:パーソルホールディングス株式会社『「管理職のリアル」に関する実態調査』
管理職の負担を重くする構造的な問題

フラット化による管理職の業務量増加
近年の日本企業では、人件費の削減や意思決定の迅速化を目的に、管理職の数を見直す「組織のフラット化」を進めてきました。
しかし、管理職の数が減ったことで、一人の管理職が受け持つ部下の数は増えることになりました。
従来よりも多くの部下の進捗確認や業務配分、育成、労務管理などを担わなければならなくなり、管理職の業務量は大きく増加しました。
成果主義によるプレイングマネージャーの増加
日本の経済低迷を背景に、企業では効率的に成果を上げることが求められるようになりました。
成果や結果を重視する傾向が強まり、管理職自身も現場業務を担う「プレイングマネージャー」が増加しました。
管理職はマネジメントだけでなく、プレイヤーとしての成果も同時に求められるようになり、組織を動かしながら、自分自身の成果も評価されるため、業務負担や心理的なプレッシャーは大きくなっています。
働き方改革
働き方改革が多くの企業で進んでいますが、その恩恵を管理職が受けられていないことも少なくありません。
管理職は会社側から働き方改革を強く求められ、一般社員への手厚いサポートや、残業時間を減らすための取り組みを求められています。
企業側から見ると、一般社員の勤務時間を減らし、その業務をみなし残業の多い管理職に移すことで、人件費を圧縮できるというメリットもあります。
近年は、働き方改革の一環としてハラスメント対策も進められており、その影響から部下とのコミュニケーションに慎重になりやすく、関係構築が難しくなっている傾向もみられます。
※ このブログは創業22年のWeb企業「セルバ」が運営しています。
興味があれば[会社紹介はこちら]もご覧ください。
管理職になるメリット

給与アップ
管理職になる明確なメリットが、給与の上昇です。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、非役職者が31万500円であるのに対し、係長級は39万9,200円、課長級は52万9,200円、部長級は63万5,800円となっています。
非役職者と部長職を比べると2倍以上の差があり、責任や負担は増えるものの、収入面でのメリットを得られる可能性があります。
出典:厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html
キャリアの広がり
管理職になると、チーム運営や部下の育成、目標管理などを担うようになり、戦略的な思考力や調整力を身につけやすくなります。
将来的に部長や役員など、上位の役職を目指せるようにもなり、社内での昇進だけでなく、転職市場においても強みになります。
管理職経験者は、視野の広さや多様な経験が組織強化につながる人材として、企業から求められやすい人材といえます。
実際に、管理職経験を応募条件としている求人もあり、キャリアアップにつながる要素のひとつになっています。
意思決定への関与
管理職になることで、業務や組織運営に関する意思決定に深く関与できるようになります。
現場の判断で物事を迅速に進めやすくなるため、自分の考えをチーム運営に反映しやすい点は、管理職ならではのやりがいです。
また、仕事の進め方やスケジュール管理に関わる機会も増えるため、業務進行を自分で調整することができ、ワークライフバランスを整えやすくなる場合も、意外と珍しくありません。
キャリアに関する情報をもっと知りたい方は、こちらのメディアもご覧ください。
まとめ
管理職は、ワークライフバランスの崩れや責任の重さなどを理由に、敬遠される傾向があります。
最近は、自身も現場業務に携わるプレイングマネージャーも増加しており、管理職一人ひとりの業務量も大きくなっています。
働き方改革などを会社側から求められ、経営層と社員の間で板挟みになり、身動きが取りにくくなっている管理職もいます。
その一方、管理職には給与の上昇だけでなく、裁量権を持つことで得られるやりがいや、マネジメント経験を積めるというメリットもあります。
負担の大きい役割ではありますが、将来につながる経験になることもまた事実です。
転職やキャリアアップには迷う瞬間がつきものですが、情報を知ることが不安を減らす第一歩になります。
今回の内容が、今後のキャリアを考える際のヒントになれば嬉しいです。
