ファッションポータルサイトを構築する前に~差別化について解説~

服欲しいなあ、コーディネートどうしようかな、などと思った時に便利なのが『ファッションポータルサイト』。
ファッション情報はもちろん、多様な検索機能や口コミなど、さまざまな機能が求められます。
では、そんな『ファッションポータルサイト』の現状と課題は何でしょうか?
また、サイト運営を成功させるためには、どのように他との差別化を行えばいいのでしょうか?
20年以上ポータルサイト構築に携わる弊社の目線で、サイト構築についてはもちろん、成功事例や運用方法などを解説していきます。弊社で制作を行う場合の費用なども記載していきますので、良かったら参考にしてくださいね。
ファッションポータルサイトとは?


まずはファッションポータルサイトの定義から見ていきましょう。
ファッションポータルサイトの定義
ファッションポータルサイトとは、ファッションに関する豆知識やコーディネート提案、ブランド紹介などを提供するウェブサイトのことを指します。
ユーザーにとっては、コーディネートに迷った時やファッションアイテムが欲しい時などに便利な情報源であり、運営者にとっては集客と収益化を図るための重要なプラットフォームだと言えます。
ファッションポータルサイトには、大きく分けてファッションニュースを中心とした情報発信型、ユーザーがコーディネートを投稿・閲覧するSNS型、ブランド商品を販売するEC型があります。
近年ではAIによるスタイリング提案や、InstagramやTikTokとの連携を通じて販売促進をする動きも進んでおり、ユーザー参加型のメディアとしての側面も強くなっています。
ファッションの流行は変化が早いため、リアルタイム性やビジュアル重視の設計も不可欠であり、ポータルサイトは「知る・見る・買う・共有する」をつなぐ場所として進化を続けています。
近年の衣類・服飾雑貨市場 変化と課題
近年、衣類・服飾雑貨市場ではBtoC市場のEC化が進みつつあり、物販系の全ジャンルのEC市場規模の中で衣類・服飾雑貨市場は18%の売り上げを占めています。
このように、衣類・服飾雑貨市場でのEC化が進むにつれてどのような市場変化や課題があるかを見てみましょう。


ファッションサイト市場では、特にEC(電子商取引)の拡大が顕著で、2023年の日本国内におけるアパレルEC市場規模は約2兆6,712億円に達し、前年比で4.76%の成長を記録しました。
また、業界内でのEC化率も22.88%と高水準を維持しており、物販系全体のEC化率9.38%を大きく上回っています。
この成長の背景には、スマートフォンの普及やSNSの活用、AIによるパーソナライズドな提案など、デジタル技術の進化があり、変化し続ける消費者の生活に寄り添う形での情報提供が求められていることが考えられます。
また、一部ではありますが「メタバース」や「NFT」の領域に進出するケースも増えており、VR上でのイベントや仮想店舗の出店で今までとは違った楽しみ方ができるようになっていたり、「NFT」領域では、NFTアイテムを販売するというよりも“NFT保有ユーザーのみが特別な商品を購入できる”という新しい形での導入を行い、ファン化やプレミアム感を促進する動きもみられるということです。
一方で、実店舗の回復やユーザー導線の戦略に関する重要性も増しており、オンラインとオフラインのどちらでも同じブランド体験ができることが求められています。
“ネット上でのみ”や“実店舗のみ”での購買体験ではなく、「ネットで見てお店に行く」や「お店で見てネットで買う」という連動した購買行動が当たり前になっている世の中で、オンラインとオフラインでの導線づくりがより重要になってきています。
ファッションサイトを新しく立ち上げるのに考えておきたいこと


もうすでに世の中に数多くのファッションポータルサイトが立ち上がっていますが、現状としてはどのような課題があるのでしょうか? ファッションポータルサイトが抱える問題点や、解決方法について見ていきましょう。
ファッションポータルサイトが抱える問題点
では、そんな市場変化の中、ファッションポータルサイトはどんな課題に直面しているのでしょうか?
以下の5つの課題に分けられます。
- 継続的なコンテンツ運用の難しさ
- 差別化が難しい
- 収益モデルの不安定さ
- ユーザー体験(UX)の質にばらつき
- トレンド依存・一過性の流入
①継続的なコンテンツ運用の難しさ
- トレンドの移り変わりが激しいため、記事・コーデ・商品情報の更新を頻繁に行う必要がある
- 少人数のチームではリソースが追いつかず、サイトの鮮度が落ちやすい
- 専門知識・編集力を持った人材の確保が難しいケースも
ファッションは季節やトレンドの移り変わりが早く、情報の鮮度が命です。
そのため、定期的な更新が求められるのですが、運営側のリソースが限られていると、記事やコーデ提案の更新が定期的に更新できず、ユーザー離れにつながってしまいやすいです。
また、単なる更新ではなく質の高い情報を提供し続けるには、企画力・編集力・撮影力など多方面のスキルが必要です。
これを解決するには、ユーザー投稿を活用できるサイト構造や、コンテンツ制作の効率化・支援策の導入が必要となるでしょう。
②差別化が難しい
- 競合サイトと比較した時に、コンテンツ・機能の“似たり寄ったり感”が否めない
- 特に検索やSNS経由で訪れるユーザーは、強い動機がないと他サイトに流れやすい
- コーデ投稿型やまとめ記事型などは、ブランディングを統一することが難しい
ファッションポータルサイトは数多く存在し、扱うコンテンツも「トレンド情報」、「コーデ提案」、「EC連携」など似通ってしまうため、他サイトとの差別化が難しいという課題があります。
特に検索やSNS経由で訪れるユーザーは、特徴が感じられないサイトには長く留まりません。
ユーザーがサイトに訪れる価値を見出せなければ、PVやリピート率の低下、広告収益の伸び悩みに直結してしまいます。
この課題を解決するには、「明確なターゲット設定」と「特化したテーマ(コンセプト)」を持ち、サイトの価値や存在理由を明文化することが重要です。
③収益モデルの不安定さ
- 広告やアフィリエイト収入に依存すると、広告単価やアルゴリズム変更の影響を大きく受ける
- EC機能では在庫管理・返品対応・物流コストにより、利益率が低下するリスクがある
- 有料会員制やブランド掲載課金は、一定の規模と信頼がないと成立しづらい
ファッションポータルサイトは多くの場合、広告収入やアフィリエイト、EC連携による成果報酬に依存しています。しかし、広告単価の変動や検索エンジン・SNSアルゴリズムの変更、ユーザーの購買行動の変化によって、収益が安定しにくいという課題があります。
特にアフィリエイトは競合が多く、クリックや購入につながらなければ利益は得られません。
この課題を解決するには、複数の収益源を組み合わせる「マルチモデル化」が求められます。
具体的には、有料会員向けコンテンツの提供、ブランドタイアップ、オンラインイベントや自社商品の展開など、自社主導で利益を生み出す仕組みを構築することが重要です。
④ユーザー体験(UX)の質にばらつき
- 華やかさを重視したサイト設計が多く、基本的なUXでの離脱要因に運営が気付かないことがある
- 「見た目・使いやすさ・操作感」がブランドイメージに直結するため、UIの細部まで手を抜けない
ファッションポータルサイトでは、見た目の華やかさに注力するあまり、ユーザー体験(UX)の質にばらつきが生じることがあります。
たとえば、スマートフォンでの表示が崩れる、検索が使いにくい、読み込みが遅いといった基本的なUXの問題は、ユーザーの離脱や再訪率の低下につながるのですが、サイトを見たときの第一印象やインパクトを重視するあまりに運営側が気付けないことがあるのです。
また、ブランドイメージとUIの雰囲気が一致していないと、信頼感を損なう原因にもなります。
この課題を解決するには、ターゲットユーザーの利用環境を想定した設計(特にスマホ最適化)と、UI・UXの定期的な改善サイクルの導入を行うことで、ユーザーに「使っていて気持ちいい」と感じさせる体験づくりを行うことが重要です。
⑤トレンド依存・一過性の流入
- バズに頼った流入は短期的には効果があっても、継続的な集客につながりにくい
- 流行が去った瞬間に流入量が激減することも
- 一貫した情報提供やブランドコンセプトがないと、軸を失いやすい
ファッションポータルサイトは、流行や話題性のあるコンテンツで一時的なアクセスを集めやすい反面、トレンドの消費スピードが早いため、ユーザーの定着につながりにくいという課題があります。
一時的なバズ狙いの投稿は短期的な流入には有効ですが、継続的な訪問やファン化には結びつかないケースが多いです。
この課題を解決するには、一過性のトレンド情報だけでなく、ユーザーの悩みや関心に寄り添った“ストック型コンテンツ”の充実が求められます。
たとえば、体型別コーデ提案や季節ごとの着回し術、ブランドの背景紹介など、長く価値が持続する情報を蓄積することで、継続的な訪問と信頼の構築が可能になります。
競合サイトとの差別化を行うには


では実際にポータルサイトの差別化を行うために必要な要素を分析していきます。
何よりもまず必要なのは、競合他社分析ですね。
競合となる代表的なファッションポータルサイト
ZOZOTOWN


引用元:ZOZOTOWN
ZOZOTOWNは、10代後半〜30代のファッション感度の高い男女を主なターゲットとする、日本最大級のファッションECサイト型ファッションポータルサイトです。
カジュアルからモード、ストリート系まで幅広いブランドを揃えており、ユーザーの年齢や性別、スタイルに応じた商品提案をしてくれます。
他サイトとの差別化ポイントは、「WEAR」などの自社SNSとの連携によるリアルなコーデ提案機能や、ZOZOGLASS・ZOZOMATといった独自の採寸ツールを活用したパーソナライズサービス、ブランド公認のセール・アウトレット品の充実など、ユーザー体験を重視した先進的な機能にあります。
WEAR


引用元:WEAR
WEARは、10代〜30代のファッション好きな男女を中心に、幅広い層のユーザーをターゲットとしたコーディネート投稿を行えるSNS型ファッションポータルサイトです。
特に「自分と似た体型・年代の人のリアルな着こなし」を参考にしたいユーザーに支持されています。
他サイトとの差別化ポイントは、誰でも簡単にコーデ投稿ができる点と、投稿されたスタイルから直接ZOZOTOWNで商品を購入できる導線設計にあります。
また、モデル・芸能人・インフルエンサーの投稿も多く、トレンドの“今”を体感できることも大きな魅力です。
コーデを「探す・真似する・買う」が一つのプラットフォーム内で完結する仕組みが強みです。
WWD JAPAN


引用元:WWD JAPAN
WWDJAPANは、ファッションおよびビューティ業界の専門家や関係者を主なターゲットとする情報発信型のファッションポータルサイトです。
業界の最新トレンド、ビジネス動向、コレクション情報、インタビューなどを網羅し、国内外のファッション・ビューティ業界に関する深い洞察を提供しています。
他のファッションメディアとの差別化ポイントは、専門性の高さと情報の網羅性にあります。特に記者による独自取材は、背景や業界への影響まで踏み込んだ内容となっています。
また、紙媒体とデジタル媒体を融合させた「ONE WWDJAPAN」体制を採用し、セミナーやイベントなど多角的な情報発信を行うことで、業界のプロフェッショナルから一般のファッション・ビューティ愛好者まで、幅広い層にリーチしています。
競合サイトのアクセス分析
競合サイトのアクセス分析をするのに便利なのが、『SimilarWeb』というツールです。


引用元:https://www.similarweb.com/
『SimilarWeb』に競合サイトのURLを入力すると、検索ランキング・訪問者数・平均滞在時間・平均PV・平均直帰率などがわかります。
また、流入経路も調べることが可能で、SNS・インターネット広告・検索エンジン・直接アクセス(ブックマーク・お気に入り)など、どこから流入しているのかが詳しくわかるため、集客の参考になるでしょう。
競合となるファッションポータルサイトのアクセスを分析
実際に『SimilarWeb』を使って、ファッションポータルサイトのアクセスを分析してみましょう。
例として、下記3サイトのアクセスを分析しました。
※分析結果は2025年5月時点のデータです。現在のデータとは異なる場合がありますのでご了承ください。
SHOPLIST


引用元:SHOPLIST
SHOPLISTは、10代から30代のファッション志向の高い男女を主なターゲットとするEC型ファッションポータルサイトです。
特にプチプラ価格帯の商品を求めるユーザーに支持されており、レディース、メンズ、キッズ向けの多様なブランドを取り扱っています。コスメやインテリア雑貨なども取り揃え、幅広いニーズに対応しています。
他サイトとの差別化ポイントとしては、複数のブランドの商品を一度の購入でまとめて注文できる利便性が挙げられます。これにより、送料や手間を削減し、ユーザーにとって効率的なショッピング体験を提供しています。
また、定期的なセール・キャンペーンの実施により、ユーザーのリピート率向上を図っています。ファストファッションを求める幅広い層に価値を提供しています。
直近3ヶ月間の合計訪問者数 | 13,080,000 | |
月間セッション数 | 4,362,000 | |
月間ユニーク訪問者数 | 2,059,000 | |
平均滞在時間 | 00:05:39 | |
ユーザー1人あたりの平均PV数 | 5.82 | |
直帰率 | 51.23% | |
主な流入経路 | オーガニック検索 | 37.05% |
ダイレクト(直接アクセス) | 46.47% | |
リファラル(他サイトからの流入) | 2.94% | |
主な検索ワード | ドレスコード | |
チノパン | ||
オフィスカジュアル 靴 |
Lemon8


引用元:Lemon8
Lemon8は、TikTokを運営するByteDance社が開発したライフスタイル共有型とも言えるSNS型ファッションポータルサイト(アプリ)で、特に20〜30代の女性を主なターゲットとしています 。
ファッション、ビューティー、グルメ、旅行など多彩なジャンルの投稿が可能で、ユーザーは自身のライフスタイルや興味を共有・発見することができます 。
他サイトとの差別化ポイントは、投稿内容がカテゴリごとに分かれており、ユーザーは興味のある分野の情報を効率的に収集できる点です 。
また、ハッシュタグの入力が簡単で、関連するタグが自動で予測表示されるため、投稿の発見性が高まります 。情報収集と発信の両面でユーザーにとって使いやすいプラットフォームとなっています
直近3ヶ月間の合計訪問者数 | 35,940,000 | |
月間セッション数 | 11,980,000 | |
月間ユニーク訪問者数 | 8,687,000 | |
平均滞在時間 | 00:01:02 | |
ユーザー1人あたりの平均PV数 | 1.96 | |
直帰率 | 69.85% | |
主な流入経路 | オーガニック検索 | 65.95% |
ダイレクト(直接アクセス) | 22.84% | |
リファラル(他サイトからの流入) | 1.57% | |
主な検索ワード | Lemon8 | |
だましなし | ||
華町ココ |
FASHIONSNAP


引用元:FASHIONSNAP
FASHIONSNAPは、ファッションに関心のある20~40代の男女を主なターゲットとした情報発信型のファッションポータルサイトです。
実際に店舗で服を手に取る消費者層を重視しており、業界関係者だけでなく、幅広い読者に向けて情報を提供しています 。
他のファッションメディアとの差別化ポイントは、ストリートスナップから業界ニュース、ビューティー、カルチャー、ビジネスまで、多岐にわたるトピックを網羅している点です。
また、SNSとの連携を強化し、InstagramやXなどを通じてリアルタイムでの情報発信やユーザーとの双方向コミュニケーションを実現しています 。
直近3ヶ月間の合計訪問者数 | 11,500,000 | |
月間セッション数 | 3,836,000 | |
月間ユニーク訪問者数 | 2,568.000 | |
平均滞在時間 | 00:01:07 | |
ユーザー1人あたりの平均PV数 | 1.63 | |
直帰率 | 65.38% | |
主な流入経路 | オーガニック検索 | 40.95% |
ダイレクト(直接アクセス) | 35.42% | |
リファラル(他サイトからの流入) | 4.22% | |
主な検索ワード | ワークマン | |
22時占い | ||
ロンハーマン ユニクロ |
成功するファッションポータルサイトの特徴
以上のように人気のファッションポータルサイトを見ていくと、以下のような共通点があることがわかります。
- ターゲットを明確に決め、そのニーズに合わせた情報提供を行っている
- コンセプトをはっきりと決め、それに合った情報のみを絞って提供している
- 写真などの使い方を工夫して情報を伝えやすく工夫されている
もちろんファッションポータルサイトは他にも多数存在するため一概に言えない部分もありますが、月間何万人ものユーザーに利用されるポータルサイトは、ユーザーにとって良質な情報(信頼度の高いファッション情報やトレンド情報、コアな情報)を提供しているサイトであることがわかります。
差別化のカギはコンセプト設計
では、競合との差別化を図っていくために必要なことは何でしょうか?
それはサイトを構築する前に考えるべき「コンセプト設計」です。
新規でポータルサイトを立ち上げる場合、一般的には下記のように考えられることが多いです。
- 「誰に」情報を届けたいのか
- 「どんな価値を」届けられるのか
- 「どういう形で」その価値を届けたいのか
それらを設定することで、サイト内で一貫した発信を行うことができ、選ばれるサイトになっていきます。
具体例を見ていきましょう。
具体例①
誰に:30~40代の子育てママ
どんな価値を:子どもに汚されても平気でいられるプチプラ&オシャレ見えするファッション
どういう形で:ママ目線での服装選びのポイント、実際に来てみた口コミや感想レポート、子どもとおそろいコーデができる服の販売
⇒ コンセプト:「親子でファッションを楽しもう」
具体例②
誰に:50~70代の男性
どんな価値を:イケおじファッションで街ブラもオシャレに
どういう形で:流行ファッションの着方やポイントを動画などで解説、価格帯は幅広く取り揃えて“なりたいイメージ”で検索できる機能、髪型のアドバイスなども合わせて解説・関連商品の販売
⇒ コンセプト:「誰でも簡単にイケおじになれる!」
このように、自社でのコンセプトをしっかりと決めて、一貫した情報提供ができるように心がけましょう。
そうすれば、サイトへの信用性が高まり「こういう時はこのサイトを見てみよう」と選ばれるようになっていきます。
サイト構築の前に考えておきたい6つのこと


では、ポータルサイトを構築する前にどんなことを考えておく必要があるのかを整理していきましょう。
- リサーチをする
- サイトの目的を明確にする
- 具体的にターゲットを決める
- 差別化する方法を考える
- どんなコンテンツを揃えるか考える
- コンテンツから必要な機能を考える
リサーチをする



今あるファッションサイトよりも、もっと一貫した、信頼性のある情報を世の中に広めたい!



自社のアパレル店舗やコーディネートサービスをより多くの人に提供するために、潜在顧客と出会える場所を作りたいなあ。
ファッションポータルサイトを立ち上げたい理由には、このような例があるかと思います。
しかし、いきなり何も調べずにコンテンツを組み立てていくのはオススメできません。
まずは、競合となるサイトはどのようなものか、検索上位にはどんなサイトがヒットしているのかをリサーチしていきましょう。
サイトの目的を明確にする



競合他社がファッションポータルサイトをリリースしたから、自社でも立ち上げたい!
このように、「ファッションポータルサイトを立ち上げること」自体を目的としてしまうと、ほとんどの場合失敗に終わります。
ファッションポータルサイトを立ち上げるのは、あくまで一つの手段です。
「ネット上の情報が多く埋もれてしまっている教室を、独自の視点で取り上げることによって集客のサポートをしたい」など、ポータルサイトを立ち上げることで地域や世の中、ユーザーにどう影響を与えたいのか考えましょう。
具体的にターゲットを決める
サイトの方向性を決めていくには、どの層をターゲットにするかをまず決める必要があります。



誰でも便利に使えるサイトにしたい!
という考えもあるかと思いますが、「万人受けしたい」と考えると誰にも刺さらないサイトとなり、高確率で失敗するので注意しましょう。
具体的にターゲットを決めるには、下記について考える必要があります。
- メインターゲットとするユーザーの属性(男性・女性、学生、OL、ファミリー層 など)
- 性別
- 年齢層
- 関心ごと(フェミニン、カジュアル、モード など)
- 利用目的(新しい洋服が欲しい、情報収集したい など)
一口にファッションポータルサイトと言っても、ターゲットの属性によっては必要としている情報が大きく違います。
また、それらが共通していても性別や年齢層によって求める情報は変わるはずです。
大まかなターゲット層だけではなく、ペルソナも設定しましょう。
ペルソナとは、ターゲット層の人物像を具体的にしたものです。
そのポータルサイトを利用するであろうユーザーは、どんなライフスタイルで休日はどう過ごしており、潜在的には何を求めているかなど、実際に存在している人物として描き出していきます。
するとターゲット層が「どの時間帯に、どんなふうに検索をし、行動を行うのか」が見えてきます。
その行動にあわせたコンテンツを配信することで、集客やアクセス数アップにつながりやすくなります。
差別化する方法を考える
ターゲットが具体的に決まっても、まだコンテンツを組み立てるのは早いです。
既に同じターゲットに向けた競合サイトが存在することがほとんどだからです。
後発で同じことをしても成功する可能性は低いため、既存の競合サイトと差別化をはかる必要があります。
差別化する方法の具体例としては、以下の通りです。
- 専門性の高いサイトをつくることで、ニッチなニーズに対応できるようにする
- 口コミなどの情報の正確性を上げるために、”生の声”を提供できるような設計をする
- 検索結果をわかりやすくユーザーに伝えられるようなサイト構造を設計する
このように、他サイトでは行っていないような独自のアイデアを反映させ、差別化を図ってみましょう。
どんなコンテンツを揃えるか考える
ここまで決まったら、ようやく「どんなコンテンツを揃えるか」を考える段階に入ります。
ターゲットによって必要としている内容は変わりますが、一般的にポータルサイトといえば下記のコンテンツを基本としていることが多いです。
- トップページ
- お知らせ(インフォメーション)欄
- 新着情報一覧
- 初めて訪れるユーザー向けのサイト紹介ページ
- 特集ページ
- 記事/コラム
- 検索バー/検索ページ
- 広告バナー
- ランキング
- 利用規約
- プライバシーポリシー
- 免責事項
- 運営会社概要
- お問い合わせフォーム
- リンクについての説明ページ
- 広告掲載についての説明ページ
- サイトマップ
ファッションポータルサイトであれば、内容にもよりますが下記のコンテンツも欲しいところですね。
- 口コミ
- 洋服やブランドの詳細
- コーディネートの保存機能
- 写真や動画
- トレンドの特集
この段階では具体的なターゲットや、競合と差別化する方法が決まっているはずなので
「ターゲットがどんな情報を必要としているか」を想像して、揃えるコンテンツを決めていきましょう。
コンテンツから必要な機能を考える
どんなコンテンツを揃えるか決まったら、そのコンテンツを掲載するために必要な機能を考えていきましょう。
一般的に、ポータルサイトに最低限必要とされている機能は下記の通りです。
- 検索
- 新着情報の自動表示
- 記事の投稿
- 検索結果一覧
- お問い合わせフォーム
「ファッションポータルサイトに欲しいコンテンツ」から考えるなら、下記の機能も欲しいところです。
- 口コミ投稿機能
- ブランド詳細ページ
- マイページ(お気に入りコーデ保存機能)
- 写真や動画を投稿できる機能
- AIチャットボット機能
- マイページ(会員登録)
必要な機能は「このコンテンツを掲載したいからこの機能が欲しい」といったように、コンテンツから考えることをおすすめします。
「競合にない斬新な機能があれば便利そう」など、機能の実装を目的としてしまうと、本来は不要だったはずなのに実装して無駄に開発費が高くなったり、ユーザーにとって価値のない機能になってしまうからです。
リリース後の集客方法


ポータルサイトは作って終わりではなく、リリースしてからが本番です。
リリース後にどうやって集客していくのかを考えていきます。
『SimilarWeb』で調べたように、ポータルサイトへユーザーが流入してくる主な経路は、検索エンジンや外部サイトです。どのような方法で、アクセスを促すことができるでしょうか。


検索エンジン(SEO)
検索エンジンからのアクセスを増やすのに重要なのは、キーワードの選定です。
いわゆるSEO対策を行うことで、ポータルサイトの集客につながります。
キーワードの探し方
キーワードを探す上で有力なツールに、「Google広告」内の『キーワードプランナー』や『Googleトレンド』があります。


『キーワードプランナー』は、検索ボリュームや関連キーワードを調べることが可能です。
今回は、『Googleトレンド』を使ってキーワード候補として「公園コーデ」を調べてみます。


引用元:Googleトレンド
『Googleトレンド』は、Google での最新の急上昇ワードを、視覚化されたデータとして出してくれます。
周囲での人気度の動向や、地域別人気度、人気関連キーワードを調べることが可能です。
「公園コーデ」というキーワードで調べてみると、「公園コーデ 夏」、「デニム シャツ コーデ」のように関連キーワードが表示されます。これらの関連キーワードは、記事や特集を組み立てる上での参考になります。
検索結果で上位に表示させるには
しかし、人気のキーワードの上位には、大手のポータルサイトが多数表示されていることが多いです。
では、リリースしたばかりのサイトが上位に表示されるには、どうすれば良いのでしょうか。
結論から言うと、リリースしたばかりのサイトを検索上位に表示させる方法は下記となります。
- 競合性の低いキーワードを見つける
- ユーザーの検索意図に応えたコンテンツを作る
- 競合サイトにはない独自性の高いコンテンツを作る
細かく言えば上記以外にも気をつけるべき点はありますが、検索エンジンからの流入を増やしてポータルサイトの集客につなげるには、これらをすべて兼ね備えたコンテンツをどれだけ多く揃えられるかが鍵となります。


SEO対策はすぐに効果が表れるものではないため、効果が表れるまでに最低でも3ヶ月はかかることは予め受け入れて対策をする必要があります。
外部サイト
ポータルサイトの流入経路として、検索エンジンからの流入に次いで多いのが外部サイトからの流入です。
外部サイトからの流入を増やす方法としては、下記が挙げられます。
- プレスリリースを行う
- 宣伝できるサイトに登録する
- 広告を掲載する
- インフルエンサーに宣伝を依頼する
無料でできる方法ばかりではありませんが、SEO対策は効果が表れるまでに時間がかかるため、外部サイトや広告なども併用して集客を行うことをおすすめします。
ファッションポータルサイトであれば、下記のサイトを利用して集客するのがおすすめです。
広告を掲載するならバナー広告よりも、サイトの魅力を詳細に伝えられる記事広告(PR記事)がおすすめです。
掲載期間が決まっているものと、サイトが閉鎖されない限り永続的に掲載されるものがあるので、可能であれば後者のサイトの記事広告をおすすめします。
SNS
X(Twitter)やInstagramなど、SNSでの集客は無料でできるため、活用しないのは損です。
有料で広告を掲載することもできます。
SNSを運用する場合も、「ターゲット層が必要としている情報」が何かを考え、それを発信していくことで、フォロワーが増えてサイトの集客に繋がっていきます。
ただ運用すれば良いわけではなく、お知らせのみのアカウントや、スタッフの日常などは投稿しても伸びにくいです。
ポータルサイトの多くは記事コンテンツがあるので、記事の内容をSNS向けに簡略化したものや、ユーザーの視覚に訴求できる教室の雰囲気写真や動画を投稿するのがおすすめです。
ポータルサイトを構築するには


ファッションポータルサイトに限らず、ポータルサイトが成功するかどうかは構築前にほとんど決まっていると言っても過言ではありません。


ターゲット層が具体的に決まり、どんなコンテンツを掲載するか、どうやって集客するかなど、準備をしっかり行ってから本格的にサイトの構築を行っていきましょう。
サイト構築に必要なもの
サイトを構築していくために必要なものは下記となります。
契約関係
- サーバー
- ドメイン
- SSL
サイト内で使用する素材
- サイトのロゴ
- サイト内で使用するテキスト
- サイト内で使用する画像・動画
自社で準備できるものはしておくことをおすすめしますが、内容や予算にあわせて開発会社に相談した方が良い場合もあります。
サーバーなどは知識がないと難しい部分もあると思いますので、弊社では想定されるサイトの規模や機能に合わせて提案させていただいています。
サイト構築の流れ


弊社でのサイト構築のプロセスになります。
他社様では細かい部分が違ってくることがありますが、参考にしてください。
ご依頼いただいた内容を基に、見積書を作成いたします。見積もり内容に納得いただき発注いただけましたら、正式に契約となります。
要件定義にてご依頼内容の詳細を詰め、お客様がイメージされているものを具体的にしていきます。
その後、具体的に決まった内容をシステム・デザイン面の要件としてまとめる概要設計を行い、詳細設計にて概要設計の内容を、開発時の設計書まで落とし込んでいきます。
設計書に沿って、実際に構築をしていきます。
テスト段階では、要件定義・設計にそって開発できているか、動作不具合がないかをまず社内で確認いたします。
次にお客様にも要件定義の内容を満たしているか、動作不具合がないか、品質に問題がないかをご確認いただきます。
お客様によるご確認で、新たに発生した軽微な修正も行い、その修正に対してテストを行うことを繰り返していきます。
テストが完了したら、いよいよサイトのリリースです。
注意したいのは、テスト段階で発生しなかった不具合などが発生する可能性があることです。
これはテスト段階とは違い、同時に多くのユーザーがアクセスすることで初めて表面化する不具合があるためです。
リリース後の不具合には迅速に対応し、安定して運用ができる状態にしていきます。
制作費用
ポータルサイトの制作費用については、弊社で制作する場合は下記が目安となります。
初期費用:250万円~
(内訳:デザイン・コーディング: 100万円~ / システム開発: 150万円~)
月額費用:4万円~
(内訳:お問い合わせ対応 / サービス監視 / 問題発生時の原因調査・復旧対応)
※サーバー・ドメイン・SSL・メルマガ配信ASPに関する費用は除く
必要な機能や納期によって大きく変わりますので、詳しくはお問い合わせください。
制作期間
必要な機能によって変わりますが、最短で1か月程度となります。
弊社はポータルサイトの開発を得意としており、何かと必要な機能が多く納期が長くなりがちなポータルサイトも短い納期での開発が可能です。
他社で断られた場合でも、お気軽にお問い合わせください。
お客様からのよくある質問


弊社で今までにお客様からいただいた相談の中で、よくある質問とその回答をまとめました。
- デザインは自由に変更できますか?
-
見積の範囲内でできる内容であれば、対応可能です。
当初の見積の範囲を越えた変更をする場合は、別途費用を請求させていただきます。 - サイト構築前の準備が重要と聞きますが、マーケティングの知識がなく、戦略をどうやって立てればいいかわりません。
-
弊社は開発だけでなくWEBでの集客支援も行っていますので、戦略についてもお気軽にご相談ください。
マーケティングの知識がなくても、お客様の目的やご希望をヒアリングし、実現できるプランを提案させていただきます。 - サイト構築後もサポートはしてもらえますか?
-
もちろん、サイト構築後もサポートいたします。
保守が続く限り不具合の修正などに対応させていただくほか、アクセス数を伸ばしたいなどのご相談も承ります。 - 記事の書き方がわからないので、記事コンテンツの制作もお願いできますか?
-
別途費用をいただきますが、対応可能です。お気軽にご相談ください。
- スマートフォンからのアクセスを増やしたいです。
-
ファッションポータルサイトはPCよりもスマホで閲覧するユーザーが圧倒的に多く、スマホの最適化は大前提として行いますのでご安心ください。
スマホで閲覧した際の表示スピードや軽さへの対応が、検索順位にも大きく影響します。ターゲットユーザーやサイトで取り扱うテーマによっては、スマートフォンよりもPCでの最適化を優先した方が良い場合もありますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
20年以上Web構築に携わる弊社の目線で、競合分析や運用、サイト構築のフローについて詳しく解説していきました。
ファッションポータルサイトは数多くありますが、結局のところ、勝負すべきところは独自性です。
自社の魅力を最大限発揮できるような習い事ポータルサイトを作りたいとご希望の企業さまは、ぜひ一度弊社へのご相談もご検討いただけると幸いです。
また、セルバでは『セルバポータルサイト構築CMS』というサービスで、サイト構造にこだわりながらも、ゼロから作るよりも構築費用が安く、セキュリティの高いサイトを構築可能です。
また、サイトリリース後の集客支援なども行っているため、サイト運営が軌道に乗るようなサポートもさせていただいております。よろしければぜひご検討くださいね。

