2026年度末、高度100kmの宇宙へ。Rockoon方式で「宇宙開発で”Japan as No. 1″を取り戻す」AstroXの全貌

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AstroX株式会社は「宇宙開発で”Japan as No. 1″を取り戻す」をビジョンに掲げ、気球でロケットを成層圏まで放球し、そこから空中発射を行う「ロックーン(Rockoon)方式」による衛星軌道投入ロケットの開発を進める民間宇宙スタートアップです。2022年5月設立。本社は福島県南相馬市に構え、東京・上野にもオフィスを置きます。低コスト・高頻度・柔軟な打上げを実現するロックーン方式は世界でも数社しか取り組んでいない最先端技術。JAXAとの共創活動も実施しており、2026年度末のサブオービタルでの宇宙空間到達、2029年の軌道投入を見据えて開発を加速しています。

今回はAstroX株式会社の採用担当・佐々木裕隆さんに、
事業内容・強み・職場環境・求める人材像、そして今後のビジョンについてインタビューしました!

目次

プロフィール紹介

佐々木 裕隆さん
AstroX株式会社 採用担当。宇宙業界未経験からAstroXに参画。採用担当でありながら気球実験のサポートにも携わるなど、全員一丸となってロケット開発に挑む同社の文化を体現する一人。「宇宙業界以外の方にもどんどん応募してほしい」と語り、多様なバックグラウンドを持つ人材獲得に注力している。

日本の宇宙開発を再び世界一へ ── AstroX株式会社の事業とビジョン

弊社は「宇宙開発で “Japan as No. 1” を取り戻す」というビジョンのもと、Rockoon方式による衛星軌道投入ロケットの開発・宇宙輸送事業化に取り組んでいるスタートアップ企業です。2022年5月に設立し、本社は福島県南相馬市、東京・上野にもオフィスを構えています。

弊社代表小田がこの事業に乗り出した背景には、自身が以前ビシネスを営んでいたIT業界で感じた危機感があります。

IT業界は、プラットフォームを海外に抑えられ、巻き返しが難しい状態になってしまった。その点宇宙業界はまだプラットフォームが確立しきっていない── ですのでこのチャンスを逃さず、日本がナンバーワンを取り戻せる場所として小田は宇宙開発を選びました。

宇宙輸送のインフラとなるのはロケットです。人や物を宇宙へ運ぶロケット事業を軸に、将来的には衛星事業も含めた宇宙開発全体で日本をリードする存在を目指しています。

項目内容
設立2022年5月20日
本社東京都台東区東上野4丁目6-7シティコープ上野広徳301
東京オフィス東京都台東区(上野)
代表代表取締役CEO 小田 翔武
ビジョン宇宙開発で “Japan as No. 1” を取り戻す
ミッション“Japan as No. 1”の実現に向けて、
宇宙輸送の未来を日本から切り拓き、
挑戦者にその力を届ける。
事業内容Rockoon方式による衛星軌道投入ロケット開発・宇宙輸送事業

低コスト・高頻度・高い柔軟性 ── ロックーン方式が持つ3つの強み

弊社の最大の特徴は、「Rockoon方式」と呼ばれる気球を使った空中発射方式を採用していることです。気球でロケットを成層圏(高度約20km)まで持ち上げてから空中発射するこの方式は、地上打z上げ方式と比べて大きく3つの強みがあります。

1つ目は低コストです。地上から打上げる場合、空気の濃い大気圏を突き破るために膨大なエネルギーが必要になりますが弊社は空気の薄い成層圏からスタートできるため、燃料コストを大幅に削減できます。また、空気抵抗が少ない環境での発射なのでロケット本体への負荷も下がり、機体の材料コストや量産コストも抑えられます。

2つ目は高頻度かつ即応性の高い打上げです。地上発射型ロケットには広大な射場が必要で、音響・安全上の制約から打上げ場所が大きく限られます。弊社はハイブリッドロケットを採用しています。ハイブリッドロケットは燃料(固体樹脂)と酸化剤が物理的に分離されているため、従来の液体・固体ロケットと比べて爆発リスクが大幅に低く、安全性が高い方式です。

弊社の場合、射場となる大型設備を必要とせず、洋上からの打上げにも対応できます。顧客が打上げたい時に、打上げたい軌道へ衛星を投入できる柔軟性を持っています。

3つ目は顧客要件への高い対応力です。地上打上げでは打上げ時の音響振動が搭載衛星にもダメージを与えるため、衛星側も厳しい耐久要件を満たす必要があります。ロックーン方式ではこの振動が大幅に緩和されるため、衛星側の設計自由度が上がり、これまで実現できなかった用途にも対応できる可能性があります。

強み内容
低コスト一般的な地上打上げロケットが最もエネルギーを要する、空気のある層の脱出を気球で持ち上げるため、省エネルギーかつ低コスト化が可能。
高頻度・即応性大規模射場が不要。海上発射にも対応し、顧客が希望するタイミング・軌道への投入が可能
顧客要件への対応力音響振動が少なく衛星への負荷が低減。衛星側の設計自由度が上がり用途が広がる
ハイブリッドロケット潜在的に非爆発性で高安全性。燃料搭載状態での保管・輸送が可能で即応性が向上

ロックーン方式での衛星軌道投入に取り組む企業は世界でも2〜3社しか存在しない最先端の領域。AstroXはJAXAとの共創活動も実施しており、姿勢制御装置の研究開発など着実に技術を積み上げています。

物理的な距離の近さと、バリューの浸透 ── AstroXの職場環境

弊社は東京(上野)・福島(南相馬)・千葉の3拠点で活動しており、基本は出社ですが、いろんな状況でリモートを活用しながら柔軟に働いています。機械設計・制御・電子回路設計などのエンジニアは主に上野オフィスに集まって働いており、最近移転した上野オフィスはエンジニア専用ルームも設けた348.6平米の広さです。

また南相馬には、成層圏環境を作り出すことができる通称「SETS」と呼んでいる大掛かりな設備を有するMSL工場があります。ここでもエンジニアが働いています。

職場の最大の特徴は人と人との距離の近さです。大企業であればエンジニアに話を聞きに行くだけで相当な移動が必要なこともありますが、弊社の場合は数歩でエンジニアと直接会話できます。宇宙業界未経験で入社した社員も、この近さを活かして周囲からキャッチアップしながら成長しています。

南相馬の拠点でも雰囲気は変わりません。実験の場ではメンバー全員が一眼となって取り組み、チャットでも気軽にやり取りができます。各グループやサブシステム間の壁がなく、社内政治的な無駄なやり取りがないのも弊社の強みです。

項目内容
勤務スタイルリモートワーク活用
拠点東京(上野)・福島(南相馬)・千葉
東京オフィス約348.6平米。エンジニア専用ルームあり
社内雰囲気距離が近くフラット。グループ・役職を問わず気軽に相談できる
コミュニケーションチャットツールで気軽に連絡。実験はメンバー全員で一眼となって取り組む

「失敗の数は多いほど評価」── AstroXの6つのバリューと評価制度

弊社には6つのバリューがあり、その中の一つである「失敗の数は多いほど評価」という考え方が社内に強く浸透しています。完成度30点でもいいからまず出して実験し、そこから次に活かしていく——またさらに別のバリューである「クイック&コンパクト」にサイクルを回し続けることで、毎年着実に実証実験の成果を積み上げてきました。

「優秀な個人ではなく、優秀なチーム」という考え方も根底にあります。一人ひとりの演奏だけではロケットは作れない。全員が一眼となって音楽を奏でるように、チームで協力してロケット開発に臨む文化があります。

評価制度は「シンフォニーレビュー」と名付けられており、音楽的な用語で統一されています。代表の小田がミュージシャン経験を持つことから生まれたユニークな制度で、6つのバリューとも紐づいています。

AstroX6つのバリュー

①クイック&コンパクト
②失敗の数は多いほど評価
③優秀な個人より優秀なチーム
④全員ラストマン
⑤いいやつであろう
⑥心はホットに 頭はクールに

失敗を恐れずに挑戦するから、成果が生まれる

佐々木さんによると、「このバリューが浸透しているからこそ、未経験者が入社してもお互いに助け合いながらキャッチアップできる環境がある」とのこと。失敗を歓迎し、チームで補い合う文化が、宇宙業界未経験者でも活躍できる土台を作っています。

毎月開催の「Monthly Launch」── 社内交流とユニークな制度

月1回「Monthly Launch」というイベントがあります。月次の成果報告をしながら、みんなで寿司を囲むカジュアルな場です。仕事の進捗を共有しつつ、メンバー間の交流も深められる場になっています。

また、評価制度の「シンフォニーレビュー」を含め、弊社のあらゆる仕組みに音楽の用語が使われているのは、代表の小田がミュージシャン経験を持つことに由来しています。このユニークさもAstroXらしさの一つです。

設計から実験まで「一連」を担う ── エンジニアのやりがいと業務の幅

弊社のやりがいを一言で表すなら、設計から実験・評価まで「一連」のプロセスを自分の手で担えることです。大企業では担当範囲が細分化されているため、自分が設計したものを最後まで見届けることは難しいケースも多い。弊社は現在のフェーズだからこそ、一連の業務を横断的に関わることができます。

私自身も、先日気球実験のサポートに参加したばかりですが縦割りの壁がなく、やりたいことに挑戦できる余地が大きいと感じています。「これを作りたい、触りたい」という気持ちが強い方にとっては、これ以上ない環境です。

また、宇宙開発は想定外の事象が次々と起きるため、他業界の目線や知見が大きな武器になります。

やりがい・特徴内容
一連の業務に携わる設計・製造・実験・評価まで、プロセス全体に関わることができる
横断的な業務担当領域を超えた業務にも携われる。採用担当が実験サポートをするケースも
壁のないチームグループ・サブシステム間の壁がなく、全員が連携しながら開発を進める
多様な知見が活きる「技術の総合格闘技」であるロケット開発には、あらゆる業界の経験・視点が貢献できる

AIを活用しながら開発サイクルを加速 ── 最先端技術との向き合い方

弊社では社内でAIツールを導入し、エンジニアを含む全社員が業務に積極的に活用しており、技術開発においても、AIをうまく取り入れることで開発サイクルの短縮や精度向上を図っています。

また「クイック&コンパクト」というバリューが示す通り、弊社は開発スピードを非常に重視しています。コーポレート部門でもエンジニア部門でも、いかに業務を効率化してより多くの実験・改善ができるかを日々模索しています。

2026年度中のサブオービタルでの宇宙空間到達へ ── AstroXが描く宇宙の未来

直近の最大のマイルストーンは、2026年度中にロックーン方式でのサブオービタルでの宇宙空間到達を実現することです。高度100kmの宇宙空間にロケットで到達するという目標に向けて、今まさに開発が加速しています。

その先には、2029年のオービタル(衛星軌道投入)への挑戦があり、高度500km超の軌道への衛星投入成功を目指し、エンジン開発をはじめとした技術的な準備を進めていきます。そしてその後年内のIPOを見据え、衛星軌道投入の成功をもって上場を目指すというビジョンを描いています。

時期マイルストーン
2026年度中ロックーン方式でのサブオービタルでの宇宙空間到達(高度100km)
2029年オービタル実現(衛星軌道投入・高度500km超)
2029年衛星軌道投入成功を経てIPO
長期ビジョン宇宙輸送の量産化・高頻度打上げの実現。宇宙開発で”Japan as No. 1″を取り戻す

求める人材像 ── 業界未経験大歓迎、一連を楽しめる人へ

前提として、6つのバリューに共感し、体現できる方であることが大切です。特に前述の「失敗の数は多いほど評価」や「優秀な個人より優秀なチーム」という考え方に共感できるかどうかは、弊社で長く活躍できるかどうかに直結します。

エンジニアの方であれば、要件定義から設計・試作・実験・評価まで「一連のライフサイクルを楽しめる」かどうかが重要です。分業制の環境に慣れていると合わないと感じるかもしれませんが、自分で最後まで作り上げたい、物づくりのすべてに手を伸ばしたいという思いが強い方にとっては、これ以上の環境はありません。

コーポレートの方であれば、IPOのための組織づくりなどではなく、「AstroXをよくするために何が必要か」を中長期的に一緒に考えて取り組める方を求めています。

そして何より強調したいのは、宇宙業界・モビリティ業界未経験の方にも積極的に応募してほしいということです。ロケット開発は現代技術の総合格闘技。家電、プラント、自動車など全く異なる業界の目線や技術が、宇宙という未知の環境で新たな発見をもたらします。「まさか自分が宇宙業界に」と思っている方こそ、ぜひチャレンジしてほしいと思っています。

職種向いている人の特徴
エンジニア(機械設計・制御・電子回路など)要件定義や試作・設計から実験・評価まで一連のプロセスを楽しめる人。物づくりのすべてに手を伸ばしたい人
コーポレート(経営企画・人事・総務など)組織・環境づくりをともに考えられる人。範囲を狭めず幅広く動ける人
共通6つのバリューに共感できる人。業界未経験・モビリティ業界以外の方も大歓迎

求職者へのメッセージ

スカウトやエージェントから連絡が来ても、「自分には関係ない」「どこから関われるのか分からない」と応募を控えている方も多いのではないでしょうか。でも、宇宙業界は今まさに「1990年代のIT黎明期」と同じ状況にあります。今ここに関わることで、ポジションを取れる領域がたくさんある。

弊社はまだ成長途上で、一人ひとりが会社の方向性に大きく影響できるフェーズです。失敗を恐れず挑戦できる環境と、それを支えてくれるチームがあります。「ロケット開発に携わってみたい」「物づくりを一から最後まで担いたい」という気持ちがあれば、ぜひ一歩踏み出してみてください。

\AstroX株式会社に興味を持った方はこちらもチェック!/

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自分ではありふれた経歴だと思っていても、過去のあなたと同じ境遇にある方のキャリアの道しるべになるかもしれません。
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この記事を書いた人

キャリアクラフトは大阪・東京を拠点に20年、人材事業やシステム開発を行ってきたセルバが運営する「新しい働き方を創るメディア」です。
従来の新卒や転職だけでなく、フリーランスやパラレルキャリアなどの新しい働き方や、リモートワークや時短勤務などの新しく浸透しつつある制度について発信しています。
自身のキャリアに迷っている人のお役に立てればと考えています。

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